多くの政治家の中には、市民運動は弱いもので、既に終わったものだと『大きな勘違い』する人が増えていました。実際には、SNS等において横の繋がりが2年間の間に相当に強化されてきていて、多くの市民団体が横の繋がりで連絡を取り合える関係が生まれていました。また、学者などが全国で講演活動を続けるなど、草の根運動が行われてきたことも大きかったでしょう。
政治家から見ると、『市民』という概念というものは、支援してくれる団体と違って見えづらいという事があるでしょう。前原さんのような人は、民進党の中においても、市民運動から最も遠い位置にあったので、市民=共産党を支持していると大きな勘違いを起こしていました。安保法制の際にも、細野氏が役職もあったために国会前に来て演説を行ったのに比べて、前原氏は全く市民の前に顔を出そうともしませんでした。
実際には、市民と言っても、団体を形成した市民連合(学者、ママの会、立憲デモクラシーの会、SEADLs、総がかり行動)と別の位置に立っている人も数多くいます。例えば、アルバイトや派遣社員の人であったり、自営業者であったり、中小企業の社長などです。
枝野さんのフォロワー
立憲民主党のフォロワー数の激増が話題になる前に、枝野氏が代表選で突然に始めたツィッターのフォロワー数が急増して話題になっていました。開始してからすぐに1万人を突破したのです。これには枝野氏自身が驚いていましたが、潜在的に市民の前に顔を出さない前原氏に対する危機感が枝野氏を持ちあげる事に繋がっていきました。実際、枝野氏は前原氏と異なって市民の前にもよく顔を出していました。
従来であれば、自民党のネットサポーターズなどがインターネット上で威力を発揮していました。しかし、2015年の安保法制以降に危機感を持った多くの市民が覚醒して、インターネット上のSNSにおいても多数の活動を行うようになりました。こうした繋がりが2年間を通じてジワジワと増加してきたのです。SNSの使い方を各自が工夫するようになり、イベントや集会などの告知方法が工夫されていき、草の根の市民運動が広がりを見せました。
前原氏のクーデター
前原氏は、小池氏と当初から共謀して、代表として民進党の全体に嘘をついて『全員で希望の党に合流する』と嘘をついて民進党の内部を騙し打ちにしました。代表代行をしていた枝野氏は前原氏に騙されて、無所属で出馬するしかないような状況にまで追い込まれました。しかし、それでは多くの民進党の新人などが立候補できなくなるという事で、枝野氏が1人から新党を立ち上げる事にしたのです。
小池氏は、当初こそ安倍政権を敵に設定しようとしていましたが、途中から安倍政権との関係などが指摘されるようになると、従来路線であるリベラル攻撃を行うようになり、『排除する』という言葉も飛び出します。これにリベラル層と呼ばれる人たちは危機感を強めて反発して、小池はリベラル層の支持を急速に失いました。同時に、その支持層が立憲民主党に流れるようになり、立憲民主党の人気を生みました。
立憲民主党の人気
枝野氏が立憲民主党を結成して、ツィッターのアカウントが開設されると、フォロワー数が急増しました。すぐに10万フォロワーを超えて、1週間で17万フォロワーまでフォロワー数を増やしました。この事実から20万人ほどの人がツィッターで反自民党として政治の話題に敏感であった事が分かりました。
貧富の格差が大きく拡大した社会においては、安全保障を熱心に語る政治家よりも、人々の多くが具体的な経済政策を語ってほしいと願っているのです。安倍政権のように安全保障に目を向けさせて、その間に自分の友達を優遇したり、お金持ちを優遇したりする事に人々は気が付いてうんざりしてきているのです。