DeNA

ソーシャルゲームを主力とした企業。2007年12月12日東証一部に上場。プロ野球団を保有。

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DeNAのWELQが示した激安ライターでアクセスを集めるインターネット社会の闇

  • 7 December 2016
  • のぶやん

DeNAが『キュレーションメディア』を自称していた医療情報を扱っていたWLEQがインターネット上で炎上騒ぎになり、DeNAが運営してきたキュレーションメディアと称するジャンル別の10サイトのすべてが公開停止に追い込まれる事態となりました。DeNAは、インターネット上などの批判を受けて、『第三者機関を設置して、精査が終わるまで記事公開を停止する』としています。



DeNAが休止した10サイト

・WELQ(ウェルク):医療
・iemo(イエモ):インテリア
・FindTravel(ファインドトラベル):旅行関連
・cuta(キュータ):出産・子育て
・UpIn(アップイン):マネー
・CAFY(カフィ):料理
・JOOY(ジョーイ):メンズファッション等
・GOIN(ゴーイン):自動車
・PUUL(プウル):マンガ
・アニメ ・MERY(メリー):女性向けファッション等

簡単に稼ぐ為の外部ライター

DeNAが炎上したのは、医療系のデマ記事が大量にあったからですが、その原因となっていたのが『外部ライター』の存在でした。外部ライターは、主に『クラウドワークス』であったり、『ランサーズ』などの振興クラウドソーシング企業に外注されていて、Buzzfeedsによると、これらの外注先にわざわざマニュアルを作って指導していたというのです。

やまもといちろう氏のブログでは、これらのライター案件は、2000文字1000円といったような激安である為に、まともに書いたものではなくて、リライトツールなどを使ったのではないかと書かれています。リライトツールとは、手動、もしくは自動でインターネットの文章を書き集めて、プログラムがそれを書き直して『あたかも自分が書いたオリジナル文章であるかのように』見せる機能になっています。

責任をライターに押し付け

DeNAのWELQの文末には、ライター及び利用者に全ての責任を転嫁するような工作が行われていて、DeNAが責任を負わない事を書く記事に書くなど、入念に責任回避をしていました。書く記事の文末には、必ず『当社は、この記事の情報及びこの情報を用いて行う利用者の判断について、正確性、完全性、有益性、特定目的への適合性、その他一切について責任を負うものではありません。この記事の情報を用いて行う行動に関する判断・決定は、利用者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。』という文章が添えられていたというのです。

DeNAは、大量に文章を量産しておきながら、その書いてある内容に対して完全に責任を逃れながら検索エンジンの上位を独占する事によって、広告料で荒稼ぎしようと考えていました。実際、四半期(3か月)で15億円の売り上げがあったとされていて、この売り上げを更に伸ばす為に更なる記事の量産を行おうと考えていたようです。Buzzfeedsが入手したとされるライターリストには、1500件ものライターリストが記載されていたそうで、膨大に文章を整える為に外部ライターに大量発注を行っていた事実が浮き彫りとなりました。

長文化していくライター文章

Nanpiの時には、記事1本が300円などの激安価格で、800文字ぐらいだった。それがDeNAの場合には、『最近の傾向としてGoogleが長文を重視しているらしい』という事実を発見して、とにかく長文を完成させる事に熱を入れた。この手法は、外部のライターに対してリライト方法を指導して、2000文字1000円ほどで書かせていたという事です。そのリライトの手法は、クックパッドの記事などを適当にコピーして、少し言い直しや語尾などを書き直して量産するという手法でした。

通常であれば、2000文字であれば、どんなに安くしても2000円、普通に書くのであれば、3000円~4000円、専門的な医療分野などになれば、1万円以上の単価でしかライターを集められません。DeNAがこれだけ激安でライターを集められた背景には、原文とほとんど同じリライトであってもOKで、他の記事からパクリを繰り返して、少し言いまわしを変更するだけで公開していたからと考えられます。2000文字で書き上げたパクリあげたものを4本繋げて8000文字にしており、それで合わせたので不自然な部分が出てきていたとみられています。

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DeNAのパクリサイトWELQが露呈したオンラインで『情報が溢れていない』という現実

  • 6 December 2016
  • のぶやん

DeNAが運営するWELQは、外部ライターに非常に安価(1文字0.5円-1円)に記事を外注する事で、1日100記事を超える大量の記事をリリースする事によって、一気に検索エンジンの上位を独占しました。しかし、その手法というのは、他の人が書いたコンテンツをリライトする行動が多発していて、記事によっては、『そのまま原文をパクった記事があった』という事で、かなり問題視されていました。また、引用などした場合においても、引用文が自分たちの記事に合うように書き換えられていたという事が問題になって大炎上しました。

誰も記事を書きたがらない現実

独自性のあるオリジナリティ溢れる記事を書くにはかなりの時間がかかりますし、取材をして書くとなると、最低でも数万円のコストがかかる事になります。そのようにコストをかけた記事をオンラインでリリースしたところで、多くの人の注目を集める事はほとんどありません。つまり、コストをかければかけた分だけ赤字になる可能性が強まってしまいます。広告を掲載したとしても、かなり多くのアクセスを集めないと記事を書いた分の時間費用を負担する事が出来ません。こういった状況では、誰も記事を書きたがらないようになってしまっています。

WELQでは、コストがかかる独自の取材などは一切行っておらず、コストが最も安いとされる外注のライターに激安(1文字0.5円-1円)で外注して、外部のライターは、記事の大半をリライト(書き換え)と、引用によって構成していました。そして、いくつかの文章を組み合わせる事によって記事のボリュームを8000文字まで増やして、元の文章よりも検索エンジンで上位に表示されるように工作していました。元の文章を書いた人には、何らメリットがないという事で、それが炎上の要因となりました。

オンラインに情報は溢れていない

『オンラインに情報が溢れている』と言われている時代ではありますが、実際には情報にかなりの偏りが見られていて、情報がないものであったり、情報があっても似たような情報になっている場合がほとんどです。Google社の検索エンジンは、度の情報が優れているかを判別する事が出来ておらず、実際に人間だったら選ばないような情報が上位表示される事も珍しくありません。インターネット上で情報を検索したり、探そうとしたりする人は実に多いのですが、実際にオリジナルの情報を発信する人が実に少ないからです。

記事がすべてオリジナルで書かれている必要があるかと言えば、必ずしもそれが良いとは言えません。学術論文などにおいても、情報は誰かが言っている事を引用する事で、自分の主張を強化する意味合いもありました。そういった意味では、NAVERまとめのようなまとめサイトは、情報を組み合わせて新しい情報を生み出してくという事で、一定の役割があるものと思われます。実際、NAVERまとめにおいても、非常に多くの『新しい視点からの記事』というものが生み出されて、今では日本を代表する人気のサイトになっています。また、『時間をかけて良いまとめを作る』という作業は、無料で行う事がほとんど不可能なので、インセンティブを受け取る事で、まとめる時間を確保するという事も成功しています。

情報を目立たせるまとめサイト

NAVERまとめなどのまとめサイトには、もう1つの役割も期待されていて、今までインターネット上で目立たなかった情報を目立たせるという事です。それは、今までGoogle社の検索が行ってきたように、人々の需要があるにも関わらず、見づらいサイトであったり、検索エンジンに引っかからなかったものなどを『まとめサイトが取り上げる』事によって情報として新しく光をあてる事が出来るという点は、ユーザーに好評です。従来であれば発見されなかった視点の情報がNAVERまとめ上にも出ています。

例えば、インターネットで動画を1時間も見続ける人は非常に少ないのです。5分ほどでざっくりとハイライトを見れば満足という人が大半です。まとめサイトに期待されているのも、もっとも良い所を切り出して見せてほしいという要望です。インターネット上にある情報から最も重要なところだけ抜き出して、見やすいように提示してほしいという事でしょう。

短期で荒稼ぎしようとしたDeNA

DeNAが炎上したのは、自分たちが取材するほどのお金を保有していて、独自取材の記事を書くだけの資金は持っていたのです。また、『事業をする』という名目で東証一部上場までして資金調達しておいるのです。今までの事業で稼いだお金も、上場で資金調達したお金も銀行に入れたままにして、専門家が書いた文章などをリライトする事によって、ほとんどお金をかけていないと言えるほど安価に記事を仕上げて出していました。お金をほとんどかけずに事業リスクを減らして事業を軌道に乗せていこうとしていましたが、そのリスクを負わされたのは、激安の外部ライターであったり、記事を大量にパクられたInternetに記事を公開していた人たちでした。確かに、それでサイトiemoであったり、MERYなどのサイトが人気を得ていたので、ユーザーにとってメリットがあった事は間違いないでしょう。また、荒稼ぎしようと企てていたDeNAにもメリットがありました。しかし、問題なのは、それ以外の人に全くメリットをもたらさないサイトであったという点です。

先ず、ライターにメリットがあったかと言えば、DeNAであったり、クラウドソーシング企業であるランサーズ、クラウドワークスなどの企業は、『雇用を生み出した』と言い張るかも知れまん。しかし、その実態としては、非常に少ない金額で責任だけ押し付けた『超ブラックすぎるライター案件』だった訳です。当然ながら、優良ライターなど応募するはずもなく、実態としては、リライトツールなどを多用する『うまくやりくりできるライター』が記事作成に関わっていたとみられています。クラウドわワークスは、年間5億円の赤字を出していますが、こうした安い案件を大量に扱うからこそ赤字が出るのだと思います。根本的な考え方を改める必要があるのではないかと思います。

搾取するだけのビジネスが続かない

DeNAは、コストを出来るだけ抑えて記事を量産しようとして、外部ライターにタダ同然の金額だけを渡して、大量の記事をリライトで仕上げていました。DeNAの案件というのは、責任を押し付けられる割には非常に安価なものであり、NAVERまとめのようにPVに応じて報酬を受け取れる訳でもなく、仮に書いた文章が優れていたとしても、その全てがDeNAの収入になる仕組みになっていました。簡単に言ってしまえば、このシステムでライターが責任を負わされ、インターネット上の誰かが記事をパクられているにも関わらず、儲かるのはDeNAだけという凄い歪んだシステムで、炎上するのも当然と言えるでしょう。

NAVERまとめであれば、少なくともライターがPVに応じたインセンティブの配分を受けられて、記事は大量に『引用』された場合には、引用先に飛ぶ可能性があり、ユーザーが満足するサービスになっているという事で、社会の多くの人に有益なサービスになっていました。NAVERまとめの場合には、PVに応じてインセンティブを配分するシステムなので、NAVERまとめのアクセスが伸びたとしても、本体はそれ分だけインセンティブ代金を負担しなければならず、すべて丸儲けという訳にはいかないのですが、その分だけライターが何とかPVを伸ばそうと記事の質が向上するという傾向があります。DeNAのWELQのように『DeNA以外は誰も得しない』状況でサービスが支持を得ていくのは難しいのです。

独自動画でアクセスを集めるCChannel

DeNAが外部の激安ライターを使って炎上した一方で、質の高い独自動画でアクセスを集めている会社(サイト)があります。それが女性のファッションマガジン動画を出しているCCHNNELです。とにかく女性に人気のコンテンツを大量に集める事によって、人気のサイトになっています。元LINE社の森川亮さんが経営している会社(サイト)であり、特にスマートフォンに特化した動画サイトとして、女性に特化・集中した動画を女性の視点から集めて、編集して投稿しています。Facebookなどでも共有されていて、人気になっています。

資金力があれば、こうしたブランディング動画サイトで規模を持たせた方が明らかに将来の会社にとって有益なはずなのですが、こうしたブランディングの手法は、森川さんのように非常に優秀なマネージャーあってのことなので、DeNAにそのような人材がいなければ、事業として成功する可能性が低いとも言えるかもしれません。スマートフォンにおける女性ファッション市場の競争激化も激しいので、かなりの気合いを入れて参入しなければ、高いコストを稼ぎだすのに苦労して、市場からすぐに締め出されてしまうでしょう。Cchannelの場合には、中国語(繁体字)と英語にも対応していて、グローバル市場を見据えている事が分かります。

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DeNAがMERYの掲載も停止へ!激安ライターにリライトさせて『自分だけ儲ければいい』DeNAが大炎上

  • 6 December 2016
  • のぶやん

ガラゲーで飛躍した事によって短期間で東証一部上場となったDeNAは、スマートフォンに対応が遅れた事で、業績の伸びがストップしてしまいました。そこで、大した手間がかからずに利益を出せそうな分野である超激安ライターにリライトを外注して、それでSEO対策を施した文章をインターネット上に大量におく事で広告料を稼ぎだそうと考えました。ライターから搾取するばかりではなくて、原文を書いた人の引用もなしに原文そのままリライトしたりして、自分たちだけ儲けようとするビジネスモデルで大炎上しました。

DeNAに見られなかったのは、売り上げ・利益の上で大企業に成長して、一部上場企業になったにも関わらず、他人の事を軽んじて、『自分たちだけが儲けられればいい』と考えてしまった事です。会社というものは、社会全体にとって有益なビジネスを生み出さないと、ずっと生き残っていく事は出来ないでしょう。自社の努力なしに他人から搾取してぼろ儲けしようとしていたDeNAが炎上したのは当然であったと言えるでしょう。

激安で外注されたライターがDeNAの事をどのように考えるかであったり、DeNAに文章をパクられた人がDeNAに対してどのようなイメージを持つかを良く考えてビジネスしてほしいです。大きな企業になればなるほど、周囲の人たちにどんなメリットをもたらすかというのは、非常に重要でしょう。文章の引用して相手にもアクセスがいくようにしたり、金銭を分配するなどして利益配分に努めたりという企業努力が必要でしょう。『自分だけ儲けたい』という考え方では、評判良い企業にはなれないでしょう。

DeNAが休止した10サイト

・WELQ(ウェルク):医療
・iemo(イエモ):インテリア
・FindTravel(ファインドトラベル):旅行関連
・cuta(キュータ):出産・子育て
・UpIn(アップイン):マネー
・CAFY(カフィ):料理
・JOOY(ジョーイ):メンズファッション等
・GOIN(ゴーイン):自動車
・PUUL(プウル):マンガ
・アニメ ・MERY(メリー):女性向けファッション等

激安で外注していたDeNA

DeNAがキュレーションサイトで行ったのは、自社でユーザーを抱えずに『クラウドワークス』であったり、『ランサーズ』など、自社と全く関係がない個人に対して、オンラインを通じて激安で外注するというものでした。自社が全く関与しない事で、ほとんど原文と同じようなリライトコンテンツなどの責任をライターに押し付けて、安価に大量の記事を仕上げる事でGoogleの検索エンジンの上位を独占して稼ぐというモデルを構築しようとしていました。

いつでも切れる外注に1文字1円以下という激安で発注をかけて記事を完成させ荒稼ぎしようというモデルは、DeNAにとって稼ぎやすい方法でしたが、受注側のライターにとって全く何もメリットがないという大きな問題を抱えていました。『ライターなど単なる使い捨てだから』という事で大量に書かせていたのですが、その使い捨てのライター達が提出してきた文章のほとんどは、やはり使い捨てレベルの

ユーザーを抱えるコストは大きい

NAVERまとめのようにユーザーを参加させて、インセンティブを配布するようなシステムを構築すると、アクセス管理などでシステム維持費に大きなお金がかかって黒字までに長期の時間がかかってしまいます。NAVERまとめがこれだけ多くのアクセスを集めているのに他社が容易に真似できないのは、NAVERまとめのモデルに非常に大きな手間がかかるので『あまり儲かるように見えない』からです。

実際、NAVERまとめでは、ユーザーのPVをサーバー上で非常に慎重に管理する必要性が求められますし、毎月のようにインセンティブを振り込むという作業(当初は手動で行っていたという事です)まで発生する事になります。ユーザーを管理するサイトを立ち上げて、実際にPVに応じてインセンティブを配分するようにするのは、ユーザー側から見るとやる気のでるサービスである一方で、運営側からすると負担の大きいサービスであると言えるでしょう。しかし、ゲームを運営・管理する事ができるノウハウがあるDeNAが出来ないビジネスモデルとは思えません。やはり、そこには『利益が出るかどうかわからない』という難点があるものと思われます。

外注で質を確保できない

DeNAのように外注して外部の激安ライターに文章を書かせた場合には、『文字数を稼げればいい』と思ってしまうので、誰も真面目に書こうとはしません。1文字1円以下の激安単価では、文章はオリジナルの非常に乏しい『リライトツール』などを使った書き直し文章になり、下手をすれば本文がそのままという事もあり得ない訳ではないでしょう。1文字1円などという外注では、要求をいくら多くしても、書く側は『いかに手を抜くか』ばかりを考えてしまうでしょう。

NAVERまとめのインセンティブのようなシステムであれば、ユーザー側が『自分のアカウントで良い文章を書いて、多くの人に見てほしい』という動機づけになります。NAVERまとめ上にあるアカウントが自分のものであり、記事が自分のものであるという認識があるので、長期的にいかに記事を育てるかであったり、長期的にいかにアカウントを育てるかという事を考えるようになり、全く違った視点でサービスを見るようになります。そして、多くのユーザーがそのようにサービスに関与する事こそがNAVERまとめを支える最大の原動力となり、巨大サービスに成長しました。

記事を激安で買い取るモデル

DeNAの考えたモデルというのは、自社でユーザーを抱えず、外部ライターを1回きりで使い捨て、公開された記事の権利だけ100%頂いてぼろ儲けするという方法でした。DeNAが発明した技術という訳ではなくて、Nanapiであったり、iemo、MERYなどのサイトで盛んに行われていた事をDeNAがiemoとMERYを買収した後に本格的に乗り出していったビジネスでした。

ほとんど原文と同じような文章である事に対して、外部ライターにすべて責任があると文章で責任を押し付けたところで、DeNAなど外注して掲載した側が責任逃れする事は出来ないでしょう。外注側が記事の書き方を指導している訳ですし、何よりもライターが責任を負えるほどの金額を受け取っていないからです。外部のライターにどのように指導しようとしても、結局のところは支払った金額レベルの文章(=リライトとコピペ文章)しか完成しないからです。

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NAVERまとめの引用はセーフだが、WELQのリライトは盗作の著作権違反にあたる

  • 5 December 2016
  • のぶやん

NAVERまとめが『パクリ』と批判される事がありますが、NAVERまとめの場合には、引用リンクがあるので、『著作者を表示』している事だけは確かです。そして、著作者を表示した上で、文章をそのまま引用してくるのであれば、論文の書き方と同じであると考えられるので、著作権としても問題ありません。WELQのように勝手にインターネット上の文献を書き換えて、著作者を全く明示せずに『自分で書いた文章』であるかのように装って掲載するのは、著作権違反で盗作に当たります。

WLEQで行われていたリライト

WELQでは、外部のライターに任せるという形で、『ライターの責任で行った』という事にして、リライトを奨励していました。実際の書き方を示したマニュアルなどを提示して、リライトを行うように促していたことが分かっています。このように『著作権違反を積極的に行わせる』というのは非常に悪質で、その上にその責任をライターに押し付けていたことがWELQ炎上する原因となりました。

社長は『モラルとして問題があった』としていますが、リライトという行為は、モラルの問題ではなくて現実的に著作権違反に当たります。小説などを表現を書き換えて出版する事が認められていないのと同様で、原文を明示せずにリライトを行うという行為は、法的にも許されたものではありません。

DeNAは、WELQの全記事の非公開化を発表

DeNAが休止した10サイト

・WELQ(ウェルク):医療
・iemo(イエモ):インテリア
・FindTravel(ファインドトラベル):旅行関連
・cuta(キュータ):出産・子育て
・UpIn(アップイン):マネー
・CAFY(カフィ):料理
・JOOY(ジョーイ):メンズファッション等
・GOIN(ゴーイン):自動車
・PUUL(プウル):マンガ
・アニメ ・MERY(メリー):女性向けファッション等

リライトで検索エンジンに強かったWELQ

WELQは、引用を行わずに記事をリライトするだけで『自分ちがオリジナルで書いた』と言い張っていたので、Googleの検索エンジンは、『オリジナルの文章がある』と誤解してWELQを上位表示した結果、多くのキーワードにおいてWELQが上位表示される結果となりました。実際には、外部ライターに任せてリライトを行っていたので、そこで掲載されていたのは、誰かが書いた文章を書き換えただけのものでしたが、Google社のアルゴリズムでは、リライトと原文を判断できず、オリジナルとして検索エンジンの上位評価されてしました。

WELQは、検索エンジンの上位に当たるサイトをリライトして書き直して、Googleに評価されそうなキーワードを満載にしてリライトしていたので、実際にリライトされる前のオリジナル文章よりも検索エンジンに高く評価されて、検索エンジンの上位を独占していました。DeNAが実際に行っていたのは、オリジナル記事を更に検索エンジン対策を施して掲載するという犯罪行為でした。そして、そのヤバさを隠す為に外部ライターを募集する際にも社名を伏せて募集を行っていたという事が明らかになっています。

元の文章が分からないように工作

DeNAが外部ライターに対して指導していたマニュアルをBuzzfeedsの記事で見ると、様々な文献から情報を取得して、取得した文献が分からないようにリライトするように指導しているように見て取れる文面となっています。このBuzzfeedsの記事によると、『本文をそのままコピペするのは禁止し、「文章が重複しないようにご自身の言葉でリライトをお願いします」と、引用ではなく、わざわざリライトを指示している。』という事で、DeNAがリライトを指示している事が明らかにされています。DeNA側が引用ではなくて、著作権違反の犯罪行為にあたるリライトを指示していたとBuzzfeedsで指摘されている訳です。

実際にDeNAが発注していた文章単価は、2000文字で1000円(1文字0.5円ほど)という激安単価であり、医療関係者はもちろんのこと、素人のライターが書いても割に合わなような非常に激安の単価になっていました。このような状況においては、実際に仕上がってくる文章は、原文をコピーしたものに限りなく近い文章である可能性が非常に高いと言えるでしょう。しかし、それを分からなくするために別々のライターに発注するなどした記事を組み合わせて1記事8000文字の記事を仕上げていたというのです。

クラウドソーシングでライター募集

『上場企業が運営する、TVCMでもおなじみのメディアでリライターとして活躍できる大チャンス』などとして、社名を伏せたうえで外部のライターを募集していました。その募集要項にさえには、『本案件は、弊社が指定した記事の【リライト(書き換え)】をしていただける方の募集』などとして、リライトという著作権違反を犯せる人のみを募集している旨も掲載されていて、その責任はライターにあると、責任をライターに押し付けていました。


Buzzfeedsが入手した画像で示されているリライトの手法

誰でも記事を公開できるようなキュレーションメディアを装いながら、その実態としては、投稿者に書かせたものではなくて、外部ライターに書かせた文章を簡単に編集して公開するという事を繰り返す事で、1日100件以上の記事を公開して、検索エンジンのあらゆるキーワードで上位取得を狙っていました。

MERYでステマが行われた疑惑

今回のDeNAのキュレーションメディア問題は、WELQのパクリとリライトで文章が構成されただけではありません。更に大きな問題になったのは、DeNAが炎上騒動の後も公開し続けているサイトMERYにおけるすてれすマーケティングの問題です。ステレスマーケティングとは、読者に気が付かれないように記事の中に広告を入れる方法で、読者が広告と分からない形で広告を入れる手法です。このような手法は、インターネット上のサイバーエージェントの芸能人ブログなどで炎上してからは、各企業が気を付けるようになっていました。例えば、NAVERまとめに関しても、提供者を明示する事によって、広告と分かる形になっています。

DeNAが炎上騒ぎの後に9サイトを非公開にしたにもかかわらず、唯一非公開にならなかったMERYにおいても、かなり多くの記事が非公開にされました。しかし、非公開にならなかった記事を見てみると、ほとんどが『企業とのコラボレーションした』としか思えないようなどうみても広告記事ばかり(実際の商品が挿入された記事ばかり)であり、ステレスマーケティグの記事が大量に作成されていた事が明るみになった訳でした。

本質は佐野エンブレム問題と同じ

佐野エンブレム問題は、デザインをパクッて問題になりましたが、本質的にDeNAが行っていた事はこれと同じです。DeNAha更にパクリでリライトを行っていたのをライターの責任に押し付けていました。実際には、ライターが1文字0.5円という超激安価格で引き受けているので、DeNAのマニュアル通りにリライトしてライター側に責任を負わせるというのは、DeNAが悪い事をやっているという自覚がありながら責任逃れをするという非常に悪質な行為と言えるでしょう。

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WELQで大炎上したDeNAが外注先として利用してたのが上場企業で地雷案件ばかりで炎上したクラウドワークスだった罠

  • 4 December 2016
  • のぶやん
クラウドワークスIR
クラウドワークスIR
クラウドワークスIR

医療系サイトとして検索エンジンで上位を独占していた『WELQ』がインターネットで大炎上して、NHKまでニュースで取り上げる騒ぎになりました。そのWELQを運営するDeNAが外注先として使っていたサービスが上場企業であるクラウドワークスだったという事実が発覚しています。しかも、DeNAとして発注していた訳ではなくて、自社の名前を伏せたうえで、誰が発注者か分からないようにして発注をかけていたというのだから呆れます。

クラウドワークスが稼げない件

クラウドワークスと言えば、、2016年2月にクラウドワークス社が公開した「2016年9月期 第1四半期決算説明資料」によると、2015年12月末時点のユーザー数は79.5万人いるのに対して、20万円以上稼いでいるのが僅か111人と公表されました。80万人のユーザーがいるとしていながら、まともに稼げているのが111人しかいないという事実にインターネットでは『これは酷い』という声で溢れていました。更に『稼げているのは30~40代の専門職ユーザーが中心』という事で、稼いでいる人も働き世代のパワフルな技術力ある人しか稼げていない実態が更にこのビジネスの悲惨さを物語っていました。



平均で月収20万円以上を達成したユーザーというのは、僅か111人だけという事で、これを割合にすると全ユーザーの約0.014%ほどしかいない計算になります。この状況を言いかえれば、ほとんど稼げる人がいなかったといっても良いでしょう。月収20万円超えのワーカを増やす為に『プロクラウドワーカー』制度を設立したとしていますが、『そういう問題じゃないだろ』と思わず突っ込みたくなるわけです。20万円を超えるというのは、クラウドワークスで生活できる人が100人程度しかいないという事で、それは働き手としては全く夢も希望もない世界なわけです。単なる安く低賃金で働く労働者になる訳です。

これはクラウドワークス自身が公開した資料であり、会社の本質を最も良く示す資料として提示している訳です。クラウドワークスはこんなに魅力的ですよ!と会社が言ってる資料が全く魅力的に見えず、むしろブラックに映ってしまうというのは、かなり深刻な事態でもあります。こんな状況ではとても働く気にはなれないと思います。

クラウドワークスは手数料を取るべきではない

このような状況においては、クラウドワークスは、『労働者から手数料を取らずに労働者にその分のお金を還元する』ぐらいの事をしないと、良い労働者が集められるはずがありません。そもそも、優秀な人がこんな低賃金で働けるわけがないでしょうし、『空いた時間に少し稼ぎたい』というほど簡単に稼げる仕事の単価であれば、ライターのように激安のブラック案件しかないのがオチでしょう。もともと少ない報酬から更にクラウドワークスが手数料を取るというのだから、労働者を奴隷と勘違いしているとしか思えないブラックサイトに見えてくる訳です。

クラウドワークスは、お金を支払う企業側の事情を考える事は必要でしょうけど、同時に働く側の事情をもっと真剣に考えないと、誰も働き手がいない状況になるでしょう。メールアドレスのユーザー登録を済ませたとしても、実際に稼働している人が多くなかったり、仕事をするのが1回、2回程度だったりして、実際にはほとんど稼働しない、もしくは稼がないユーザーが多いのでは、サービスを維持する事すら難しくなってしまうでしょう。先ずは、多くのユーザーに利用して貰う事を想定して、ユーザーにとって便利なサービスであるべきですね。

赤字になっているクラウドワークス

クラウドワークスは、現状においてかなりの赤字を出している事が公表されています。営業利益が10.5億円で、営業赤字が8.5億円なので『相当に大きな赤字』と言えるでしょう。こういう仲介ビジネスというのは、本当に少人数で行えば良いものにして、社員を10人ぐらいに絞り込んで、利益を出す方法を模索する方が手っ取り早い気がします。利益がそれほど大きくないにも関わらず、従業員数が100人を超えているというのは、インターネット企業としては無理しすぎだと思います。

稼働のユーザーが拡大したとしても、利益を急速に伸ばすのが難しいどころか、競合他社もいる事で独占市場でもない中で、収益をどんどん拡大していくのは容易ではないでしょう。クラウドワークスでは、『個の力を最大限に発揮して、社会の発展と個人の幸せ』としていますけど、このような報酬体系において『人がワクワクしながら働ける未来』を創造するのはとても無理というものでしょう。従業員数を大幅にカットして、その分だけワーカーの報酬を増やすような体系を整えないと難しいと思います。


 

伸びているクラウドワーク利用

実際に上記から数か月後の2016年11月に公表された『2016年9月期通期 決算』を見てみると、クラウドワークスの契約総額はそれなりに伸びている事が分かります。契約総額が伸びて、2016年の最終四半期営業収益が3億2800万円をあげたという事です。しかし、人件費だけで最終四半期に2億7千万円ほど使っている状況で、最終四半期4億8600万円の支出があり、四半期だけで1億円以上の大赤字の状況に変わりありません。年間だと5億円もの赤字が出てしまっています。


このような赤字を解消する為には、クラウドワークスの契約総額が伸びて、特に宣伝費用などをかけなくても売り上げが上がるようにしていく必要があります。しかしながら、大量に記事発注を行っていたとみられるDeNAのWELQとその他のサイトの記事発注が停止される見通しである事は、クラウドワークスから見ても、かなり痛手になる事は間違いないでしょう。

クラウド外注の競争環境が激化

最近、ライティングの外注は、クラウドワークスであったり、ランサーズ以外の企業も数多く参入してくる市場になりました。ライターさえ確保できれば、誰でも容易にできる仲介ビジネスだからです。例えば、インターネットサーバーをやっているヘテムルでも記事の外注が出来るようになっていますし、記事を外注しようと思えば、1記事0.5円ほどで簡単に外注できる環境が整っています。

私が記事を外注する場合には、直接インターネットで募集して履歴書を提出してくれる人にクラウドワークスやランサーズよりは、もう少し多めの報酬で働いて頂いています。クラウドワークスやランサーズで低価格で記事を書いて貰ったとしても、誰が書いたか分からないような文章で、どうせ手直しが必要になるので二度手間になるからです。更にコピペ&リライトの問題なども発生しやすいのでどうしようもありません。

DeNAが出資するエニタイムズ

DeNAは、いろいろな出資を行っていますが、ランサーズやクラウドワークスと類似する企業に分類されているエニタイムズという企業に5000万円の出資を行っています。2013年5月に設立された企業で、既に3年以上を経過していますが、今ひとつ成果が出ていません。もたもたしているうちに、クラウドワークスが2016年11月15日にスキル売買のC2Cビジネスに参入すると発表(名前がWow!meという最悪の名前)したので、成果が出ていないうちからエニタイムズに非常に驚異の競合が現れたという事になります。クラウドワークスとしては、今までより売り上げを伸ばすには、スキル売買の分野まで手を広げないと難しいと判断したとみられています。

ちなみにビジネスの知恵袋さんの知恵を引用しますと、『エニタイムズのビジネスモデルでは、単価5000円前後で手数料収入が15%なので、1件成立につき750円の収入になります。この単価だと、1000万円稼ぐには1万件以上のマッチング成立しないといけません。スケールさせられるかが大きな鍵になります。』と書かれてありますので、かなりのスケール規模の受注を受けないと、社員1人の給料を支払う事さえ難しいという事になります。フリーマーケットやホテルのように物を扱うビジネスならば、かなりの個数をさばいて手数料を手にする可能性が見えてきますが、人を扱うビジネスでは、かなり単価を上げないと厳しいと言えるでしょう。1日100件の案件をまわしたとして、750円×100件=75000円×30日=250万円でようやく会社として回るといったところでしょうか。

人が動くと交通費などが発生する

エニタイムズのビジネスについては、家事を7500円で受けたという女性が紹介されていて、『好きな事をやっているので楽しんでできる』と紹介されています。実例を見ると、ランサーズやクラウドワークスと違って、労働者の側から提案して、特技をアピールする場となっているのは、確かにブラックになりづらい構造はあると感じます。ただ、問題点となるのは、交通費などをすべて個人が負担する事になるので、意外と高くなるという点です。私が得意分野で引き受けるのであれば、1回動いて2万円以下だととても無理だと思います。例えば、パソコンを初心者に気軽に教えるという作業で、2000円とか、3000円などという価格はあり得ない価格で、実際に教えるとなると2万円とか3万円という価格になってくるでしょう。

エニタイムズ側としては、いかに単価を高めるかは収益性に直結するので、専門的な人材をいかに確保するかに集中していく必要がありそうです。また、専門的でなかったとしても、1ヶ月契約が可能で単価を高くするなど、1回当たりの成約単価を高めなければ、事業として成立させるのは難しい気がします。

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DeNAが医療系サイトWELQのパクリ&リライトで大炎上!医者も呆れるパクリ内容にネット炎上

  • 4 December 2016
  • のぶやん

全く第三者で関係のないNHKまでもがDeNAが『パクリとリライトで構成してた』と認めざるおえない事になってしまった医療系サイトWELQを報道しています。今までは、NHKは特定の企業に批判的な報道をあまり行ってきませんでしたが、今回の炎上騒ぎがいかに社会的に大きな反響があったかを理解できるニュースになりました。

ゲーム事業の低迷による焦り

DeNAが医療系サイトWELQで、外部ライターに激安価格で発注してライティングさせて自分たちだけぼろ儲けしようとした事には理由があります。ガラゲー携帯電話からスマートフォンの携帯電話に対応できずに、利益が落ちていたというのです。DeNAは、既にゲーム事業で利益が出ない事にいらだっていて、新しい事業の柱として『キュレーション事業』というものに期待をかけており、この事業を『次の主力事業』として意気込んでいました。しかしながら、その実態というのは、ライターに激安で発注をかけて、他人のコンテンツを勝手にコピーしてリライトした記事を大量に公開してGoogleなどの検索エンジン上位を支配するというものでした。

DeNAのゲーム事業で利益が出なくなってしまった体質における焦りは、『手っ取り早く利益になるライター事業』へと向けられていって、ライターから搾取して、他人のコンテンツを勝手にコピペ&リライトすると言う形で広告をどんどん掲載してぼろ儲けしようという非常に悪い方向に向かっていってしまったのでした。何が悪いかと言えば、ライターに激安の金額で丸投げして他人のコンテンツをコピー&リライト(書き直し)して、それを公開するというやり方で、自分たちだけボロ儲けしようとしていたことでした。

手っ取り早く稼ぎたいDeNA

DeNAは、ゲーム事業でプラットフォームを手にして『手っ取り早く稼ぐ方法』に慣れてしまったので、コツコツと稼ぐ方法を育成してきませんでした。スマートフォンが出てきたときに対応が遅れてしまって、スマートフォン分野においては、Google社、Apple社などに事業の柱を握られてしまって、プラットフォーマ―からアプリ開発会社に格下げになってしまったのです。こうした状況でDeNAのゲーム事業の利益が伸びなくなっており、そのような中で手っ取り早くなんとか稼ぐ方法を模索していました。その中で出てきた事業が『キュレーション事業』だった訳です。

キュレーション事業には、2009年から開始していたNAVERまとめの存在が日本で異色の輝きを持っていて、DeNAもNAVERまとめのような巨大サイトを持ちたいと思った事は間違いないでしょう。しかしながら、NAVERまとめが2009年から7年間も継続しているのに対して、DeNAはそんなノウハウもなければ、同じことをやっても負けると分かっています。そこでDeNAが目を付けたのは、簡単にサイトを構築して、安いライターに大量に書かせてぼろ儲けできる事業を行っていた『パクリ&リライトのメディア事業』でした。この事業には、大きな企業がやるには難しいパクリ批判のリスクが付きまといますが、『NAVERまとめが大丈夫ならこれも大丈夫でしょ』みたいな甘い考えがあったのかもしれません。

DeNAの今後の事業に影響あり

DeNAにとってみると、このキュレーション事業というのは、これから会社の柱として成長させると意気込んでいた事業でもありました。それだけにMERY以外の9サイト全てが停止に追い込まれた事は、DeNAの事業全体にとってもかなりの影響があるものと考えられます。金銭的な影響というよりは、今まで2年間をかけて買収してきて、お金、時間をつぎ込んできた事業自体の大幅な見直しが必要になる事のダメージが非常に大きいと言えるのです。DeNAとして少なからずリソースをつぎ込んできた事業であり、他の事業が成長しない中で唯一成長できた事業でもありました。

DeNAの主力であるゲーム事業など、他の事業の業績は横ばいであり、急激な伸びを期待できる状況にはありません。ゲーム事業は、当たり外れが大きくて、安定した事業として収益を上げる事ができません。このような状況で、会社として安定するためには、ゲーム事業以外の主力事業を持つ必要が出てきます。LINE社がスマートフォンのLINEで大ヒットしたようにスマートフォンの事業で強みを持つ必要があった訳です。しかし、今回の炎上騒動で、メディア事業が今後も成長できる見通しが立たなくなってしまいました。

ゲームのように稼げる事業はない

日本国内において、現在の状況でゲームのプラットフォーマ―ほど稼げる事業と言うのは、ほぼ考えられません。スマートフォンのゲーム事業でイケイケのサイバーエージェントですら、現在は大赤字でAbemaTVという新しいまともすぎるメディア事業に乗り出しています。サイバーエージェントは、このAbemaTVに社運をかけて、非常に大規模な投資と、TV局と組んで藤田社長が中心となって懸命になって取り組んでいます。こうした姿勢は多くのインターネット視聴者を引き付けていて、AbemaTVの利用者は順調に伸びています。

DeNAの場合には、株主がばらけている事もあって、藤田社長のようにトップダウンだけで決断していける訳ではないでしょう。AbemaTVのように大赤字を垂れ流して事業をするという事も難しいかもしれません。株主がもう少し短期で利益を出す事を求めている企業であると考える事も出来ます。そういったプレッシャーの中で、どのようにしたら短期で利益をあげられるかを考えた結果、安いライターに大量に外注して、記事を量産するという手法を採用したのかもしれませんが、それはインターネットで炎上する騒ぎを発生させてしまって、会社のイメージを傷つける事になってしまいました。

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DeNAのWELQは、自分たちだけ儲けようとした。コピペされた側に1円のメリットも与えずに自分だけ儲けようとして大炎上

  • 4 December 2016
  • のぶやん

WELQがビジネスに失敗したのは、非常に低賃金(1文字1円以下)という報酬で外部ライターを使おうとした事にもともと無理があり、2000円という激安の価格で外部ライターを使ったらコピペが氾濫するのを分かっていながら、『それはお前らの責任だ』とライターに責任を押し付けて、ぼろ儲けしようとたくらんでいたのが大問題でした。

簡単に言ってしまえば、全ての責任を外部のせいにして、『DeNAが自分たちだけ儲けようとしていた』という事です。それが、本当の炎上原因。

儲けるのがDeNAだけという問題

WELQで外部ライターが稼げるかと言えば、全く稼げる訳がないでしょう。記事の中身がなんでも良いから書けばいいという訳ではなくて、DeNAの要求したタイトルで、要求通りに書いてほしいという事で、それでようやく報酬が出るという超ブラックな内容のライターです。普通に考えれば、この仕事がブラックだと直ぐに分かるので、相当に金に困らないと引き受けないような仕事だと思った方が良いでしょう。それぐらい悪質性の高いブラックな仕事でした。

DeNAもこの仕事が最悪のブラック給与の仕事だと認識していたのか、ランサーズ、クラウドワークスなどに仕事として投げる時に会社名を伏せて投稿していたというのだからあきれ果てます。会社名は、仕事に応募してから初めて明かされるという年の入れようだったというのです。仕事を始めたら秘守義務などもありますので、簡単に外部に情報を漏らせないという事を計算しての事でしょう。とんでもないブラック企業だと思います。

外注にブラックすぎる作業をさせる

時給2000円だと1時間以内に仕上げないと割に合わず、最悪でも2時間以内に何としても書ききらないといけない訳です。この内容のライティングでは、いかに優秀な人が集中して書いたとしても、全く割に合わない作業です。そうするとどうなるかと言えば、非常にコピペで訴えられる可能性が強い『リライトツール』などを活用して、他人のものを勝手にコピペして少し内容を変えてリライトするという事になります。実質的には、リライトというのは、コピペに当たる訳で、引用した事を分からないようにするのは完全な盗作行為に当たります。

そこまでしてライターで金を稼ぐ必要がある人がいるのか?どうか知らないですけど、リライトツールで効率的にガンガン記事を作成する事が出来る人であれば、もしかしたら2000円で引き受ける人もあるかもしれません。クラウドワークスの中には、時給が600円というものまで存在しており、完全にリライトツールなどのかなりブラックすぎるツールを使わないと割に合わない訳です。それでいて、責任はDeNAにないから、ライターに責任があるというのは、本当に無責任な話で、DeNAが簡単に責任逃れはできないでしょう。

リライトされた人は完全に損をする

例えば、NAVERまとめであれば、パクリだと批判されながらも、引用された記事は引用だと明記されます。引用だと明記されれば、そこからリンク先に飛ぶ人はいる訳です。更に言えば、NAVERまとめに大量に引用された事によって検索エンジンで上位表示される可能性も期待できるわけです。少なくとも、引用されないよりは、どこかに引用された方が良いに決まっています。引用が全くないような論文は評価されないのと同じで、どこからもリンクされない文章というのは、この世の中に存在しないのと同じです。つまり、NAVERまとめは、『是非とも引用してほしい』という人は沢山いて、引用される側にメリットを与えているのです。

その引用されるNAVERまとめに比較すると、WELQの行っていたリライトというのは、引用先を全く明示せずに書き換えだけを行ってオリジナルのように見せかける行為で、そういう行為を行われると、リライトされた側は得する事は何もないばかりか、自分の記事よりもそのパクリ記事が上位表示された事によって逆に損失を被る事になる訳です。こんなリライトを行われたら、リライトされた側は誰だって怒るに決まっています。『俺の記事をパクった上に、何で嘘ばかりにリライトして公開してるんだ、ふざけるな』と思うことでしょう。

ビジネスは得する人が多くないと成功しない

ビジネスというのは、多くの人が得するから世の中から支持されて流行するのです。それをDeNAは、ライターが大損して書いて、リライトされた人が大損して、ユーザーは嘘の内容に損をするという状況になっていました。誰が得しているかと言えば、DeNAが広告主から貰ったお金でDeNAだけがぼろ儲けしようとしていた訳です。こんな卑怯なビジネスが成立する訳がないじゃないですか。DeNAは、『自分さえよければいい』と考えて、ライターさんを軽視したり、今まで記事を書いてきた人々を無視してリライトしたのです。こうした事が批判されて炎上するのは当然です。

NAVERまとめのように『ライターさんにも継続的に報酬を配りますよ』という事を表明して、自分たちが痛みを伴いながらもライターを大事にする姿勢を見せたり、文章をしっかり引用の形に明示して、文章を書いた人の場所にも飛べるようにしたりと、そういった配慮をすれば炎上しなかったんだと思います。『他人の物を出来るだけ利用して自分たちだけ儲けたい』と思うのは、大企業がやる事じゃないですよ。多くの人の支持を受けて今まで成長してきた企業が、まるで成長してきたのが自分たちの実力だけのようにはき違えた結果でしょう。

協力者をいかに増やすかが大切

あの大手物流企業のアマゾンでさえ、自分たちばかり儲けようとしないで、赤字を出しながらもプレミアム会員を4000円に押さえるなどユーザーに支持されるように懸命に頑張ってやっているのです。楽天は、さんざん出店企業などに批判されながらも、アフィリエイターへの1%報酬を廃止せず、楽天APIなどアフィリエイトを強化しています。楽天アフィリエイトに関わる人は、楽天ポイントが大量に貯まるので、楽天を更に利用する事は間違いなくなり、楽天の味方として活動する事になる訳です。大きな企業になればなるほど、関わる人は増えて、多くの人の支持を受けなければいけなくなります。『自分たちだけ儲ければいい』というのでは、誰からの支持も受けられなくなって炎上するのは当然です。

Yahoo!ショッピングの場合には、店舗を味方につける為に出店手数料を無料にしました。この結果、多くの店舗を味方につける事に大成功して、出店店舗数を大幅に増やす事に成功しています。しかしながら、Yahoo!ショッピングが楽天に勝てないのは、アフィリエイターが少ないという点です。アフィリエイトなど『販売する装置』がなければ、いかに店舗が増えたところで売れる事がありません。Yahoo!ショッピングは、今までもアフィリエイターの存在を無視して自分たちの販売力で何とかしようとして失敗してきたのに、今度はアフィリエイターを完全に切り捨てる事にしました。これではなかなか成功しない訳です。

個人が会社と離れて力を発揮する時代

今の時代は、個人が会社と離れて力を発揮する時代であり、多くの個人(特に個人事業主など)を味方に付けた会社が力を発揮する時代でもあります。例えば、楽天アフィリエイトの例を見ると、楽天アフィリエイトが楽天の売り上げの3割にも達しているというのですが、その売り上げる金額は、年間3000億円にも達する訳です。楽天にもたらす利益は、その5%だと計算しても150億円に達します。全く馬鹿に出来ない数字を多くの個人が集合して叩き出すのです。楽天が今までさんざん炎上しても耐えてこられたのは、『楽天がなくてはいけない』と思う店舗、ホテルだけではなくて、アフィリエイターというインターネットで大きなパワーを持つ人たちを味方に付けてこられたからにほかなりません。今では、楽天モーションウェジェットなどは、Google Adsenseの代替広告などで利用される事もあるほど良く利用されています。

更に言えば、ソーシャルネットワーク(SNS)などで評判が良くなることは、企業ブランド価値の向上に役立ちます。DeNAが行っていた事は、誰も味方に付けなかったので、ソーシャルネットワーク(SNS)で影響力が強い人たちに簡単に叩かれてバンバン炎上しました。ライターに対してもっと報酬を高くする(例えば1万5000円~2万円)事であったり、写真家にお金を渡して味方に付けておくような工作をしっかりと行っておけば、こんなに炎上しないんですよ。インターネットで炎上したt沖に『私はDeNAの味方』という人が多ければ多いほど、DeNAには有利に働くことになります。しかし、DeNAには今回は誰も味方しなかった。だって、誰もDeNAからお金を貰ったわけでもないし、低賃金で働かされていた労働者は、むしろDeNAに恨みさえ持っていたのか、簡単に内情を暴露しはじめた。

東証一部上場企業がブラック価格で外注するな

お金がないベンチャー企業が『どうしてもお金がないから2000円で何とか許して下さい』と言ってライターを雇うのと、内部留保をゲームでたんまりと蓄えてきた1部上場企業が2000円でライターに外注するのは、全く意味が違うでしょう。DeNAがランサーズなどに外注していた『1文字0.5円~1円』とか『2000円で8000文字』というのは、明らかにライターを馬鹿にした金額で、しかも自社の会社名をを伏せて行うという完全にブラックすぎる報酬形態になっていた。こういった事は、東証一部に上場して公になっている企業がやっていい事ではないという事は、誰の目にも明らかでした。

ベンチャー企業の経営者でも『さすがにこの価格でライターを集めるというのは難しいからもう少し高くしようか』という事になるでしょう。実際に私が知っている大学生のライターは、800文字の調査記事で4000円で、自分で周囲にしっかりとアンケートして、その結果を記事にしていて感心しました。そういった企業努力をせず、ブラック価格でコピペのリライト記事を量産させて、『責任はライターにあります』というような態度では、明らかに社会のモラルに反した行為を行っている訳で、炎上したのは仕方ない結果だったと言えるでしょう。

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DeNAのキュレーションサイトMERYは、『のれん代』の減損が避けられれない!DeNAの医療サイトWLEQ問題

  • 4 December 2016
  • のぶやん

2014年10月にDeNAがiemoとMERYの2社を計50億円で買収したのですが、この買収は当初から『高すぎる』と言われていて、こんな買収では買収した金を絶対に回収できないと言われていました。DeNAは、LINE社の作ったNAVERまとめなどがインターネットでヒットしたのを見て、『真似すれば次の事業として稼げるかもしれない』と思って、ライターに外注して記事を量産して荒稼ぎしようとしていました。

パクリ企業になったDeNA

DeNAがパクリ事業を開始したのは、このNAVERまとめをパクッて買収を進めた事業だけではありません。LINE社に対抗して、全く同じようなスマホアプリであるCommというものをリリースしたのですが、こちらは2015年に開始から2年半で終了になりました。SNSの特性としては、『リアルの友達が使っているから使う』といものであり、友達が既にLINEを使っていると、わざわざCommを使う理由はありませんでした。

電話アプリ事業をパクてCommで失敗が明らかになると、次の事業で目を付けたのが、手っ取り早く稼げそうな『キュレーション事業』という訳です。キュレーションというと聞こえはいいですが、実態としてはパクリ記事のリライト事業であり、一般投稿者ではなくて、外部のライターに非常に安価で書かせていたというのです。書かせていたというよりは、記事をパクらせていたというのが正確でしょう。

MERYで発生するであろう減損処理

もともと50億円で買収したiemoとMERYですが、多くの記事が非公開になった事で、現在の資産価値がほとんどゼロになりました。このまま非公開の状態が続いてしまうと、どちらのサイトも減損処理を迫られます。DeNAが買収を行った時の価格は、50億円と報じられていますが、現在の価格は全くその評価額を付ける企業など世の中に存在してはいないでしょう。時価にすると2つのサイトで10億円未満、今回の騒動を受けて価値がほとんどなくなったと考えても良いでしょう。

サイトの価値自体に相当のマイナスイメージを持たれる結果になった今回の騒動によって、減損処理をしなければいけない可能性が高まっていますが、今後のiemoやMERYなどのサイトを継続していくかも含めて、検討を深める必要が出てくるでしょう。

こののれん代というのは、英語でGoodwillと言うので、『将来に対する期待値』とも読むことができるでしょう。資産・負債・純資産など会計の貸借対照表に現れるもので、『私の会社にはこれほど沢山の売却できる資産がありますよ』という証明で会社の信用と体力を示す事ができます。しかし、サイトの資産価値が落ちる事は、実際にそんなに資産がなかったという事で、会社の株価などを下落させる要因ともなるでしょう。

儲かるサイトを作るのは難しい

儲かるサイトを作るという作業は非常に難しい作業であり、DeNAもその事が分かっていたので、短期的に利益が出そうなパクリサイトに手を出してしまったのでしょう。DeNAは、多くの分野でサイトを作りましたが、多くのサイトは全く記事に責任を持たない外部ライターに1記事1円以下というあり得ない価格で発注して、仕上がってくる記事を掲載していく記事の質を全く無視した非常に強引なものでした。

パクリサイトというのは、記事作成の単価が安いから儲かるのであって、記事の単価が高くなって容易に儲かるようなサイトではありません。DeNAが安い単価でGoogle検索で1位を並べ立てたところで、現在のDeNAのキュレーション事業は、15億円にしかならなかったのです。これは、ゲーム事業に比較すると『全く儲からない事業』でした。しかし、DeNAは不安定すぎるゲーム事業以外の柱を見つけたいともがいていました。

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