どんどんAIに置き換わるホワイトカラーたち!サイバー化するウォール街
東北でビットコインを発掘しているという発掘者の部屋を見てほしいのですが、そこに並んでいるのは、数十台に及ぶパソコンです。そのパソコンを1人で管理しています。このパソコン自体は、10年前の水準から見ると『スーパーコンピューター』と言えるぐらいのCPUより上位に当たる頭脳GPUを搭載して発掘を行っています。
このスーパーコンピューター(AI)頭脳の分だけ人間の雇用が不要になるという解釈で間違いないでしょう。少なくとも、事務作業を行うホワイトカラーが行ってきた仕事の一部をこのパソコンが担うようになっています。
ウォール街がサイバー化
ウォール街では、人員削減の動きが進んでいて、トレーダ―をAIに置き換えているというのです。それは最近に始まった事ではありませんが、2017年になってその動きが加速していると報道されています。証券マンもトレーダ―もリストラされて、どんどんコンピューターに置き換わっているのです。
ゴールドマンサックスは、2000年に600人のトレーダ―社員を抱えていましたが、今は僅か2人と報道されています。2000年から17年を経てパソコンの性能が大きく変化して、全く別物になりました。過去のデータを全て入れて試験されたコンピューターが売買を活発に繰り返して、良好な成績を上げています。
仮想通貨が奪う職業
仮想通貨の発掘作業というのはは、銀行員が行ってきたお金の移動(トランズアクション)をコンピューターで肩代わりする仕事です。遠くの人と人がお金をやり取りする時には、銀行が仲介するのが今まで歴史的に続けられてきたことでした。しかし、今では人と人がダイレクトにやり取りをする取引(P2P)に銀行が介入せず、そのトランズアクションをコンピューターが肩代わりしています。
日本の銀行でも、近い将来的に仮想通貨が使われる事を見こして、人員削減の動きを活発化させ始めています。2017年になって、大手銀行が次々と人員を削減する事を発表しています。仮想通貨を使った取引では、銀行は今まで以上の業務の効率化を迫られているからです。簡単に言ってしまえば、中国のビットコイン発掘者が日本の銀行員の職を奪っていくのです。
情報がAPI化される時代
APIというのは、馴染みがない人も多いかもしれませんが、2000年代の中頃から日本でも活発に使われるようになってきました。膨大なデータベースを他のサーバーに渡したりする時に便利に使われるのですが、楽天がアフィリエイトを行う為に公開したりしています。そのAPIが最近では、コンピューターの進歩によって膨大なデータで出回るようになってきたのです。
公開APIのデーターというのは、誰でも使えるものが数多くあり、ハードディスクやメモリの容量が拡大したので、個人であってもパソコン1台に納まるようになってきています。その事は、企業にとって数多くの社員を抱えてデータ処理するのが非効率であるようになってきています。例えば、楽天レシピがAPIでレシピを公開しているので、クックパッドが同じスタイルでビジネスを継続するのは、すぐに困難になるでしょう。このブログでも楽天APIから取得したデータを表示しています。
個人がサイバー化に対応する方法
個人がサイバー化に対応するには、プログラマになればいいというものではありません。プログラマーですら、プログラムをまとめた『ライブラリ』というものが次々と公開されて、10年~20年ぐらいで不要になっていくと言われているからです。今までプログラマーがやってきた仕事というのは、文系でも出来るようなエクセルマクロみたいなものに置き換わっていくという事です。
このような中で個人がサイバー化に対応するにはどうすればいいのでしょうか?それは、以前から言われているように『複合知識を身に付けていく』という事でしょう。英語を話せるタクシー運転手のように出来る事がいくつもあれば、応用が効いてきます。少なくとも、クラウド上で情報を扱う事に慣れていないと、お話にならない時代になることは確かです。
ドルでも円でもなく仮想通貨
世の中のものがどんどんデジタル化されていくと、多額の負債を抱え込んだ中央政府が扱うドル・円などよりも、仮想通貨が信用価値があるとみられるようになってくるかもしれません。日本円が暴落すると言われていますが、それは先進国通貨に対してではなくて、仮想通貨に対して暴落する可能性があるという事です。実際、現在ビットコインはどんどん価値を上げており、それはドル・円の価値が下がっている事を意味しています。
ドル円などの法定通貨に比べると、仮想通貨の時価総額20兆円という数字は僅かなものですが、これが100兆円、200兆円となってくると、多くの国家財政よりも大きなものになってきて、世界中で流通した事を意味しているでしょう。少なくとも、トルコリラのような弱い通貨は誰も持ちたがらなくなり、多くの人が仮想通貨の方が良いと考えるようになるはずです。