朝日新聞社の経営状態がヤバいらしい。全国紙は解約する方がいい理由

  • 14 October 2016
  • のぶやん
寿司メディア

NEWポストセブンの報道によると、『2013年度に3135億円あった売上高が2015年度には2748億円へと387億円(12%)落ち込んだことに言及している。3000億円を割り込むのは1985年度以来30年ぶりという事態』という事です。しかも、今から経営状態が良くなることがあるはずもなく、朝日新聞社の発行部数がこれから急激に落ち込む可能性が予測できます。下手をすれば、5年後に2000億円を割り込む可能性もある訳です。そうなってくると、新聞社の規模をかなりコンパクトにしないと自力で生き残っていけません。

NEWポストセブンに添付された画像によると、朝日新聞の社内で配布された『全社員に知っていただきたいこと』と題された資料の中で、2016年4月~6月で36億円の売り上げが失われて、社員1人当たり毎月20万円に相当する額が失われていると書かれています。毎月のように解約が相次いでいる様子に経営陣が危機感を強めていると見て取れます。


2011年3月期には約780万部だった朝日新聞の販売部数は、年10万部で減少していました。それが朝日新聞が慰安婦問題などで誤報したとする批判をされた2014年から2015年にかけては、年間60万部も減少して、2015年で680万部まで発行部数が減少したという事です。2011年から2015年までの僅か4年間で100万部も減少したという事で、朝日新聞の経営にも大打撃となっています。

新聞社のビジネスモデルはオワリ

日本の新聞社は、世界でも特異の部数を誇っていましたが、そのビジネスモデルが終焉に向かおうとしています。日本人だけ異常に新聞を読むのが大好きだったわけですが、今では10代~40代ぐらいまでの世代を中心として、新聞を読む習慣が全くないという人も増えています。ここ数年でスマートフォンが急速に普及した事によって、『記事というのは無料でサクッと読みたいところを読むもの』と多くの人が感じるようになってきました。ソーシャルメディアなども発達してきて、必ずしも新聞社が配信する情報が自分にとって『質が高くて面白い記事』とは限らなくなってきました。むしろ、新聞紙などで読むのは、自分が面白くない記事の方が多いので、『時間の無駄』と感じることが多くなりました。

世界で日本だけが唯一新聞紙が500万部~1000万部も販売されていたのですが、こうした特異な状況というのも、そろそろ終わりになろうとしています。スマートフォンのニュースアプリ普及というのが1つの要因ですし、もう1つの要因として、2015年~2016年頃にかけて急速にYoutubeの動画が広まったことがあります。動画で多くのニュースが配信されるようになってきているので、わざわざメンドクサイ活字で細かいニュースを新聞という紙媒体で読む必要がなくなったという事でしょう。

海外の発行部数を見ると、3億人いるアメリカでさえ、大手新聞社と呼ばれるところの発行部数が100万部ほどです。日本の新聞社の『適正発行部数』を海外に照らして考えると、どの新聞社も100万部を割り込むところまで落ち込む可能性が高いと考えます。今、新聞に依存している人の多くが高齢者であり、若者ほどスマートフォンを使って情報を取り込む習慣があります。この為に雑誌、スポーツ紙なども売れなくなっています。この流れというのは、今後は更に加速していくでしょう。

紙を使ったビジネスは続かない

書籍の出版、雑誌の出版、新聞にしても、紙を使ったビジネスモデルというのは、情報伝達の遅さとコストの高さから淘汰されています。デジタルで、『低コストで大量の情報を提示する』という事が求められており、その為には、新聞社のように高給の社員を在籍させているビジネスモデルは、発行部数が落ちると継続する事はできないでしょう。

新聞社というのは、従来の資産を使いながら、紙を使わないデジタルビジネスを主力にビジネスモデルに転換していく必要があります。その転換の為には、従来のデジタルに疎い従業員を切り捨てて、IT系に強い従業員を採用しながらIT企業に変貌を遂げていく必要があるのです。しかし、そもそも新聞社の首脳陣がデジタルに弱い人が揃っているので、そういった変貌を遂げる事は不可能と言えるでしょう。言い換えれば、こうした時代の流れに沿っていけない企業は、淘汰されて仕方ないという事になります。

新聞社の給料が高すぎた

新聞社と言えば、かつて人気があった職業であり、記者というのが偉い人に接触する為か偉そうにしていた時代もありました。今でも、新聞社の平均年収が800万円~1000万ともされていて、とにかく他業界に比べても、その給与の高さで人気がありました。しかし、新聞社の給与の高さというのは、全国に拡がった購読者に対する販売網の定期購読を持つという特権に支えられていたので、購読者がいなくなって、新聞の定期購読がなくなると、新聞社の社員給与を高く維持する事ができなくなります。アメリカの新聞社では、400万円ほどが普通とされていて、エース級の記者でないと1000万円貰えないとされています。日本の新聞社の給与も、今後はどんどん落ちていく事でしょう。

新聞社の経営陣にしても、今の経営陣がインターネットビジネスに詳しくなければ、もうデジタル化で稼ごうなんて不可能です。インターネット情報分野では、それを専業とした人たちがいて、そういう人たちが凄い競争で戦っている訳です。そうした所に素人の経営者が『デジタル化の時代だから乗り込んでみよう』と言って、言うのは簡単に言えるのですが、実際に稼ぐレベルに持ち込むのは不可能です。システムを外注して『形だけ見せる』という事は出来るのですが、実際にインターネットを使って稼ぐとなると非常に難易度が高い事です。

面白くない記事がいらない

新聞の半分以上は、自分が読んでもつまらない(全く興味がない)記事と、広告で埋まっています。こんな半分も読まない記事をカネを出して買うのは、ばかばかしいと思ってしまう訳です。無料でくれるというなら、何とか読む気にもなるかもしれませんが、お金を支払ってまで読む気にはならない訳です。毎日のように配達されたとしても、ほとんど半分も読まないでゴミ箱行きになってしまうので、解約する人が多いのでしょう。

プロ野球なんて全く興味もないのにプロ野球の記事が掲載されていたり、競馬なんてやったこともないのに競馬の記事が掲載されていたりします。事件・事故の記事なんて見たくもないのに、事件・事故の記事をわざわざ掲載していたり、テレビが家にないのにテレビ欄が設けられていたりと、新聞と自分の需要が全くマッチしないのです。

自己主張ばかりしている新聞社

情報提供に特化していればいいのに、全国紙の新聞というのは、どの新聞社も自己主張ばかりして面白くありません。事実だけを伝えてくれればいいのに、何故か記者の意見・コメントを押し付けてきて、何のためにカネを払っているのか分からなくなります。自己主張ばかり繰り返して、意見を押し付けてくる新聞紙は、買って読むものではなくて、無料で貰っても読みたくないものです。

今は、インターネットで自分が読みたいニュースが読める時代なので、多くの人は自分と異なる意見を無理に押し付けられるのを嫌います。事実だけを伝えて、それ以外は自分で考えるようなスタイルで十分だと思っているのです。私なら新聞社にいくら支払うか?と問われたら、『無料でも読みたくない』と答えるでしょう。無料であったとしても、広告と意見を押し付けられる新聞を読む気にはなれません。

自民党政権と完全に癒着している寿司メディア

寿司メディア

全国紙は、安倍政権(自民党)と会食を繰り返しており、紙面に大きな影響を与えています。戦前の新聞社が政権に批判的な事を取り扱わずに戦争に進みましたが、現在も全く同じような状況になっています。読売新聞、産経新聞が政権寄りの報道と言われる事も多いですが、今では朝日新聞や毎日新聞まで安倍晋三と一緒に会食を繰り返して、政権批判を控えるようになっています。

消費税の新聞社に対する『軽減税率』

消費税の増税に関して、新聞社だけ『軽減税率』というものを適用するという動きがありますが、そういう姿勢だからこそ読者離れが進むのです。消費税増税が人々の暮らしを破壊する事をしっかりと解説して、『国会議員が自分の身を削れ』という態度で消費税の増税に反対して、庶民に寄り添う新聞紙であれば、解約する人はほとんどいないでしょう。新聞社が考えている事は、国民の事ではなくて自分たちが生き残る事であり、そうした姿勢が見透かされているのです。

地方紙の多くは、全国紙に比べて解約率が低くて、地方紙の中には販売部数を伸ばしている地方紙すらあります。それは、地域に寄り添って、地域の情報を流す媒体としての役割が非常に大きくて、地域の人から『なくてはならない情報源』と認識されているからです。全国紙の場合には、地域情報と違って『なくても困らない』情報ばかり流しているので、スマートフォンで代替できる情報であれば、すぐに解約されてしまうのです。

朝日新聞の財務体質は盤石

朝日新聞の財務体質は盤石であり、すぐに経営危機になるようなことはなさそうです。The Pageの記事においても『朝日新聞は築地や銀座など都心の超一等地に多数の不動産を保有していることで知られており、自己資本比率は60%近くに達するなど財務体質は盤石です。しかも同社には1800億円もの運用資金があり、大規模投資ファンド顔負けの規模を誇っています。』と書かれている通りだと思います。売り上げ2014年3月期に4700億円から2015年3月期に4400億円に300億円も落ち込んでいるというのは、驚くべき数字です。

朝日新聞社に限った事ではないですが、新聞社が生き残るためには、固定費用としてかかってくる人件費を大幅に削減するしかないでしょう。今まで、平均1200万円だったとされる朝日新聞社の社員4000人を大幅に削減して、平均年収600万円、社員2000人ぐらいのスリムな会社として生まれ変われないと、赤字を垂れ流す新聞社になってしまって、グループ全体の足を引っ張る事になりかねません。

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