アルゼンチン化する可能性がある日本経済!日本の労働者のやる気が失われて貧困化で技術力を消失
アルゼンチンでは、現在でもインフレ進行が激しくて、旅行で1週間ほど滞在するのであればOKですが、現地で生活するとなると大変だという事です。
通貨安が引き起こされると、誰もアルゼンチンのペソを信用しなくなってしまうので、資産性があるもの(金、自動車など)にお金を移したりする動きが加速して、ますますアルゼンチンのペソが信用を失っていくという事態に発展しています。アルゼンチンの平均月収は、10万円を下回る水準ですが、
デフォルトから経済成長
2001年にデフォルトを起こしたアルゼンチンではありますが、2000年代半ばにリーマンショックまでは、国内経済は比較的好調に推移していました。しかしながら、リーマンショックが起こった事の影響で海外投資が引き上げるなどして、再び不安定な経済に陥りました。この結果として、2007年も1 米ドル=3ペソだった為替レートは、2015年に1 米ドル=9.5ペソまで下落しています。数年で資産が3分の1以下に下落して国民経済に大きな打撃となったのです。
実際にトルコリラも2007年に1リラ=100円を付けていたものが、2017年の今では1リラ30円で3分の1に下落しています。数年で資産が3分の1になっているのは、トルコとアルゼンチンは似たように通貨の信用を失っていると言えるでしょう。
トルコリラ円の下落
当局による為替コントロール
当局としては、何とか国内の市場を充実させようとして『輸出課税』を行った結果、それが外国に輸出する際の価格を高くする結果となり、逆に近隣諸国の牛肉などに価格競争で負けるようになって、外貨の獲得が出来なくなって為替を更に下落させる結果となりました。
ペソを安定させる為に、ペソからドルに換金する事を規制しましたが、闇換金が横行してほとんど効果を持ちませんでした。ドルを保有しておけば、それだけで生活を安定させる事ができるので、多くの人は米ドルを好んで使うようになるのはどの国でも同じことです。
労働者のやる気低下で国内産業の衰退
日本で国内産業が衰退すると、日本の国力を維持したり、通貨を維持する事は不可能になります。国際的な競争力を失えば、日本自体が信用を失ってしまって、通貨が下落する事になります。特に問題になるのは、『日本人の個人の技術力低下による消費力の低迷』です。日本人であるだけで高給が取れる時代は終わって、隣の中国と人材の競争になった時に、労働者としての労働力がインフレを起こしてしまっているのです。
労働力のインフレが起こってくる中において、労働者が賃金を得る事は難しくなっています。労働者が賃金を得るのが難しくなる中で、年金受給者、生活保護者の権利などが相対的に高い物になって問題になっているのです。働いている人の賃金がどんどん下落していく日本においては、年金受給者などが受け取るお金が相対的に高い物になってくるのです。この年金受給者であったり、税金の収入を確保する為に増税が行われて、働いている人の賃金が下落しているとすれば、日本の技術力が落ちて当然という事になります。
若い人材がやる気を失う
日本においては、社会主義のようなシステムが起こってしまっているのです。『旧ソ連はなぜ崩壊したか』に書かれている通りです。先ず、資本家の卵である自営業者(偽の富農)を潰しながら、計画経済を行おうとした訳です。日本だけではなくて、世界の先進国においては、こうした『計画性のある人材育成』などを行った挙句、その人材が低所得で時代の変化についていけないというような現象が発生してきて、国際競争力を失っていく訳です。
日本における戦時統制経済のような形に近づいている事は間違いなさそうで、生産の現場、消費の現場、或は国民の生活状況、労働者の生活状況が無視されているのではないかという事があります。例えば、国民生活が困窮する中で、どうして強行に消費税をひきあげられのかという事があります。更に日本で起こっている事は、旧ソ連と同じで『重工業への回帰』であり、今更になって利益率が高くなるとは思えない航空機にこだわりを見せたり、客船事業で失敗したりと、三菱重工がなすことは裏目に出ている事からもその重工業偏重が破綻している事が分かります。
実際に劣悪すぎる労働者の生活
表面の国力としては、『強そうに見える』のですが、実際に需給のバランスが悪くなると、国内経済がボロボロになっていくと同時に、輸入に依存した経済になっていきます。そうすると、自然と技術力の低下を招く事になります。ベレンコ中尉亡命事件の時に函館空港で捕獲されたMiG-25Pは、ソ連で最新式と言われていながらも、旧式の真空管などが用いられていました。
このように最新鋭の機体を保有したパイロットが亡命する背景には、そのパイロットたちが置かれた環境が劣悪で悲惨すぎるものであったという事が分かります。29歳の彼は、ソ連の軍部の内部における腐敗と、家族との不調和に不満を抱いた結果として、アメリカに亡命する事を考えて実行に移す事になります。非常にリスクの高い行為ではありますが、そこまで追い込まれていたという事です。
ベレンコ中尉が亡命に使ったMiG-25P
若者の需要と供給のギャップ
若者の消費スタイルは変化を見せていますが、その需要にマッチしているのが海外からの輸入品ばかり(特にインターネット分野)となっています。Facebook, Twitter, LINEなど若者向けのツールの多くが海外製品で、日本の供給側がそれらを開発できなかったところに大きな問題があるでしょう。ソ連の計画経済と同じで、需要にに敏感な人がそれを開発しようと思っても、それを社会的に何とか抹殺するように大手などが圧力をかけたりしている訳で、うまくいかないのです。内側で潰しあっているうちに、外資系に全てのパイを取られてしまっているという現実があります。
このように需給のギャップが起こる背景には、『国による補助金』があります。企業が地方自治体、国などの補助金に依存して非効率で生産性が悪いまま生き残る訳です。そして、その産業競争力がない企業が生き残る原資とされているのが国債の発行だったりする訳です。本来は潰れるべき東芝のような企業が救済される事に寄って、投資されるべき企業に投資されるお金が回らず、日本が更に悪循環になっていきます。
実際にこういった誤魔化しは、少しず企業の力、国家の力を失わせていきます。個人というのは、本来の需要がある場所に対してアクセスしていくので、需要がないところにいくら補助金を出したとしても、赤字国債の増発を招くだけで人々の生活は豊かにならないのです。それは、高齢者に対して国の社会保障を投入しすぎる事も危険である事を示しています。本来は若者に投入すべきカネを若者から搾取して高齢者に投じるという逆の事を行っており、こういった行動はなが続きするものではありません。
低所得の若者が日本の競争力
非常に残念なことではありますが、低所得の若者が日本の競争力になっている事は事実でしょう。日本の若者は、低賃金の上に社会保障費用も非常に高い、税金も高いのでお金が全く貯蓄で気ないような状況にあります。また、低賃金を期待されているので、技術的にも高くない場合があり、派遣社員・アルバイトなどの身分で年収200万円(月収15万円)というような貧困ギリギリの生活という事になります。それでも20代のうちは何とかなりますが、30歳を超えてくると厳しさを増す事になってきます。
こうした若者を安く使う事によって、企業は一時的に利益が出たようには見えますが、実態としては高度な技術力をどんどん流出、喪失する事態となり、最終的に内需が細くなるので、内需で生きている企業から衰退していきます。日本でも実際に内需起業が多い事は事実なので、技術力をいかに高めるかという事は課題になってきます。つまり、労働者の労働生産性を高める為に技術力が必要とされる訳で、労働者のやる気も必要です。そのような事が日本ではガチガチの企業文化の中で起こりづらくなってきている事は確かです。