非正規社員などの低所得者の待遇改善を期待する事が難しい現実
日本では、非正規雇用者が2016年に1132.3万人に達していますが、中国の大卒が600万人ペースで増えていくのを見ると、日本全体で技能引き上げに力を入れないと、さらに厳しい事になることは間違いないでしょう。
能力を高めないと低賃金化する
能力を高めないといけないのは、労働者だけとは限りません。経営者の方が労働者よりも更に高い能力が必要とされるので、今までのように単にゴルフして国から金を吸い取るだけの経営者が駆逐されようとしています。
権力者と癒着する人たちを駆逐するには時間がかかりますが、外国からのインターネットサービス襲来によって、日本のサービスが危機に立たされています。このような中で非効率で無能な権力と癒着するだけの経営者を駆逐しなければ、日本は更に悪い方向に向かっていってしまいます。
能力はどうやったら高まるか
従来の能力というのは、会社の中にいて『業務に慣れること』が大事だとされてきましたが、単純な業務に慣れても経歴としてあまり意味を持たない時代になってきています。例えば、仮想通貨の登場でお金が銀行を通じないでやりとりされるようになると、ホワイトカラーの代表格である銀行員がいよいよ不要になると言われています。
ゴールドマンサックスで2000年に600人いたトレーダーは、現在ではAIに代わられてしまって、僅か2人になっているという話もあり、人間がトレードすること自体が現実的ではなくなってきています。このように高給取りと言われたホワイトカラーは、自動プログラムに置き換わっていきました。
ホワイトカラーの単純労働化
従来の単純労働者(Manual_labour)というのは、使役動物(Working_animal)のようなもので土木作業員などを指す言葉として利用されてきました。しかし、この10年の傾向として、中国で大量に大卒ホワイトカラーが排出(1年600万人)された事によって、ホワイトカラーに低賃金のプレッシャーがかかる状態になっています。
今の団塊の世代のように会社で一生懸命に働けば何とかなるというレベルではなくなってきており、能力値が高くないと『40歳以上になると全く戦力外』という状況が発生するようになってきました。
旅行会社てるみくらぶ倒産
格安の旅行会社としてやってきた『旅行会社てるみくらぶ』は、2017年3月27日、自己破産を東京地方裁判所に申請し倒産しています。LCCの航空券などで、インターネットでダイレクトに予約する個人が増加したことと、ツアーなどが激安化して利幅が取れなくなった事が要因とされています。その流れに対応できず、従来の広告で顧客を集めた結果、資金繰りが悪化したという事です。
てるみくらぶの場合には、2014年から粉飾決算を行っていたという事で、負債総額150億円にも及んでいます。山田社長は、添乗員・営業職などを経験した後に1982年に31歳の若さで社長に就任したというやり手のウーマンとして知られていたようですが、ここ10年に起こった旅行業界の競争激化の中で、単純な手法で勝てるほど市場は甘くなくなっていました。