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日本マクドナルド株価に見る日本株のバブル

  • 8 January 2016
  • のぶやん
日本マクドナルドの株価なんですけど、今の時点で2,565円を付けています。(2015年11月11日発表)2015年12月期の第3四半期までの9か月間の決算で、売上は前年同月比20%減の1,375億円、最終損益は、292億円で上場以来最大の赤字なのに株価は高値圏で推移です。米マクドナルド本社も今のうちに株を手放そうとしています。
 
過去にない大赤字企業でこんな高い株価なので、こりゃあ普通に考えればバブルでしょう。このコミュで出た民主・前原さんも書いてましたが、日銀は年80兆円国債を買っていて、その分だけ現金が市場に出回っていて株式市場にも流れ込んでバブルを形成しています。こういった株式のバブルは、ほとんど利益を出していない非上場企業のITベンチャーなどが高値で買われる事にまで影響(Nanapiなど)しています。

マクドナルドもそうですけど、増税などを繰り返した事により庶民の可処分所得(自由に使える資金)が落ちているので、企業が利益を出すのがますます大変になってきています。国内の企業状況で言えば、どの企業も競争が激しくて利益が出しづらい状況になっています。ユニクロですら、国内市場が頭打ちとされていて、伸びている海外市場に軸を移そうとしています。


日本国内で伸びる市場がほとんどない事実

日本国内においては、急激に伸びる投資先なんていうものは、ほとんど期待できない状況になっています。どの上場企業においても、利益がそれほど上がっていないにも関わらず、株価だけが上昇するような局面となっています。個人消費が頭打ちになる中で、企業が利益を出すのはますます厳しくなっているのです。企業としては、国内消費が完全に頭打ちになる中で、株式市場で調達した資金などを基礎にして、業績が伸びる海外などに投資を行っていく方向で検討する企業が増えています。ユニクロも海外に力を注ぎこんでいますし、ソフトバンクもインド市場などを狙って投資を行っています。

企業としては、利益が全くでない状況なので、無理やり利益を出すために人件費の削減などを行っている状況です。コンビニチェーン店などが沢山あるので、雇用は沢山ありますが、企業が利益を出すために賃金が安く抑えられるという構造になっています。競争がますます激しくなる中で、固定費である人件費をギリギリまで削って利益をあげようとしている企業が多いという事です。国内市場だけを相手にした働き口というのは、それぐらいの賃金しか得られないという事でもあります。企業は利益が出づらくなっているので、国が法人税を減税するなどしていますが、こういった企業努力を無視した一時しのぎのやり方は、国の財政を悪化させるだけの効果しかありません。

グローバル企業は利益が出ている

ユニクロなどは、海外事業で利益を出せていますが、それは国内に還元されるという訳ではありません。海外市場で得た利益というのは、海外に再び投資を行うために使う資金+準備資金であって、それが日本国内の従業員に何らかの形で還元される事はありません。企業の経営・マネジメントにコミットする正社員に対しては、グローバル市場で得た利益の一部は還元される事もあるかもしれませんが、日本国内でのみ働く低賃金の人にそれが行われる事はありません。それは、非正規雇用の人がグローバルの投資に何ら関与していない(もしくは出来ない)からです。その中で最も競争が厳しくて国内に限定されるのがデパートなどの小売産業でしょう。外食産業も含まれます。

言い換えれば、このような日本国内の状況においては、個人は何らかの形で、「国内で競争に勝つ」か、「グローバル資本に関わるか」という選択を求められています。ただし、国内市場が縮小する中で競争が非常に激しい国内において何か事業で利益を出すというのは至難の技であり、お金を沢山投資した所で期待した利益があがるとは限らないのが国内市場です。海外市場においては、今度は外国企業と資本と勝負していったり、外国の法律で勝負したりしなくてはならず、こちらも難しい戦いになっている事は明らかでしょう。

国内市場が頭打ちどころか縮小

国内市場を無理やり作り出すためにオリンピック誘致したり、辺野古の基地を作ったりするなど、建設業者を生きながらえさせる為の無駄な公共事業を行おうとしていますが、これは個人の税金に上乗せされて、ますます個人消費を低迷させるだけの結果しか生み出しません。税金から企業利益を出そうという考え方自体が間違っているのです。何も需要がないのであれば、「長期的に需要を作り出す」方法を国が考えるしかありません。そうしなければ、スタジアムを作っても維持費で国が破綻してしまいます。

ディズニーランドを考えてみると、 いかに日本人のリピート率が高いとは言っても、新しいUSJが出来たり、ハウステンボスが出来たりするなどして競争が激化しており、これ以上入場者数を確保するのが難しい状況にあります。そこでディズニーランドが行っているのは、どんどん値上げを行っているという事です。国内企業では、最近は利益をあげる為に外食産業などでも値上げをする企業が増えています。店舗に来る来場者が少ないので、それを補うために強引な値上げを行って利益をあげようとしているのです。マクドナルドが値上げで失敗したにも拘わらず、松屋・吉野家・すき家は強気に値上げしています。ファストフードの度重なる値上げで、1食700円が普通になりました。それでも従業員の給与は上がりません。企業が努力を重ねても、客が限定された市場で利益をあげるのはそれだけ難しいという事です。

インターネットコンテンツが厳しい

インターネット上での競争も激化しており、楽天・アマゾンなどの小売業では、「どうやったらこんな価格で出せるのか」という価格で出品されているようです。例えば、中古の書籍などについては、1円で売ったとしても「郵送料から稼ぐ」ようなビジネスが成立しているほどです。1冊売って利益が100円というビジネスを行ったいるという事になります。更にYahoo! JAPANは、ヤフーショッピングや楽天トラベルの出店手数料を完全に無料化しています。これは、同業者の楽天にとっても大変な脅威と言えて、出店手数料で稼ぐという楽天のビジネスモデルが完全に崩れる可能性がある大事件でした。

インターネットのコンテンツで稼ぐビジネスも、例えばYoutubeが独占市場で会った動画市場ですが、最近になってフェイスブック上で動画が再生される事も増えてきています。新聞社などは、コンテンツに対する課金を行っていますが、インターネット上に情報が沢山ある中で、新聞をオンラインで読むために月額数千円も支払い続ける人がどれほどいるのか疑問です。むしろ、最近のアジアの傾向では、ニュースサイトよりフェイスブックなどに共有された情報を見る人が増えているという事です。


従業員の仕事量が増えて顧客の満足度低下

コンビニなどを見ていると分かりますが、コンビニの店員などは、非常に安い給料で人に頭をさげながら、大量の作業をこなしていかなくてはいけません。こうした業務を行う人というのは、「それしか仕事の選択肢がない人」というのがほとんどであり、アメリカでいうとマクドナルドの店員というのは、誰もやりたがらないという職業でもあります。こうした仕事というのは、一生懸命やったから給料が上がるという仕事でもないうえ、むしろ最近では競争が激化して業務の量が増えてさえいます。

ソフトバンクが買収したスプリントを考えても、利益がどうしてもでなければ、従業員の数を減らすか、一定のままで仕事量を増やせば固定費が削減されて利益がでると考えるようになります。競争の中で利益を出すには、従業員の負担を上げれば良いという事になりますが、従業員は既に「奴隷のように働いている」状況であり、非常に過酷な環境で働く人が増えています。このような状況で従業員として働き続けることは、まさに「搾取の対象になって負け続ける」事を意味しています。そして、日本では全く資本を持たないで「負け続ける人」が増えています。

利益は後からついてくるの考え方

インターネット業界などでは、最初にサービスを無料で初めてある程度の規模になってから、プレミアム課金などで収益化していくというモデルが数多くありました。ニコニコ動画などがそれで成功しています。YOUTUBEも赤字のままでしたが、収益化するまではしばらくかかっています。このように無料であれば、多くのユーザーが気軽に利用しやすいので、多くのユーザーを集めた上で、様々なプレミアムサービスなどを展開すれば、広告料をほとんどかけずに課金ユーザーを集める事ができるというメリットがあります。

マクドナルドが失敗したのは、これとは逆の事を行ってしまったからだと言われています。店舗に来て100円コーヒーしか利用しない女子高生のような「利益率が低いお客さん」を追い出して、利益率が高い客に残って貰うために値上げを行いました。しかしながら、値上げを行ってもサービスの質がほとんど変わらず価格だけが上がったので、多くの客足が遠のいてしまったのでした。「メガマック」や1000円バーガーなど単価の高い商品をラインナップに入れますが、安いからマクドナルドに来ている客に高い商品を陳列しても、食べた後に「高かった」と思う事が多くて、それを繰り返すといずれ店にも来なくなるのです。

「メニューの選択肢を減らして高い物だけ並べれば、客は高いものしか購入できなて売り上げが上がる」という事で、高いものを並べます。そうすると、入店しても高くて買うものがないので、来なくなるのです。コンビニが簡易の座席を設けたり、100円コーヒーを開始するようになると、マクドナルドの業績はみるみる悪化していきました。「マクドナルドにあるものは全てコンビニに揃っていて、椅子さえもある」となって、マクドナルドに行く人はどんどん減っていきました。

海外事業に失敗して倒産危機の東芝

東芝は、海外の家電事業で中国・韓国などに負けて、海外で通用する事業として重工業に近い原発を選択して、そこに注力する事にしました。国内の原発は、既に54基(世界第3位)を保有しており、既に新規で作れる場所もなければ、作る必要もありません。更に福島第一原発の大惨事によって国内で新規原発を作る事は不可能とされていて、海外で原発を作る事すら難しくなってしまいました。東芝は、グローバル展開で失敗した典型的企業と言えるでしょう。

グローバル展開で失敗した企業には、ソニーなどもあげられるでしょう。家電中心であったソニーは、中国・韓国などの猛追を受けて、サムソン・アップルなどにとって替わられました。アップルがiPodを出した頃には、既にソニーは危なくなっていたという事でしょう。日本企業のやり方では、インターネットが中心となった世界において、新しいグローバルスタンダードを生み出すのが難しかったとみられます。

グローバル市場に関与するということ

グローバル市場に関与していくという事はどのような事なのでしょうか?先ずは、日々のニュースを英語で見るなど、スタンダードである英語力はネイティブレベルを「常識的に」求められる事になります。ほとんどのビジネスが英語で行われており、英語でニュースなどを素早く知る事が出来なければ、ビジネスを行う上で不利になる事も多いからです。また、交渉事なども英語で行われる事が多いので、英語がネイティブレベルに話せる事が求められるようになっています。

個人として事業を行う必要性

コンビニの店員などを考えても、作業をいくら努力したとしても報酬が将来にわたって全く変化しないという雇用形態は、労働者にとって圧倒的に不利な雇用形態でもあります。何らスキルアップになる訳でもなく、将来に何か保証がある訳でもなくて、とにかく安くて低賃金で単純作業を行うという雇用形態でもあります。この雇用形態では、従業員のやる気を出すのは困難であり、金銭的インセンティブが働きづらい雇用体系となっています。コンビニでは、フランチャイズ契約をしたオーナー(兼店長である場合が多い)のみにインセンティブが行くようになっていますが、オーナーも成功するのは至難の業です。

今まで社員がやっていた部分をバイトに置き換えて、同じパフォーマンスを出すのは不可能です。多くの会社では、社員がやってきた仕事を派遣社員・バイトなどに置き換えていて、事業・経営の効率化などと言っていますが、それで大失敗したのがマクドナルドです。競争の中で人件費を削り落としながら利益をだしたが、それでも利益がでないので値上げして強引に利益を出そうとした結果、提供するサービスに対して価格が高すぎる状況になって客離れを招いてしまいました。それを現在では多くの企業で行うようになってきています。こうしたサービスに対して価格が高いのは、競合他社が値下げしたらオワリだからです。今の携帯電話会社のように数社独占だったら別ですけど。

このように単純作業を行う労働者になるのではなくて、アメリカのように「直接雇用を行う雇用体系」というものを更に進めていく必要があるでしょう。個人の実力に応じて、インセンティブを支払うような雇用形態を整備しなければ、国内で単純労働者を量産する事になってしまうだけで、新しい産業が生まれて行く事がありません。その為には、個人事業主などの税金を優遇するなど、独立しやすい仕組みを国が整える必要があるのでしょうけど、少子高齢化対策すらやらない国が長期的な目線で物事を考えられるとは思えません。

 

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