DeNAのパクリサイトWELQが露呈したオンラインで『情報が溢れていない』という現実

  • 6 December 2016
  • WEB情報屋

DeNAが運営するWELQは、外部ライターに非常に安価(1文字0.5円-1円)に記事を外注する事で、1日100記事を超える大量の記事をリリースする事によって、一気に検索エンジンの上位を独占しました。しかし、その手法というのは、他の人が書いたコンテンツをリライトする行動が多発していて、記事によっては、『そのまま原文をパクった記事があった』という事で、かなり問題視されていました。また、引用などした場合においても、引用文が自分たちの記事に合うように書き換えられていたという事が問題になって大炎上しました。

誰も記事を書きたがらない現実

独自性のあるオリジナリティ溢れる記事を書くにはかなりの時間がかかりますし、取材をして書くとなると、最低でも数万円のコストがかかる事になります。そのようにコストをかけた記事をオンラインでリリースしたところで、多くの人の注目を集める事はほとんどありません。つまり、コストをかければかけた分だけ赤字になる可能性が強まってしまいます。広告を掲載したとしても、かなり多くのアクセスを集めないと記事を書いた分の時間費用を負担する事が出来ません。こういった状況では、誰も記事を書きたがらないようになってしまっています。

WELQでは、コストがかかる独自の取材などは一切行っておらず、コストが最も安いとされる外注のライターに激安(1文字0.5円-1円)で外注して、外部のライターは、記事の大半をリライト(書き換え)と、引用によって構成していました。そして、いくつかの文章を組み合わせる事によって記事のボリュームを8000文字まで増やして、元の文章よりも検索エンジンで上位に表示されるように工作していました。元の文章を書いた人には、何らメリットがないという事で、それが炎上の要因となりました。

オンラインに情報は溢れていない

『オンラインに情報が溢れている』と言われている時代ではありますが、実際には情報にかなりの偏りが見られていて、情報がないものであったり、情報があっても似たような情報になっている場合がほとんどです。Google社の検索エンジンは、度の情報が優れているかを判別する事が出来ておらず、実際に人間だったら選ばないような情報が上位表示される事も珍しくありません。インターネット上で情報を検索したり、探そうとしたりする人は実に多いのですが、実際にオリジナルの情報を発信する人が実に少ないからです。

記事がすべてオリジナルで書かれている必要があるかと言えば、必ずしもそれが良いとは言えません。学術論文などにおいても、情報は誰かが言っている事を引用する事で、自分の主張を強化する意味合いもありました。そういった意味では、NAVERまとめのようなまとめサイトは、情報を組み合わせて新しい情報を生み出してくという事で、一定の役割があるものと思われます。実際、NAVERまとめにおいても、非常に多くの『新しい視点からの記事』というものが生み出されて、今では日本を代表する人気のサイトになっています。また、『時間をかけて良いまとめを作る』という作業は、無料で行う事がほとんど不可能なので、インセンティブを受け取る事で、まとめる時間を確保するという事も成功しています。

情報を目立たせるまとめサイト

NAVERまとめなどのまとめサイトには、もう1つの役割も期待されていて、今までインターネット上で目立たなかった情報を目立たせるという事です。それは、今までGoogle社の検索が行ってきたように、人々の需要があるにも関わらず、見づらいサイトであったり、検索エンジンに引っかからなかったものなどを『まとめサイトが取り上げる』事によって情報として新しく光をあてる事が出来るという点は、ユーザーに好評です。従来であれば発見されなかった視点の情報がNAVERまとめ上にも出ています。

例えば、インターネットで動画を1時間も見続ける人は非常に少ないのです。5分ほどでざっくりとハイライトを見れば満足という人が大半です。まとめサイトに期待されているのも、もっとも良い所を切り出して見せてほしいという要望です。インターネット上にある情報から最も重要なところだけ抜き出して、見やすいように提示してほしいという事でしょう。

短期で荒稼ぎしようとしたDeNA

DeNAが炎上したのは、自分たちが取材するほどのお金を保有していて、独自取材の記事を書くだけの資金は持っていたのです。また、『事業をする』という名目で東証一部上場までして資金調達しておいるのです。今までの事業で稼いだお金も、上場で資金調達したお金も銀行に入れたままにして、専門家が書いた文章などをリライトする事によって、ほとんどお金をかけていないと言えるほど安価に記事を仕上げて出していました。お金をほとんどかけずに事業リスクを減らして事業を軌道に乗せていこうとしていましたが、そのリスクを負わされたのは、激安の外部ライターであったり、記事を大量にパクられたInternetに記事を公開していた人たちでした。確かに、それでサイトiemoであったり、MERYなどのサイトが人気を得ていたので、ユーザーにとってメリットがあった事は間違いないでしょう。また、荒稼ぎしようと企てていたDeNAにもメリットがありました。しかし、問題なのは、それ以外の人に全くメリットをもたらさないサイトであったという点です。

先ず、ライターにメリットがあったかと言えば、DeNAであったり、クラウドソーシング企業であるランサーズ、クラウドワークスなどの企業は、『雇用を生み出した』と言い張るかも知れまん。しかし、その実態としては、非常に少ない金額で責任だけ押し付けた『超ブラックすぎるライター案件』だった訳です。当然ながら、優良ライターなど応募するはずもなく、実態としては、リライトツールなどを多用する『うまくやりくりできるライター』が記事作成に関わっていたとみられています。クラウドわワークスは、年間5億円の赤字を出していますが、こうした安い案件を大量に扱うからこそ赤字が出るのだと思います。根本的な考え方を改める必要があるのではないかと思います。

搾取するだけのビジネスが続かない

DeNAは、コストを出来るだけ抑えて記事を量産しようとして、外部ライターにタダ同然の金額だけを渡して、大量の記事をリライトで仕上げていました。DeNAの案件というのは、責任を押し付けられる割には非常に安価なものであり、NAVERまとめのようにPVに応じて報酬を受け取れる訳でもなく、仮に書いた文章が優れていたとしても、その全てがDeNAの収入になる仕組みになっていました。簡単に言ってしまえば、このシステムでライターが責任を負わされ、インターネット上の誰かが記事をパクられているにも関わらず、儲かるのはDeNAだけという凄い歪んだシステムで、炎上するのも当然と言えるでしょう。

NAVERまとめであれば、少なくともライターがPVに応じたインセンティブの配分を受けられて、記事は大量に『引用』された場合には、引用先に飛ぶ可能性があり、ユーザーが満足するサービスになっているという事で、社会の多くの人に有益なサービスになっていました。NAVERまとめの場合には、PVに応じてインセンティブを配分するシステムなので、NAVERまとめのアクセスが伸びたとしても、本体はそれ分だけインセンティブ代金を負担しなければならず、すべて丸儲けという訳にはいかないのですが、その分だけライターが何とかPVを伸ばそうと記事の質が向上するという傾向があります。DeNAのWELQのように『DeNA以外は誰も得しない』状況でサービスが支持を得ていくのは難しいのです。

独自動画でアクセスを集めるCChannel

DeNAが外部の激安ライターを使って炎上した一方で、質の高い独自動画でアクセスを集めている会社(サイト)があります。それが女性のファッションマガジン動画を出しているCCHNNELです。とにかく女性に人気のコンテンツを大量に集める事によって、人気のサイトになっています。元LINE社の森川亮さんが経営している会社(サイト)であり、特にスマートフォンに特化した動画サイトとして、女性に特化・集中した動画を女性の視点から集めて、編集して投稿しています。Facebookなどでも共有されていて、人気になっています。

資金力があれば、こうしたブランディング動画サイトで規模を持たせた方が明らかに将来の会社にとって有益なはずなのですが、こうしたブランディングの手法は、森川さんのように非常に優秀なマネージャーあってのことなので、DeNAにそのような人材がいなければ、事業として成功する可能性が低いとも言えるかもしれません。スマートフォンにおける女性ファッション市場の競争激化も激しいので、かなりの気合いを入れて参入しなければ、高いコストを稼ぎだすのに苦労して、市場からすぐに締め出されてしまうでしょう。Cchannelの場合には、中国語(繁体字)と英語にも対応していて、グローバル市場を見据えている事が分かります。

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