戦後に発達した『サラリーマン社会』が格差社会の中で崩壊していく理由

  • 19 March 2016
  • のぶやん

サラリーマン社会というのは、戦後に発展してものであり、戦前は農村部において1次産業に従事する人の数が多かったのです。それが戦後になって、農家の生産性が向上した事もあって、農村部にそれほど人手がいらなくなったことなどもあって、農村部の土地を捨てて都会に出てくる若者が急増しました。そこで、電車に揺られて職場に出勤するような『サラリーマン』というスタイルが高度経済成長とともに一般化していきます。

サラリーマンが日本で発達したのは戦後のことであり、サービス産業の発展も戦後のことでした。それまでは、普通に農村部で家庭を支えて農家をやるような人が多かったのです。ホワイトカラーというのは、一部の大学を出た知識層が担うものだとされていました。それが経済発展に伴って、ホワイトカラーが沢山必要になり、サラリーマンという事務職・営業職が大量に生み出されていく事になります。



◆ 都会に田舎から出てきたサラリーマン

中国においても、農村部から都会に出てきて、都会の戸籍の人と結婚(中国の戸籍制度では都心部で働くには労働許可・都会の戸籍が必要)して、都会で働きたいと思う夢がありました。こうして農家は、高校を出たり、大学を出たりしてサラリーマンになっていく訳でした。農村部で給料を得る場所がないので、都会に出てきて就職するのは、『当たり前のこと』と思われていきました。そして、企業の側も効率的に大学生を採用していく為に4月の一斉採用などが行われて、一斉研修なども行われました。

日本では高度経済成長の中で、団塊の世代という人たちが40代を迎えた1990年頃に、経済がピークを迎えており、それから経済衰退に入りました。団塊の世代がサラリーマンとして就職して、働いていたうちは、年金の問題であったり、健康保険などの社会保障の問題もそれほど出てきませんでした。今では、経済規模が縮小していくなかで、そうしたサラリーマンが一気に退職しており、年金・健康保険などの問題が深刻化していきています。

◆ デジタル化の時代で人員が必要ない時代

現在のデジタル化時代においては、様々な場所で人員が必要なくなってきています。特に企業でホワイトカラーとされているサラリーマンは、デジタルを使いこなす人と、少数の営業職を除いて特に不要という場合も増えてきています。どうしても必要になる職があれば、その時に臨時で誰か派遣社員・アルバイトなどを採用すれば良いという考え方です。また、店頭に立って販売する店員・スタッフなどであれば、正社員・派遣社員関係なしに低賃金で働かせる事ができるようになっています。

人員が必要のない時代において、『会社に雇われる生き方』というのがもの凄いリスクが高い事がわかります。先ず、正社員が大幅に少なくなるような中で、正社員として生き残っていくのは大変です。40歳ぐらいまでは良いとして、その後にどうするというのでしょう。また、店頭に立って販売する店員・スタッフなどであれば、低賃金労働者として、ますます搾取されていく側になっていきます。

◆ 搾取されないには労働者にならないこと

労働者でいることは、資本を保有する事を放棄しているのと同じ意味になります。それは、搾取される側に立ち続けると、奴隷のように全てを剥ぎ取られ、何も為す術がなくなってしまいます。搾取されない為には、労働力以外の『何かを保有する事』が大切になるでしょう。相手と対等な取引を行う時には、労働力と対価で何かを交換しようとしてはいけないという事です。自分で企業の株式を保有したり、自分で多く閲覧されるコンテンツを保有するなど、何かの資本を保有できなければ、労働力を提供してお金を得るという『奴隷の働き方』しかお金を得る方法がなくなってしまいます。

社畜の中に紛れて会社員サラリーマンなどやっていると、普通に独立・起業などの話をする雰囲気にはなれません。周囲に同調して、社会人・サラリーマンをする人生を強要されてしまうのです。そうした生き方をしないためには、周囲から距離を置く必要があるでしょう。つまり、そういった会社員に紛れることなく、自分の時間を使えるようにする必要があるのです。上司などとの飲み会などで同調するようになれば、上司と似たような人生か、それ以下の人生しか過ごす事ができません。自分の目標があるのであれば、それに向けて周囲にいる環境を変えて行く必要性があるという事です。孤独に思考して自分なりに判断していかなくてはいけません。

◆ 自分の市場価値を良く知ること

ブラック企業で働いている社員というのは、自分が低賃金である理由を良く理解していないのかもしれません。例えば、ブラック企業の典型であるコールセンターなどのアルバイトでも、コールセンターで技術レベルをかなり高めて評価されたところで、それは他の企業に評価される可能性は極めて低いと言えるでしょう。言い換えれば、ブラック企業で評価されたとしても、社外で全く相手にされないという事は良くあります。客観性の強いスキルを身に付けるというのはどういう事かと言えば、フリーランスとして多くの企業から仕事を依頼されたり、自分自身が会社を作ったりできるという事でもあります。

ブラック企業の中には、ある程度のスキルを持った人材を低賃金で採用できないと嘆いている会社もありますが、全くの論外です。そんな人材は、自分から進んでブラック企業に就職してくれるはずもありません。ブラック企業というのは、総じて低賃金であり、そういったところで働くのは、『会社の言うことを聞くだけの人』という場合が多くて、向上心もそれほどありません。

◆ 会社の言う事を聞いているのではダメ

会社の研修などがあって、会社の言っていることを鵜呑みにして、ブラック企業の言うがままに働いてたのでは、人生は全てブラック企業に奪われてしまいます。そうならない為には、周囲に歩調を合わせることなく、自分の時間を使って、自分で情報を集めて、自分で考えて、自分で情報を発信していくことが大切になります。今の自分は何ができるかを客観的に見つめることは、ブラック企業で働かない為には非常に大切な事です。

日本で会社内に残れる人というのは、周囲に同調しながら、成績をあげられる社員です。自分で何か仕事を作り出してどんどん個性を発揮して活躍したがるような人は、『個人主義だ』として出世できません。だから、自分が個人で活躍したいと思ったら、会社にいてはいけませんし、会社の人と同調してしまったら、考え方が磨かれる事もないのです。そして、個人を持たないということは、誰でもできる仕事しか出来ないことになりますので、40代になって会社から『来なくていいよ』と言われて終わりになるのです。

◆ 会社がなくなっても食べていけるか

30〜35歳ぐらいまでは、会社がなくなっても、あまり仕事を選ばなければ、転職の機会はあるかもしれません。しかしながら、35歳を過ぎたのであれば、いつリストラされてもおかしくない状況になり、リストラされると転職が非常に厳しいという状況が待っています。だから、若い人から学んだり、自分で日頃から勉強をしたりして、自分のスキルレベルを高めるように常に努力していかないといけないのです。

何も努力をせずにダラダラと過ごしていたのでは、自分の幅がどんどん狭まっていって、そのうちに食べることすら厳しくなるでしょう。市場に対して自分の価値をどんどん上げていく為には、常に勉強を続けて強くなり続ける必要があるでしょう。最も輝ける35歳ぐらいになって、自分が市場において強者になっていなければ、非常に厳しい人生を過ごす羽目になるので注意が必要です。

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