商店街を潰したのは、誰だったのか?
今年の夏に、淡路島・洲本市で、商店街に隣接してイオンが建設されたことで、商店街が崩壊している姿を見つけました。全国で見られている光景です。
イオンが商店街を潰した嘘
イオンが地方に出店したことで、商店街が潰れる速度が加速したことは事実でしょう。でも、「イオンが商店街を潰した」訳ではないのです。商店街を潰したのは、イオンではなくて、時代の流れと言えるでしょう。イオンが地方に出店できたのは、地域の住民が「イオンが来れば便利になる」と歓迎したこともあるのです。もし、地方の住民が皆で反対していたら、イオンは出店できなかったからです。
地元の商店街は、イオンが出店することに反対する意見も多かったかもしれません。しかし、イオンを出店させなければ、「他の街より不便になる」だけでした。もしくは、「隣町のイオンまで買い物に行く」ということまで起こってしまったかもしれません。このような状況では、イオンの出店を阻止するなどということは不可能だったでしょう。
イオンは市民に歓迎されていた
イオンは日本系企業であり、外資でもなければ、日本の敵でもありません。多くの市民の支持を得ている企業であり、イオンの株式を保有している市民も多いのです。
商店街が生き残る方法
イオンは、「お客様の声」を実現することに必死だけど、商店街はお客の声に耳を傾けてきたのだろうか?どこにでもあるような店舗では、お客を集める事はできなくなってきています。話題になる商品を扱ったり、もしくは独自性が非常に強い商品を扱ったり、ここでしかないものを扱わなければ生き残れません。ずっと生き残って売り上げを続けているお店は、偶然ではなくて、本当に努力を続けてきたお店です。
(1)高度な接客により生き残る
東京・御茶ノ水に行けば、スキー&スノボショップが沢山あります。秋葉原が電気街であるのと同じです。御茶ノ水では、小さなスノボショップが生き残っている訳です。そこに何を期待していくかと言えば、店員による非常に専門的でマニアックすぎる接客だったりする訳です。大型店舗では、アルバイトの中途半端な知識で接客されることが多いですが、小さな店舗では、本当にスノボが好きなプロがアドバイスしてくれます。
インターネットであれば、「店員との煩わしいコミュニケーション」をしなくていいですが、煩わしいコミュニケーションをした方が得られる知識が大きい場合もあります。
(2)SNSで話題になり生き残る
観光客が行くようなお店が商店街にあれば、商店街に多くの人が足を運んでくれるようになるでしょう。話題のスィーツのお店などがあれば、若い人、観光客がそこで買い物をしたくなるでしょう。イオンのように駐車場を整備すれば、人が来るか?と言えば、そんなことはありません。人が来るのは、独自コンテンツを求めてくるからです。だから、商店街に普通の映画館を誘致してもダメなんです。
地元の人だけをターゲットにするのではなくて、地域の特産品を扱うようにすることで、周辺から観光客を集めるという手法を取るのが良いでしょう。それは、イオンと差別化することにも繋がります。結局、地域性がでればでるほど、独自性が出ていく事になるからです。商店街1店舗ではなくて、多くの店舗が地域の商品を取り込むことが大事になります。
お店の水準が全国水準かどうか
今では、インターネットを使ってお客の目が肥えたこともあり、そのお店が「全国水準であるかどうか?」が問われるようになってきています。経営努力というのは、地元の人たちの話し合いとアイディアだけではなくて、常に全国的な競争にさらされていることを意識する時代になってきたということです。広い視野を持って、多くの人を受け入れる街でないと、経営としては成り立ちません。
地域に必要な共同出資レストラン
商店街は、1人1人が独立した自営業者として活動しています。そのため、イオンモールのようなまとまりを欠いているのです。それに比べて、農協・漁協など、1次産業は団体になってまとまっています。