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地方のアパートにタダでも人が住まなくなってきている!供給過剰の地方アパート

  • 17 June 2017
  • のぶやん

日銀によると2017年3月末時点の貸家業向け融資(アパートローン)残高は、22兆4000億円に達しており、この5年間で1.8兆円も増加している事が発表されています。日本は、少子高齢化で人口減少の時代に入っているにも関わらず、アパートが次々と建つというのは本当におかしな状況なわけです。新しいアパートがいくら建設されたとしても、住む人が増えない訳で素から、それは値崩れの要因にしかなりません。実際、地方のアパートで住む人がいない空室がジワジワと上昇しています。それは、都心に近い神奈川・埼玉でも見られるようになってきています。

地方に乱立する新築アパート

超低金利の時代にお金が余った人が『相続税の為に借金をしましょう』というのがその理由のようですが、とにかく地方には新しいアパートが建ちまくっていて、大幅な値崩れを起こしています。新しいうちは、家賃が相場並みであれば、しっかりと入居者を確保する事はできますが、問題になるのは古くなると入居者の確保に困る事が出てくると言うことです。

東京から離れた田舎の地方のアパートの価格暴落というのは目覚ましくて、実際に2万円ぐらいで住めるアパートも多くなっています。立地が悪い場所であれば、築30年で1.5万円物件なども出てきていて、そういう物件になってくると『借り手がいればラッキー』ぐらいの感覚で大家の方もやる気がありません。

地方に住宅需要はない

地方都市には、はっきり言って住宅需要などなくなってきています。少子高齢化の中で、多くの若者が都市に流入しており、今後は地方の空洞化がいっそう加速するとされています。このような状況において、地方にアパートを作ったとしても、10年後に入居者が確保で気なくなる事は明らかです。それにもかかわらず、多くのアパートが乱立する背景には、お金を持て余した高齢者と、低金利という事があります。

お金を持て余した高齢者は、その事を不安に思って、お金以外の何か財産を残したいと考えて(不動産に投資するという考えは古い)、不動産に投資する訳です。銀行側としても、お金を持った高齢者が借金して借りる場合が多いので、万が一に不動産が空室だらけであったとしても、現金を持っている高齢者から回収できるという見通しを立ててお金を貸しているところがあります。

お金を持っているから貸す必要ない

地方に行くと、シャッター商店街のように閉まりきった商店街、そして空き家だらけの家が目立ちますが、彼らが貸さない理由として『貸しても大した金にならない』という事と、『自分の生活費ぐらいはあるから、貸す必要がない』というものがあります。人に貸す為には、それなりに手を入れるお金をかけたりしないといけない状態のものも多いのですが、お金をかけてリフォームしても、人に貸す金額は低いので、放置という例が多くなっています。そうしているうちに10年もたって、手が付けられなくなっている住宅の数も増えています。

アメリカのデトロイトでは、今では住めなくなった住宅がタダ同然(数十万円)で売られていて、これを見事にババ抜いて日本人投資家などが買って、扱いに困るだけならまだしも、裁判沙汰になったりする例も増えています。日本ですらぼろ物件の扱いは難しいのに、まして海外でぼろ物件を買うというのは気が知れませんが、儲け話に乗せられて、そういう物件に手を出す日本人もいるという事です。

海外不動産の原則は、『現地に精通していて現地語を話せるか、話せるお金を渡せるぐらい親しい友人がいること』という事と、後は現場に何度もいける足がある事です。いずれも国内投資でも同じ事なのですが、そんな事を知らずに海外投資を行うと、大変な事になります。物件の名義を自分にしてしまうと、入居者がいないのに税金ばかりを支払うハメになる危険もあります。実際、泣き寝入りをブログで報告している人もいますが、自業自得としか言いようがない。5億円の投資をしているそうですが、最終的に損切りをして2000万円もの損失を出している事をブログで報告しています。2000万円もあれば、日本の都心でもそれなりの収益物件を手に入れる事ができたのに、残念ですね。17万ドルで買った物件を3万ドルで手放すというのは、本当に見る目がないと思います。それでも、ここで損切りできただけ立派だと思います。

地銀のビジネスモデルが破綻

地方では、特に若者がお金を全く持っていない上、住宅需要もほとんどありません。このような状況の中で地銀のビジネスモデル自体が既に破たんしている状況にあります。お金を貸してほしいという地元業者は、苦しい業者が多くて、貸し倒れのリスクも大きなものになっています。例えば、地方のホテルなどで経営難に陥って貸し倒れているホテルなどに地元の銀行が多額の融資(億単位)を行っている例は沢山あります。

地方銀行の必要性がますます薄れていると考えて間違いないでしょう。言いかえれば、地方銀行がこれからどんどん破綻に向かっていくという事で、地方銀行の再編が10年~20年ほどかけてゆっくりと進行していくでしょう。地方銀行では、優秀な人材確保などにも困るようになっていて、今後の見通しは暗いと言わざるえません。

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