日本人は、休暇の消化日数が世界でも少ない事で知られています。長期休暇が取りづらい日本では、家族で旅行に行ったり、海外旅行に行くのも短期の旅行になりがちです。ヨーロッパ人のように1ヶ月も連続して休暇を取るのは、日本人にとって大変に難しい事であるとされています。その理由について考えると、日本人のチーム力が実際には上手に機能していない実態が見えてきます。
有給休暇が取りづらい日本
日本では、会社によって有給休暇の取得を前提にしたシステムが作られていないので、有給休暇を取る事は「他の人に迷惑がかかること」という事で、非常に難しい事になってしまいます。代わりに仕事をする人が居れば簡単に休めるのですが、代わりに仕事をする人がいない状況では、有給休暇の取得というのは難しくなってしまうのです。
世界各国の有給休暇の消化日数(日本は38%で半分以下)
エクスペディアの資料より
個人が仕事を1人で抱え込む姿
海外の職場においても、1人1人が責任を持った仕事を行うのが通常ですが、日本でも1人1人が責任を持った仕事を抱え込んでしまっています。もう少し簡単に言えば、各自の行っている業務のマニュアル化が進んでおらず、1人が仕事を適度に判断して運んで言えるといえるでしょう。こうした状況においては、担当者が休みを取ってしまうと、「別の人に迷惑がかかる」と考えるのも当然です。
現在、人間が行っている大半の業務と言うのは、マニュアル化が可能なものばかりです。営業にしてもマニュアル化できる部分が多い(端末の使い方から営業先の訪問スタイルまで)ですし、パソコンなどの操作について言えば、ほとんどがマニュアル化が可能なものばかりです。そうしたマニュアル化が可能なものは、全てマニュアル化しておくのが当たり前なのですが、日本は大手から中小企業までそれが行われている企業の数が少なすぎます。それは、私が何度も企業の内部で働いた中で、非効率な業務を沢山見てきました。
マニュアル化で効率を改善する
全ての業務内容をマニュアル化しておくことで、業務内容というものが大きく改善されます。そして、その作成したマニュアルについては、多くの人が共有できるように「フォルダに入れて管理する」などの姿勢が必要になります。そうして、社内での情報共有を行う事によって、スムーズに業務が行えるようになったり、多くの人が別の作業を行えるようになったりするというメリットがあるからです。
日本企業の一部で行われている「業務を改善する」という作業は、マニュアルで非効率な所をどんどん改めていくという作業でもあります。マニュアルに書いていれば気が付くような些細な事であっても、漠然と作業をしているだけでは気が付かない事も多いでしょう。業務の効率化であったり、改善を行っていく為には、何よりも初期にマニュアルを持っていることが不可欠になります。文字・画像・文章でマニュアルを作成する事を社内に徹底すべきでしょう。
マニュアルをストックする
社内でストックされたマニュアルは、全体で共有して改善を図っていく事が重要になってきます。そして、改善した人に対しての報酬なども出すようにしていくべきでしょう。どんどん社内の業務が効率化されれば、それはお客様の満足度にも結びつける事ができるようになっていきます。マニュアルをストックして、企業の資産として活用していくべきなのです。
マニュアルをストックして数年を経ていけば、その企業としてのマニュアルがどんどん変化していって、他の企業にはないユニークな強みとなっていくことは間違いありません。そうした業務改善から新しいものを作り出す時間やパワーであったり、資金や人材が生まれていく事も間違いないでしょう。マニュアルを作成した事によって生まれた余力時間・お金などを新しい投資に振り分ける事ができるようになっていくのです。