三陽商会がバーバリー販売をやめたら大赤字!サラリーマンで自分の実力など分からない。

  • 30 October 2016
  • のぶやん

三陽商会がバーバリーとの契約をやめた途端に大幅な営業赤字に陥って、会社存続すら危うい『危機的な状況』に陥っています。三陽商会が発表した2016年1月から9か月間のグループ全体の決算は、売り上げは478億円と、去年の同じ時期より35%減少し、最終的な損益は81億円の赤字となっています。

ちなみに、2015年1~6月期は売上高553億円、営業利益も77億円と大幅黒字だったので、バーバリーを失う前までの経営状態は、いたって健全でした。それがバーバリーを失った事で、会社が倒産の危機に直面しています。

経営危機を店舗縮小とリストラで乗り切る

この厳しい決算を受けて、1500ヵ所ある全国のデパート店舗のうち10分の1にあたる150店舗を閉鎖して、1300人の社員のうち10分の1を退社させるという事です。杉浦昌彦社長は「直近の業績が当社の実力を示していると真摯(しんし)に受け止めている。』と話しています。社長が言いたい事は、バーバリーに依存してきた時には、自分の実力ではなくてバーバリーの実力であったのに、あたかも自分の実力のように勘違いしてしまって、新しいブランドを生み出す努力を怠ってきたという事でしょう。

バーバリーとの契約が切れる事は、かなり以前から分かっていた事でした。しかし、三陽商会としてバーバリーがいなくなった後のブランドを育成する事はできませんでした。三陽商会は国内に約350ヵ所あったバーバリー売り場の約7割をマッキントッシュロンドンの売り場に切り替えたのですが、バーバリー愛着者が日本で名前を良く知られていないマッキントッシュロンドンに食いつかず、厳しい状況になっています。

2015年6月、英国ブランド「バーバリー」の製造・国内販売ライセンスを失った三陽商会は、その後のブランドを育てるべく2015年9月19日に『三陽銀座タワー』という名称で銀座の1つのビルを貸し切って自社のコートなどを販売する事に力を入れていますが、SANYOブランドの反応は良くありません。このまま大幅赤字の経営状態が続けば、数年で資金が底をついて破綻する可能性が出てきました。20代~30代の若い世代がお金に余裕がなくて、ブランドよりもファストファッションを身に着けるようになっている傾向があり、そのことも売り上げ低迷に拍車をかけています。

会社と契約する社員も同じ

会社に雇用されて営業成績が良いと、あたかも『自分の実力がある』と勘違いしていますが、販売しているのは会社の商品であって、自分ではありません。社員に業績給を保証しておきながら、社員がどんどん稼げるようになって、年収1500万円ぐらいになると、会社は『社員の年収が高すぎる』として、業績報酬の見直しを行ったりするのです。日本でバーバリーを販売する三陽商会も、1965年からバーバリーを販売し続けてきて、日本の知名度が大いに高まったところで2015年に契約の打ち切りとなり、バーバリーが直営店で乗り出す事になったのでした。

三陽商会の場合には、バーバリー1社に依存していた事で、自社の開発能力が全くないまま放置してきたのが大きな問題でしたが、会社員だって1つの会社に依存して、いくら営業成績が良かったところで、それで実際に独立してみるとうまくいかない人が多いのです。会社の場合には、会社の看板・ブランドが信用力に成り得るので、それを失って独立しても、思うような成果があがらない事が多いです。

独立した瞬間に破綻に向かう

今まで勤務していた会社から独立すると、会社の看板を失うと同時に、それまで得ていた年収を失います。ほとんどの人は、会社に居た時の年収が自分の価値だと信じて疑わないですが、転職した時に同じ給与を貰う人は少なくて、多くの場合に給与が下がってしまうでしょう。40代、50代の中高年の場合には、『働く場所があればまだマシ』という人も多くて、実際には働く場所が見つからずにずっと失業状態に陥ったり、時給制のアルバイトをしている人もいます。

自分で事業を始めようとする人もいますが、退職金をはたいて『自分の城を持ちたい』と張り切って、コンビニオーナーなどになって後悔している人も多いのが現実です。コンビニチェーン店は、チェーン店のブランドで事業を行っている訳で、自分の実力で営業を行う訳ではないので、会社員と何も変わる所がないからです。『名ばかりオーナー』の実態は、会社員のより残酷に働いて少ない給料を得るという事です。今の日本の経済状況は非常に厳しい状況にあり、誰かから聞きかじった知識であったり、真似をした程度の知識でうまく収入を得られるほど経済成長していません。

サラリーマンでいる時間の浪費

長くサラリーマンでいることは、時間を浪費する事にも繋がります。何故かと言えば、自分でビジネスをする場合には、365日ずっと自分の為に成功しようと頑張るでしょうが、サラリーマンであれば『休日は仕事の事を考えたくない』と遊んでばかりいるかもしれないからです。グローバル競争の中で勝ち残るためには、休日も仕事をぶっ続けでやる必要がありますが、サラリーマンだと『自分の為に働く』という事ができないので、働けば働くほど搾取されます。この構造からみると、サラリーマンで休日も仕事をやる事は、大変に非効率な事になってしまいます。

結果として、グローバル競争に勝ち残るためには、会社が残業代を大幅に引き上げるなどして、労働時間外の賃金を大幅に引き上げて社員を猛烈に働かせるか、社員が休日はのんびり休むようにして競争力を失うかの選択肢になります。それでは、どうして会社員がそんなに長時間働かないのに国際的に競争力を保つ企業があるかと言えば、Facebookのように『誰かが投稿をお手伝いしているから』と考える事ができるでしょう。多くの人が休日は休んでいるようで、ゲームをやったりFacebookをやったりして、その会社のお手伝いをしています。

Facebookに一生懸命に投稿したとしても、ほとんどの人は1円のお金にもならないでしょう。ただし、会社であれば間接的なPRが出来るので、それは別の目的があっての事です。NAVERまとめであれば、まとめを作成すればお金を貰う事が出来ますが、誰かが見る事を意識してまとめを作らなければならず、それは多くの人にとって難しい事でしょう。多くのサラリーマンは、サラリーマンで稼いだお金で余ったお金を『飲み会』『遊び』に浪費してしまいますが、『資産がない賃金労働者』が浪費を行うと、仕事を辞めた瞬間に危機的な状況になる事が予想できます。

自社ブランドを作り出す難しさ

自社のブランドを作る難易度といのは、先進国と言われる日本のサービス産業が誠意塾した社会で非常に難しくなってきています。例えば、小売業でコンビニチェーンの大手と契約せずに、自分でコンビニを作りたいと思っても、出店した店舗の近くに大手コンビニチェーン店ができたら、競争ですぐに負けてしまいます。大手コンビニが幅を効かせてくる中で、ドーナツチェーン店すら厳しい状況で、コンビニ分野で新規参入と言うのは、非常に厳しい状況にあります。

ブランドの確立には、ニッチ市場で大成功して、そこから大手に攻め込んでいく手法という方法しかないですが、限られた資本の中でニッチ市場で突破口を開く難易度は、非常に高いものがあるでしょう。サラリーマンの多くは、月給制で1日8時間労働の中で働いて、残った時間を自分の自由な時間として費やしますが、グローバル化の競争社会の中では、その自由な時間をビジネスに使って絶え間なく勉強するなど生産性を向上させないと、ビジネスの現場で戦っていけないという事が起こっています。

日本の場合には、新しいビジネスを生むという余裕がとてもある状況ではなくて、古いものが淘汰されている状況に陥っています。

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