DeNAのWELQがGoogle検索で上位になった大問題!情報資産の価値を誰が決めるのか

  • 11 December 2016
  • のぶやん

インターネット上には、デジタルなので同じような情報が数多くありますが、そのウェブサイトの価値を決めるのは誰でしょうか?本来は、ユーザーが決めなければいけませんが、ユーザーがその情報がそこにある事を知らなければ、資産価値の評価のしようがありません。現在は、検索エンジンによって、検索ランキングが上位のものをみるので、資産価値をGoogle社が自動的に決める仕組みになっています。しかし、これには欠点もあって、自動的に決められたものが人間にとって良いかと言う事は別問題であり、Google社が決めたランキングが自分にとって価値を持つかも別問題という事です。

Google社の検索エンジン

当初のGoogle社が検索エンジンに対して行っていたのは、ページランクというもので、多くの被リンクを獲得したサイトがページランキングで上位になり、上位表示されるという今よりもシンプルな構造の検索エンジンとなっていました。しかし、このような被リンクだけの構図では、新しいサイトが上位に来なかったり、使える情報なのに上位表示されないなどの問題があって、Google社は継続的にランキング表示に手を加えてきました。『アップデート』と呼ばれたその検索エンジンの変更によって、何度かページに表示されるランキングが変化していきました。

このような改変は、Google社のアルゴリズムに手を加えて行っていたものですが、当初は大勢の人が支持するだけのウェブサイトが上位に来るというシンプルなものだったのに、次第にGoogle社がペナルティを加えるなど、Google社が決めたものが上位表示されるような構造になっていった事になります。これが意味するところは、ウエブサイトの資産価値をGoogle社が決めるところが大きくなったという事でもあります。Google社が『誰かの資産価値を決める』というのは、健全な状況ではありません。その資産決定のプロセスは見えづらく、資産がいきなりゼロになる(言い換えればGoogle無視)可能性があるからです。

DeNAのWELQが検索エンジン上位の問題

DeNAのWELQがGoogleの検索エンジンで上位になってしまったことは、素人ライターが書いた誤った医療情報などが検索上位に提示されるというGoogle社にとっても信頼を損なう事態を引き起こす事になりました。大小さまざまなウェブサイトがある中で、新しい物も古い物も混在しており、信頼性がおけるものから偽りの情報サイトまであり、『キーワードだけでシンプルにランキングを決める』という事が非常に難しくなってきています。その結果、表示されるのは、有名サイトが資本をかけた大手サイトが多くなってしまって、大手サイトが更に強くなるという傾向が見られるようになっています。

WELQは、Google社が『長文で、専門性があるキーワードを沢山含んでいると上位表示する』という法則がある事を理解して、その通りに医療分野などで長文の記事を量産しました。その内容は、医療分野が良く分からない素人が書いたものでしたが、Google社は、『専門性がある長文だ』と判断して、WELQの記事をどんどん上位表示しました。その結果、WELQのアクセス数はどんどんあがり、ユーザー数が数百万人以上が使って、月間PV数が2000万PVを超えていたという事です。しかし、炎上によってこのサイトは停止に追い込まれる事になります。

誰がWEBの資産価値を決めるのか

誰がWEBの資産価値を決めるのか?というのは、非常に難しい問題でもあります。ソーシャルメディアは、拡散などによって『人気のある』『人気がない』という情報を判別できますが、2016年米国大統領選挙においては、間違っている情報が大量に拡散・シェアされたという事もありました。ウェブの価値というものは、当たり前ながら大衆が決めるものですが、大衆が決める為のシステムが確立している訳ではありません。Google社などがその検索順位を決めていますが、これは被リンクのようにシンプルに私たちが決めたものではないのです。

株式市場に上場された株式は、その価値を企業が発表した決算などに応じて大衆が決める事になっています。実際には、粉飾決算などの問題もありながら、このシステムは数百年も前からあるシステムとなっています。しかし、実際に資金調達・上場維持するにはお金もかかり、上場している企業というのは、その維持費を支払えるだけの利益を出す大きな企業だけになっています。ウェブサイトであっても、大きなサイト以外の価値を判定するのは難しいでしょう。

NAVERまとめは、今回のDeNAが起こしたWELQ問題を受けて、『キュレーターのランク』を付けると発表しています。NAVERまとめ側が信頼できるキュレーターかどうかを判別するというのです。そして、信頼できるユーザーが発信する情報は、上位表示するという取り組みです。まるで、個人をNAVERまとめ側が学歴社会のように振り分けて点数化したり、ペナルティを加えたりする仕組みになっていますが、ユーザーが信頼できる情報を受信する為にはやむなしとしています。

DeNAが運営したWELQの広告単価

DeNAが運営していたWELQの広告単価は、2週間掲載で5万PVを想定で最低単価が150万円からと非常に強気のものでした。医療情報に特化しているという強みから、医療系の広告出稿などを見込んでいて、一般的に医療系に特化した広告は高いということで、この価格を付けていたものとみられます。しかし、そのPVの集め方としては、クラウドワークスなどで集められた外部のライターが9割の記事を書いたとされていて、外部ライターに渡っていた金額は、1記事で数千円などごく僅かなものでした。DeNAは、安いライターにお金を渡して大量に記事を作成して、高い広告単価で利ザヤを稼ごうとしていたのです。

通常であれば、医療系の記事を作成するのは慎重になるので、記事を量産するにもそれなりのコストがかかって広告を掲載したとしても厳しい運営になってしまいます。しかし、医療系と称して嘘とデマで適当に素人ライターに書かせれば安上がりで、それでいて広告単価だけは高いという事で、DeNAが荒稼ぎしようとしている姿が明らかになりました。

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