日本国内の技術力は、この10年で大幅に低下している事実。労働者からの搾取が原因

  • 21 October 2017
  • のぶやん

日本の技術力の大幅な低下は、誰が見ても明らかな状況になってきました。ソ連のチェルノブイリ原発事故(1986年)が起こった時は、日本経済が絶頂期にあった時期であり、他人事だと思っていましたが、日本で2011年に東日本大震災が起こって福島原発でそれ以上の事故を起こすことになりました。

いくら日銀を使って株かを釣り上げて大企業を儲けさせたとしても、それで技術力が上昇する訳ではありません。技術力を上げるには、労働者・技術者による忍耐強い開発が必要になりますが、株価を釣り上げるだけの目先の利益を優先すると、そうした技術を上げるインセンティブが大幅に失われて、誰も技術開発を行わなくなるのです。旧式の技術を使い続ける事になり、世界の潮流からどんどん遅れていく事になります。

日本の若者は、人口減少によって就職率が高いので非常に低い能力でも簡単に就職する事ができるようになっています。しかし、実際には全く競争力がないので、組織全体の競争力としては落ちてしまいます。更に悪い事に、若い人が会社に入っても今の日本の古い体質の企業において、新しい技術を学べる機会が限定されています。

労働者から搾取で技術力が低下

日本企業では、正社員を減らして派遣労働者・アルバイトに置き換えてきました。最初のうちはそれでもうまく企業が回っていたのでしょうが、肝心の技術力が大幅低下する事を招きました。また、正社員であったとしても、名ばかり正社員で業務実態が派遣労働者・アルバイトと全く変わらない単純労働という事も出てきました。こういった状況では、企業の技術力を保てる人材が僅かな正社員だけになり、企業の技術力・競争力はどんどん低下します。

企業の中が派遣労働者・アルバイトばかりになって、企業の技術力を高めるのは不可能な事です。日本で『天下り』のように利権を持った人たちが全く働かないのに高給を得られるような構造が定着してしまった結果、企業内部の競争力はどんどん低下して、グローバル競争に全く太刀打ちできない状況になってきているのです。

搾取で技術力低下を隠す

技術力が低下すれば、本来は企業の売り上げが下がるので、次の市場開拓をする為の技術開発を行っていかなくてはいけません。しかし、技術開発の方向性を決めて取り組むには、長期的にお金をかけつづけなければならず、短期の利益率を低下させてしまいます。短期の利益を優先するならば、技術開発よりも、むしろ広告・営業などを行った方が良いという事になり、将来の技術に対する投資をおろそかにする事になります。

営業行為と言っても、技術革新などの技術力の大幅な上昇がない中で市場を簡単に開拓できません。そこで、国からの補助金を使ったりする事で企業の技術力によるコストカットを行わずに、労働者からの搾取を行います。

技術の現場が理解できない

新しい技術の現場などを経営者が理解していない場合は、後から大きな問題が起こる可能性があります。例えば、技術の現場にいて、高い技術力を持ったチームや人が開発を5年かけて行って、その開発を終えた時に何も分からない経営者に手柄を横取りされたのではたまったものではありません。外国の企業のように特に技術系において大きな成果を出した人が大きく昇進するシステムが必要でしょう。

今の時代においては、経営者が技術を理解できる必要があり、それを理解できない経営者は経営者として適任とは言えません。意思決定者が全体の構造と細かい所を良く理解していなければ、実務経験が皆無の大学生が話すのと同じ『絵に描いた餅』になってしまいます。

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