パナソニック

パナソニックがデジカメ事業を解体!儲からない日本の家電製品

  • 16 April 2017
  • のぶやん

スマートフォンが2万円で売られていて、そのスマートフォンで写真を見たり、音楽を聴いたり、インターネットに接続できるようになっているので、スマートフォン1台あれば、その他の家電の必要性が薄れてしまいました。ハードウェアの価格はどんどん下がっていて、スマートフォンが5000円~1万円で売られる事も珍しくなくなっています。

僅か5年ぐらいに市場が大きく変化して、日本でもSIMフリーのスマホが出回るようになったので、海外製(主に中国製)のスマートフォンが大量に出回っていて、Appleのような高級スマートフォンを買う人が減少してきています。5000円~1万円の携帯電話であれば、分割払いする必要もありません。

儲からないデジタルカメラ

デジタルカメラは、スマートフォンのカメラの影響で市場の縮小が続いています。ニコンもコンパクトカメラ市場で事業縮小させると発表されたのがつい先日ですが、パナソニックも、デジタルカメラ部門を解体に踏みきって、人員を減らすことになるという事です。デジタルカメラ部門は、パナソニックにおける主力部門としての位置づけを失って、他の部門の下に入って採算の改善を目指すという事になりました。

『パナソニックが不採算の6事業を対象に一段のリストラに踏み切る。2018年3月期に液晶パネルの生産ラインや半導体事業会社の株式の売却を検討するほか、今春にはデジタルカメラなど3つの事業部を解体して人員を減らす』
日本経済新聞:http://www.nikkei.com/article/DGXLASDC23H1G_T20C17A3MM8000/

ソフトウェアと情報産業 ソフトウェア

中国に工場があって、中国で優れた製品がリアルタイムで輸入されるので、既に製品の製造だけで利益を出すのは極めて難しい状況になっています。ソフトウェアに進出して利益を出すモデルが求められるのですが、残念ながら日本の家電業界は、ソフトウェアに開発費用を投じるほど余裕がある訳ではありません。

高級機種に注力するか

Panasonicと言えば、放送でも使える動画を撮影できて民生用としては最上位機種とされるGHシリーズがありますが、GH5の価格が本体だけで20万円を超えています。GH4が本体・レンズのセットで20万円以下なので、 本体だけで20万円を超えてくるようだと、買おうとする人は限られているでしょう。GH5を選ぶより、GH4で十分だという事になります。

動画に定評があるデジタルカメラのGHシリーズなのですが、画質がここまで向上すると、求められるものは画質ではなくて、動画撮影機として使えるマイク接続の端子(XLRタイプコネクター)の標準装備であったり、レンズが付いて価格が20万円を余裕で割り込む価格の安さだったりするのです。

GH5がレンズキットで初期価格がAmazonで28万円は、いくらなんでも高すぎるでしょ。今、購入するにしてもGH5よりGH4を選ぶ人が多い気がしますね。

GH5本体

Panasonic ミラーレス一眼カメラ ルミックス GH5 ボディ ブラック DC-GH5-K

レンズキット


Panasonic ミラーレス一眼カメラ ルミックス GH5 レンズキット 標準ズームレンズ付属 ブラック DC-GH5M-K

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液晶価格の大幅下落でシャープ再起は不可能?液晶技術に集中しすぎたシャープの末路

  • 13 January 2016
  • のぶやん

液晶ディスプレイの価格は、ずっと下落を続けていますが、今ではパソコン用のディスプレイで多い23.5インチが17000円、27インチで21000円で売られるようになってきています。43インチという壁掛けの液晶型であったとしても、6万円あれば購入できてしまいます。液晶がコモディティ化したと言われてから久しいですが、工場による大量生産が確立した事によって、液晶の価格競争が激しくなって、普通に作って普通に売っていたのでは、全く利益がでない状況になってしまいました。

パソコンディスプレイは、1-3万円で購入可能

利益が出ないけど売るしかない状況

シャープの液晶についても、他社との競争の中で価格を大幅に下げないと売れない状況で、価格を限界まで下げています。価格を限界まで下げていくと、今度は利益がほとんど出ない状況になってしまいます。まるで、工場を稼働させる為に液晶を生産しているような状況に陥っています。その実態としては、売れば売るほど赤字になるという事でしょう。しかしながら、液晶を売らないと「会社としてはやる事がない」という状況に陥ってしまうので、赤字になっても向上を稼働させながら次の事業を探さなくてはいけないという非常に厳しい状況になっています。

原因となっているのは、液晶ディスプレイを作る技術が世界的に確立して、日本企業じゃなければ作れないという状況がなくなったからです。中国などには工場が乱立しており、液晶ディスプレーというのは、「品質を問わなければ工場さえ建てればどの会社でも作れる」という状況になってきました。更に激しい競争の中において、品質の向上も見られるようになってきており、「そこそこの物が安い価格」で作れるようになってきています。液晶の価格は、こうした中でますます下落を見せています。

技術以外に売れるものが何もない

シャープの場合には、既にかなりの規模でリストラを行っており、本社もニトリなどに118億円で売却しているので、既にシャープには「売るものがほとんどない状況」となっています。シャープが存続しているのは、その技術にある程度の価値があるからであり、その技術に依存して存続しているようなものでしょう。もちろん、技術というものが重要なものである事は間違いないのですが、技術というものも時間が経てば陳腐化していきます。

シャープの時価総額というのは、2016年1月に東証が明けた時点で2000億円弱あるわけですけど、ほとんど倒産しかけた会社としては高すぎる時価総額と指摘する人もいます。現在のシャープの技術がどの程度であるか図りかねますが、時間を経るごとにその技術が陳腐化している事は確かでしょう。

労働者が高い賃金を得られない

液晶が大衆のコモディティ化する中で、液晶を作っていたのでは労働者が高い賃金を得る事が難しい状況になってきています。日本では、中国の安い労働力などに対抗するために「派遣労働者員」を増やしてきましたが、この派遣労働者の条件が悪いと、今度はすぐに辞めたり、派遣労働者が集まりづらいという状況すら起こるようになってきています。更に言えば、派遣労働者の賃金というのをこれ以上下げる事は不可能であり、液晶価格が大幅に下落すると、経営努力を行ってもどうしようもない状況に陥っています。

シャープのように主力としていた事業においてグローバルの価格競争に巻き込まれると、派遣社員だけではなくて、正社員をリストラしたり、正社員の給与を維持する事も難しくなってきます。コストを削減できそうなところを全て削減しても会社を生き残らせないといけないという状況になるからです。こういった価格が下落するものを主力商品としている会社にすると、自分たちが価格を主導するほどに価格を落としていかないと厳しい状況にさらされています。とにかく「価格が安くないと売れない」という状況なので、他社より価格を下げるのを自分たちから行わないといけないのです。

新しいビジネスモデルが得られない

シャープは、液晶に集中するとして、大型工場などを作りましたが、それは最近のビジネスモデルとしては外れていました。国内において、そのような大規模工場を自社で抱える事は、相当にリスクが高すぎて、儲けるビジネスではなくなっていたのです。儲けている会社を見ると、アップルのように製品を発注する側に立って、市場を支配するマーケティング企業であり、シャープは製造業を強化する前の段階として、自社ブランドを活用したマーケティングを強化すべきだったのです。

もちろん、シャープが製造業としてアップルにはない独自の技術を強みとしていた所は理解できます。しかし、その技術というものでは、大量に出てくる安価の液晶に対抗しるほどの市場を形成できなかったという事です。いかに技術力が高くても、それを求めるユーザーが少なかったり、製品が高すぎては買ってくれる人がいないのです。国内に大規模工場を建設して価格を下げる事で、技術×大規模で低価格という勝負を挑んだ訳ですけど、「低価格」というものがシャープの予想を更に下回るような低価格になってしまって、結局のところシャープの大規模工場で勝負できなくなりました。

自社ブランドに依存しすぎた

亀山ブランドと呼ばれてシャープの亀山工場で生産されたものが非常に品質が良いと評判になったという事になっていて、実際に「液晶のシャープ」と言われるほど、シャープの液晶が優れていた事は、誰もが認める事でした。しかしながら、価格が高ければいくら優れた技術であったとしても、大衆が手が届く事はないという事がシャープの例で実証されました。例えば、ホテルなどで大量に液晶テレビを仕入れる時には、最も良い部屋にシャープ製の液晶を入れるとしても、全ての部屋でシャープ製の液晶を使う必要はどこにもないのです。顧客は、サムソン製であったとしても、テレビが綺麗に写ればそれで満足で、そこにコストをかける必要はないのです。

パナソニックが巨額の赤字から立ち直れたのは、パナソニックが「幅広い分野において基礎的な技術力が高い」という事にあります。例えば、パナソニックのデジカメなどは、「動画が最も綺麗に撮れる」という事で評判で、コンパクトデジカメでも他社のものよりも動画が綺麗に写ります。単なるカメラとして見た場合には、ニコン・キャノンに負けるのですが、動画を撮影できるカメラとして見た場合には、ダントツでパナソニックなのです。このように様々な分野で、パナソニックが「絶対に必要とされる事情」があるので、パナソニックが復活する事が出来たのでしょう。

ソニーのビデオカメラが壊れた!ソニータイマーが発動!

  • 27 December 2015
  • のぶやん

ソニーのビデオカメラHDR-CX535の内臓メモリが壊れました。特に水にぬれたりとか、衝撃を加えたとかいう事もなくて、普通に使っていたのですが、撮影中に何度もエラーを起こすようになっていて、やばいかな?と思ったのですが、そのうちに全く内臓メモリが動かなくなりました。本当にショックですが、外付けのメモリを挿入したら記録されるので、これで使おうと思います。

同じように持ち歩いていたパナソニックの一眼レフは、ソニーのビデオカメラよりも良く使っているのですが、それでも全く壊れません。本当に良く出来たカメラで、「丈夫に作られているな」と感心してしまうほどです。これだから、パナソニックの業績が良くて、ソニーの業績が悪いというのが納得できてしまいます。

ソニー製品はもう二度と買わない

ソニー製品で失敗したのは、今回の1度限りではありません。今まで買ったソニー製品の多くは、途中でぶっ壊れました。例えば、ソニーのマウスも壊れたし、ソニーの携帯も壊れました。ソニーと名が付くものは、全て壊れるものだと感じています。「ソニータイマー」という言葉があるのは、本当なのだと思います。

ソニーのビデオカメラであるハンディカムは、最高に使い勝手が悪いです。ソニーのビデオカメラは、短期間にバージョンを変更して、沢山のバージョンを出し過ぎていると思います。その結果として、ユーザーから見ても、自分の機種が販売停止になっていたり、後の機種との違いなどが分かりづらくなっているのです。多くのソニービデオカメラユーザーが混乱していると思います。様々な需要に答えようとするあまり、商品数が増えすぎていると感じます。

パナソニックは復活できるかも

パナソニックは、家電全般を扱っていますが、1つ1つの家電について商品のラインナップがソニーほど多くありません。ビデオカメラにしても、主力の民生用最上位機種であるGH4に資源を集中させている結果として、「素人でもボタンを押すだけで相当綺麗に撮影できる」事を実現しています。パナソニックは、カメラ全体として、とにかく画質が良いのが特徴です。ソニーのカメラなんて相手になりません。ビデオのプロは、キャノンやソニーのカメラを好みますが、セミプロユーザーには、パナソニックが最も良い選択肢と感じます。そして、世界中にセミプロは意外と多いのです。

パナソニックは、確かにプラズマテレビに命を懸けて大失敗して2013年から2014年にかけてプラズマテレビの生産を停止して、プラズマテレビ市場から撤退する事を決めています。ここで注目したいのは、プラズマテレビを撤退したにも関わらず、パナソニックのダメージが最小限で済んだという事でしょう。経営的に危険だと言われながらも、パナソニックは、技術力を用いて持ちこたえる事ができると感じる要素があります。それでも、パナソニックが有利子負債が1兆円にもなっており、会社の大きな負担になっている事は間違いないでしょう。
 

パソコンからテレビの一体化

パソコンからテレビ事業が一体化しようとしていますが、そうなると1人当たりの家電消費量が更に減少するとみられています。大型テレビを買ってYoutubeを見るという流れは、現在においても一般化してきています。また、テレビやパソコンがなくてもスマートフォンで映画を見たりするという器用な若者が増えている事も事実です。簡単に言えば、液晶画面が小さいならスマホディスプレーだし、大きいならパソコンやテレビというような使い分けだけになってきて、接続先が全く同じ方向になっています。

画面に映し出されるものの先に接続されるのは、何らかのコンテンツであり、それはテレビでもパソコンでも変わらなくなってきて、世界中のどこからでも同じようなクラウドに接続するスタイルに変わってきています。言い換えれば、パソコンのアプリが全て「チャンネル」のようなものになってきているという事でしょう。現状では、そのアプリが整理されてきているという状況です。

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パナソニックとシャープが経営危機に陥る理由

  • 9 July 2013
  • のぶやん
パナソニックとシャープが経営危機に陥る理由

家電の大手であったパナソニックとシャープの経営危機は、去るどころか深刻さを増しているようにも見えます。パナソニックは、5年前にあった余剰金1兆5千億円を使い果たした上に借金まで重ねて、2013年現在において1兆円の負債企業となっています。また、シャープも同様に1兆円もの負債を抱えており、海外の企業などから増資などを受けた所で、全く返済の見込みが立たない状況となっています。

どうしてお金もあって、企業で抱えるノウハウも沢山あったはずの日本企業が10年でこんなに醜い状況になってしまったのでしょうか?

パナソニックとシャープが経営危機に陥る理由

投資した時点では失敗とまで言えない?

パナソニックとシャープに共通している事は、自分たちの強い分野に強力に投資を傾けて高度化していったにも関わらず、市場が自分たちの強みと別の方向に行ったという事でしょう。言い換えれば、パナソニックのプラズマ技術が市場を支配できず、シャープの液晶技術は高価格すぎて中国や韓国の企業に負けてしまった訳です。

パナソニックは、自分の強みであるプラズマテレビに情熱を傾けて、シャープは液晶の大型工場に情熱を傾けました。経営の強みに情熱を傾ける姿勢は、後から見れば大きな失敗なのですが、当時の経営判断として間違っていなかったようにも見えます。関係ない分野に手を出した訳でもなく、「自分たちの強み」を最大限に活用しようとしたのです。しかし、時代の変化で強みを活用できない段階に入っていたという事です。

パナソニックのプラズマテレビ

パナソニックは、独自性のあるプラズマテレビ事業で世界の中心にあり、プラズマテレビが世界的に標準化されていれば、間違いなく今も世界の家電業界の中心にあった事でしょう。しかしながら、パナソニックのプラズマテレビは、液晶テレビに負けてしまって、他者が次々と液晶を中心とした生産を行う中で、パナソニックはプラズマテレビにこだわりました。今では、プラズマテレビを生産するのはパナソニック単体となりコスト高を招いています。

パナソニックが独自性が強いプラズマテレビにこだわるのは当然であり、それを主力に世界市場を支配したいというのは良く理解できます。しかし、実際に市場が2006年頃から液晶テレビに傾いた時点で、プラズマテレビからの撤退を早期に決める必要があったというのが後からみた結論です。プラズマテレビから撤退してさえいれば、黒字はでていなくても、1兆円以上の負債を抱える事は無くて、大きな経営危機に至っていない可能性はありました。

シャープの液晶テレビ

シャープは、パナソニックと違って液晶テレビで飛躍した企業で、「液晶のシャープ」と言われて、亀山工場がブランド名になるなど、国内を中心に高い知名度となりました。波に乗ったシャープは、更に液晶に対する投資を行うことに決定して、大阪の郊外に「堺工場」を1兆円もの巨額の資金で作りました。しかしながら、これがシャープの命取りとなりました。堺工場は稼動せず、年間1000億円もの巨額の維持費だけがかかる事になったのです。

現在のシャープは、既に破産寸前のところまできており、全ての工場が銀行の抵当に入っているという大変に厳しい状況です。会社の抱えた負債が会社の資産価値を完全に上回っており、会社が解散したとしても、銀行にお金を返済できないような債務超過の状況です。

得意分野が活かせない事実

日本企業の家電業界が突きつけられたもんだいは、既にハードで家電の日本企業が通用しなくなっている事実です。日本企業が担うのは、利益率が高くないとされる高度な部品をAppleなどの巨大メーカーに提供する「部品提供の企業」としての役割です。今までは、世界のブランド企業として活躍してきた日本企業が、1つの部品供給企業に成り下がってしまいました。

家電業界では、今まで日本国内で携帯電話会社と共同で開発されていた携帯電話もアップルとサムスンに完全に奪われてしまいました。この結果として、テレビだけではなくて、携帯電話、ビデオプレーヤー、CDプレイヤー、小型カメラなども売れなくなってしまいました。日本の家電業界は、今までのように多数の家電が売れる事がなくなって、全く売れるものがない状況に陥っています。

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