IT企業が自社で技術者を抱えるべきかどうか。

  • 19 August 2014
  • のぶやん

ITベンチャー企業の多くは、それほど大きな資金力を持たないので、数名の技術者で開発を進めて、アプリを自社開発してリリースしています。それで当たれば大儲けできますし、外れたところでそれほど損も出さないので、技術力とアイディアで勝負を挑むというのが普通です。

大きな企業になってきても、構造としては結構似通っていて、数名のチームを複数個作って、アプリ開発を競争させて、どれが当たるかを競うようなところも多くなってきています。自社で技術者を抱えて、アイディアから開発まで行えるぐらい小さいアプリでも、当たれば大きいというものが結構あります。

負けた日本の家電業界

日本の家電業界が敗れたという事について、多くの人が分析しているわけです。中国などで大量生産が可能になったことなどから、2000年代から半導体の価格が大幅に下落して、それで家電の価格も大幅に下落して、日本企業はその並みに上手に乗る事ができずに家電業界が危機的な状況になりました。

韓国製品など、かつて「粗悪」と言われた製品でも、安いという事で市場を奪って勝負していくような方法に負けました。もしくは、アップルストアのようにソフト中心になった時代に乗り遅れて、ハード面で勝負し続けた結果ではないかとも言われています。

汎用化したところから外注する

日本でも一般的に使われるようになったWordpressみたいなシステムであれば、どの企業に依頼しても一定品質で、ある程度の簡易の仕様で仕上げる事ができます。出来ることというのは限られていますけど、安価にできて、しかも汎用性もあって、別の企業に途中から切り替えてもうまくいく可能性が高いので、Wordpressを使う意味は大いにあるという事になります。

携帯で言えば、Android, iPhoneのように企画がある程度はっきりしていれば、自社で人員を抱える事なくて、仕様書がある程度理解できるような人がいれば、あとは外注しておくとよいでしょう。金を払えばやって貰える分野と、カネを払ってもやって貰えない分野があって、金を払ってやってもらえる分野というのは、仕様通りに製品を作って貰えるぐらいのものです。その製品が売れるかどうかというのは、結局のところは自己責任になります。

自社メンバーで必要な人材

ベンチャー企業にとって、自社メンバーで必要な人材というのは、2種類あると思っていて、1種類目はマーケティングの分析をした事がある経験者、2種類目がITサービスを経験したことがある経験者です。どちらも広範囲の経験があればあるほどに優良な人材と言えまして、とくにウェブマーケティングであれば、どうやったらアクセスが集められるかを良く知って考える事ができる人材が重宝されます。「勉強した」というだけでは使い物になりません。

マーケティング分析と言っても、単に分析するだけじゃなくて、ウェブサービスを作って公開してみた経験であったり、自分でライターとして活動してみてマーケティング分析をした記事を書いたとか、そういった技能があれば良いでしょう。そうした人材が数名揃っていれば、マーケティングとしての方向性と強みを発揮出来ます。そういったメンバーがいないと、WEBマーケティングはかなり厳しいです。

プラットフォームの技術者

今のところは、プラットフォームの技術者に関しては中で抱えていく必要がありますが、拡散などに関して外のオープンマーケティングを使っていく必要があります。Androidであったり、Appleのソフトが誰でも作れるというような形で、誰でもソフトコンテンツを提供できるような開発環境を外部に開放していくという流れが加速しています。

任天堂のような高度なソフトは、専門のソフト会社しか作れなかっただけではなくて、任天堂が介入してコントロールしようとしていた側面がありました。そうした介入をせず、ある程度の自由な裁量でプラットフォームを利用して貰うような形にした方がプラットフォームとしての将来性が見込めるという事なのでしょう。

制作できるけど宣伝できない

ウェブ制作の会社でも、アプリの会社においても、お金を支払えば制作までは請け負ってくれますが、それから先のマーケティングまで請け負える会社はほとんどありません。マーケティングを請け負うには、それなりの媒体を保有していなければならず、そういった媒体を保有している会社は、そもそも請け負いなどやっていない場合も多いからです。

ウェブ制作やアプリ制作が完了したけれど、宣伝の仕方が今一つ分からないと言うベンチャー企業などは多いのです。その宣伝の所には、結構な労力と時間がかかる事は目に見えていて、それを先に理解しておく事がウェブの戦略を立てる上で非常に大事になってきます。

プラットフォームの形成

プラットフォームと言うのは、基本的にはユーザーの動きがあって、そのユーザーが発信する情報が交錯するという形で実現されています。自社で情報発信を行うだけではプラットフォームとなりえませんが、そこに固定のユーザーが現れて利用をしていくとなると、プラットフォームと言える状況になっていく可能性を秘めています。

フェイスブックとかであれば、個人が面白がって無料でコンテンツを発信したりしてますけど、それがお金になる事はほぼ皆無と言えるでしょう。経営者であったり、芸能人、モデルなどであれば、それなりに広告・宣伝効果も期待できるので、それを介してお金を稼ぐ事ができるわけですけど、一般の人は単純消費者となります。

お任せマーケティングの手法

多くの会社でマーケティングの手法に困るようになってきていて、例えば「ある商品を販売したいのだけど」コンテンツ制作まで代行して欲しいと言う要望が数多くあります。例えば、NAVERまとめなどでは、コンテンツ制作を代行していて、NAVERまとめのまとめをLINE社の内部で作成して、広告記事として世の中に出しています。

Twitterアカウントなどにおいても十分に宣伝を行う事ができず、Facebookのいいね!も伸ばせないようなマーケティングを上手に行えないと考えている会社(実際に多くの会社がそういった状況になっているでしょう)であれば、マーケティングの手法として、NAVERまとめに出稿するのもありでしょう。それなりに費用はかかりますが、記事広告と言う形は、自社で何も考えなくてもやって貰えるというメリットがあります。

自社のマーケティング資産

ウェブサイトは資産を持つ訳ですけど、その資産価値というのはまちまちです。まず、本当にウェブマーケティング手法を持った会社があったとすれば、その会社に高いお金を払ってマーケティング代行をして貰うしかありません。これからの時代に大事になってくるのは、自分自身でマーケティン手法を持つ事なんですけど、そういった手法を持つには、洗練された頭脳と、戦略を組み立てて粘り強く取り組む事が欠かせない気がします。

自社で保有している、相手に提供できる資産というものがどういったものであるかを良く把握しておいて、自社のコンテンツ性資産を増強していけば、必ず活路が見えてくると考えています。

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