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労働者賃金が下落しているのに、どうして多くの労働者が労働者を続けるか?

  • 2 October 2016
  • のぶやん
労働者
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アメリカにおける労働者賃金は、1970年代まで上がり続けていました。しかしながら、1970年代を境にして、労働者賃金が下落ないし横ばいに転じます。アメリカにおいては、労働力がアメリカより低い日本の労働市場というのは、アメリカの労働市場に大きな圧力となったことが分かります。特に自動車会社などは、日本の自動車の性能があがって、日本で工場生産などが盛んにおこなわれるようになったことによって、アメリカのデトロイト市などが財政危機に陥るような事態にまで発展しました。

当時の状況というのは、アメリカと日本という数億人規模のものでしたが、それが日本のバブル崩壊後から中国が労働市場に加わって、中国が安い労働賃金を武器にして、『世界の工場』と言われるまでに経済発展を遂げて、日本の労働者に大きな圧力となりました。

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派遣労働者という労働形態

かつての派遣労働者と言えば、工場労働者などに派遣される単純労働が多かった訳ですが、今では派遣労働者の働き方はオフィスにも広がってきています。オフィスに派遣労働者が使われる理由としては、交通費を支給しなくて良かったり、社会保障を支払わなくて良いなど『劣悪条件でこき使う』事ができるので、都合が良い労働者という形で派遣されるケースが多かったのです。例えば、一定の技術力を保有している技術者である『翻訳者』であったり、『パソコンのプログラマー』などの技術者が派遣される事も多くなってきています。

テレビ局・ラジオ局などにおいても、外部スタッフが雇用される例が多くなってきています。例えば、ディレクターだけがテレビ局・ラジオ局の正社員として雇用されていて、それ以外の番組制作スタッフが全て外部スタッフという事も珍しくありません。また、番組制作の全てを完全に外部に丸投げして、下請け会社のディレクター・派遣社員・アルバイトなどが撮影業務を行う事も多くなっています。技術力がそれほど必要のない作業であれば、正社員として高い賃金が保障されるようなことはなくなってきている今日があります。会社としては、出来る限り安い賃金で使える人間を採用したいと考えており、安い労働条件で長時間の労働に耐えてくれるような『都合の良い労働者』を求める傾向が高くなっています。

数年で辞める労働者が増えている

特に中小企業に多いのは、最初から使い捨て労働者として、あまり技能をあてにしないケースが多くなっています。そこそこ生活できるぐらいの給料を支払いますが、誰でもできる仕事が多いというケースです。最近では、月額10~15万円という薄月給の『正社員』というのが急増しています。いわゆる『名ばかり正社員』というものなのですが、生活ギリギリの給与しか与えず、アルバイトよりも安い賃金で労働力を使うというスタイルをとっている会社が多いのです。

ブラック企業として話題になる企業の労働条件が最低という事は多いですが、メディアでブラック企業と話題にならない企業であったとしても、ブラック企業に該当する企業というのは沢山あります。多くの中小企業がギリギリの経営状態で運営を行っており、特にコストがかかる人件費をできるだけ削りたいと思っている中で、若者の使い捨てが日常的に行われている実態があります。

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多くの企業が生き残る若者だけ雇う

特にIT新興企業などに多いのは、中小企業が採用している方法としては、『若者だけを雇って安く使って、給与が高くなったら会社を去って貰う』という方法です。『家族がいない若者だから20万円もあげていればいいだろう』という事で安い賃金で採用して働かせておいて、30歳ぐらいになっても給与が抑制されるスタイルをとっておいて、その頃に辞めるように仕向けるというのです。こういった手法を取れば、若手のみが常に残る形になるので、ずっと給与が安いままで若者をこき使う事ができます。簡単に言ってしまえば、『気合と若さがあれば誰でもできてしまう仕事』であり、学ぶところがほとんどないのです。

最近では、こうした学ぶところがほとんどない会社であったとしても、肩書だけ『正社員』として採用する例が多くなっています。実態としては、中小企業で誰でも出来る仕事をするので大した技能が身に付かず、ずっと続けていてもダメだと分かった時点で転職を考える人が多いという実態があります。転職をしたところで、似たような業界であれば、似たような職場が多いので、どうしようと困っている若者も増えているでしょう。業界に興味があって、難易度の高い資格をとっていくなど、自分なりに高い努力が求められるでしょう。

IT系の会社に多いのは、最初の給与がそこそこ良く見せておいて、その給料がほとんど変わらないという例です。20歳の時の給与と30歳の時の給与がほとんど変わらなければ、生活の質が全く良くなっていないという事になるでしょう。また、年齢が上がったとしても、技術力が上がるとは限りませんし、営業職であれば、営業力が高まるというのも最初だけで、後は決まった作業をこなすだけになってしまいます。

フリーランスという労働形態

米国においては、4分の1がフリーランスをしているとされていますが、フリーランスと言っても様々な働き方がある事は、以前の記事でも紹介しています。日本で言うフリーランスというのは、1人の個人が企業などと契約して働く形態に限られた使われ方をすることが多いのですが、アメリカにおいては、フリーランスが様々なスタイルで働いているようです。

日本の労働市場においては、フリーランス=個人事業主として使われる事が多くて、フリーランスが不安定という事が定着していますが、個人事業主という働き方の携帯が非常に多種多様なので、勝手に定義するのは危険です。例えば、コンビニのオーナーが個人事業主であるのに対して、パソコンを使って作業するプログラマーのような人も個人事業主(フリーランス)という事もできるでしょう。

・Independent Contractor(独立契約者)
・Moonlighter(本業を終えてから副業)
・Diversified Worker(複数の収入源を持つ)
・Temporary Worker(派遣労働者かバイト)
・ Freelance Business Owners(フリーの事業主、オーナー)

ブラック企業が嫌なら独立するしかない

中小企業のブラック企業で働いている人の多くは、ブラック企業で技能が身に付いていない場合が多いので、転職してもやはりブラック企業にあたる可能性が高いです。また、大手企業に勤務していた人が転職する場合にも、『従来と同じ条件で働き続ける』というのは無理があり、中小企業で更に労働条件が悪くなることが多いです。大企業と中小企業の違いと言えば、大企業の方が労働条件が良い場合が多くなっており、中小企業で働くという事=ブラック企業で働く事という事が多くなっています。言い換えれば、大手企業で働かないのであれば、自分で独立を考えた方が良いという事になります。

簡単に言えば、企業の労働条件に不満を持った場合には、自分で独立する必要があるという事です。そして、独立するというのは、遊ぶ時間を削っても仕事を行わなければいけないという、ブラック企業以上に非常に過酷な条件で働く覚悟も必要になるでしょう。ただし、独立をする事によって得られるものというのは、『仕事を拒否する権利』です。仕事が嫌になったら『その仕事はできないのでお断りします』という事が可能になります。自分の実力に自信があれば、会社で働いていた時のように嫌になるような仕事を受けなくても、やりたくない仕事を拒否することができます。

優秀なフリーランスが少ない実情

アメリカであったり、中国などは、労働者保護が日本ほど手厚くないので、簡単にクビを切られてしまう(簡単に解雇されてしまう)ことから、労働者側も自分たちを守りたいと必死です。労働者側が企業など信用していませんし、逆に企業側としても労働者など大して信用していません。このように労働者の流動性が非常に高い市場になっており、その中で多くの人が能力を磨きながら収入を稼ぐ道を模索するという状況になっています。

アメリカのフリーランスと日本のフリーランスの違いは、アメリカのフリーランスが高度な能力と専門知識を要求されるのに対して、日本のフリーランスが何故か『安い賃金をあてにされる』という例が多いという状況もあります。日本では、求人を行っても条件に合う人が誰も応募してくれないと嘆く企業が多いですが、そもそも優秀な人であればあるほど、企業にコントロールされる事を嫌うはずなので、1人で何でもこなせてしまう人が中小企業の為に働いて尽くしてくれる訳がないのです。そんなにできる人であれば、自分で会社を作って、雇用形態というスタイルを取らずに、会社間の契約という形をとってくるはずですからね。相手を安く使いたいという思惑が先行するあまり、とんでもない要求を相手に突き付けている事すら理解できない中小零細企業があるのは残念です。

技能を身に付けていない労働者

かつて労働者の技能と言えば、読み書き算数が出来るようなことが重視されていました。例えば、高卒であれば初任給がいくら、大卒であれば初任給がいくらというように決められていました。しかし、現在の社会において、単に読み書き算数ができる労働者というのは沢山いて、何か高い能力でもない限りは、低賃金しか受け取れない時代になってしまっています。日本の企業で能力を磨きたくても、正社員になれないと、単に使い捨てのような単純労働者のような仕事しかないので、いつまでたっても能力を磨けないという問題点が出てきます。

東京大学 知的資産経営総括寄附講座の特任教授を務める妹尾堅一郎氏は、「世界はG7からG20の時代になり、競争力モデルも20年前とは一変してしまったのに気がついていない。海外企業が戦略的に日本企業を追い越したわけだが、当の日本企業はなぜ負けたのか分からない、技を掛けられたことにも気づいていない」と述べています。

日本の労働者が何も技術を身に付けないで、単に年齢だけ老けていく状況であったなら、それは単なる労働市場の劣化でしかありません。日本の企業側がアジアに対抗して『安い労働力』を求めるのは仕方ないにしても、労働者に何らメリットがない雇用体系(言い換えれば、労働者に技術力が全く残らない雇用スタイル)というものは、日本の労働者全体の質を下げる結果になり、まるで旧ソ連のように『単に仕事をやったふりをしてこなして給料を貰う』というような社会主義的な企業化してしまっている事は確かです。

単にウェブサイトを持てば稼げるという幻想

最近のフリーランス・中小企業などにおいては、『ウェブサイトをとりあえず持ちたい』という企業が増えています。こうした企業に多いのは、フリーランスであったり、格安ホームページの会社を利用してウェブサイトを作成すれば稼げるようになるという『幻想』です。実際には、ウェブサイトを立ち上げて、そこに人を集めるためには、様々なノウハウが必要になってきます。

最近では、IT企業が様々な分野に進出してくる事例が増えてきました。仲介業などにおいては、金融事業者、不動産の仲介業などにも進出しています。こうしたIT企業が幅を効かせてくるにしたがって、一般の企業もウェブサイトを有効に活用する必要性に迫られてきました。ウェブサイトを上手に活用して、コストを最小限にしながらマーケティングを行う必要が出てきたのです。ウェブサイトを用いて稼いでいる企業というのは、ウェブサイトの事業部がしっかりとしていて、1人~5名ほどのコアスタッフがウェブ事業を専門に取り組んでいる場合が多いです。

サイバーエージェントが作った『アベマTV』の出資比率を見ても、サイバーエージェントが60%、テレビ朝日40%で、サイバーエージェント社の方が実質的な経営権を握っています。こうした状況になっているのは、インターネット放送という事で重視されるのは、サイバーエージェントの持つ開発技術力であり、それがインターネットテレビを作る時においては、テレビ朝日の持つコンテンツ以上に価値を持っているからです。テレビ朝日が外注して作っただけでは、運営できないとテレビ朝日側が良く分かっているのです。もっと簡単に言ってしまえば、こうでもしてサイバーエージェント側に株式を持たせなければ、インターネット事業者が動いてくれないという事でもあるのです。中途半端に外注してできたぐらいのウェブサイトではうまくいくはずもありません。

汎用性の高い技術開発の応用

ウェブサイトを作成する場合には、Wordpressのように汎用性の高いものを使えば、サクサクとすぐにサイトが出来上がるようになってきました。その一方で、かなりカスタマイズしたサイトを希望した場合には、そのカスタマイズ料金というのは、やはり安いものではありません。ウェブサイトのデザインという事であれば、10万円ほどで完成する事も十分にあり得る話ですが、プログラムになると時間がかかるので、構築経験がある1人~2人が2週間ほど動いて50~100万円が最安値であるとされています。

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