グローバル競争の中で「企業」「個人」として勝ち残るには
グローバル競争の中で、工場のような場所で「金型職人」と呼ばれるような人材を町工場で育てるような時代ではなくなってきました。ほとんどの工場では、金型というものは、機械で作れるようになってきていますし、機械で作れない金型についても中国・韓国など人件費が抑えられる国において作れるようになってきました。
消費財化した家電
10年前であれば、パソコンの価格も20万円を超えるものが当たり前のように存在していました。しかし、発展途上国などにおいてパソコンなどの価格下落が進んで、今では3万円-5万円でパソコンを購入できるのは当たり前になりました。中国などで安い人材を使って大量に部品を調達して作り上げる事ができるようになったからです。
今後は、家電の価格は更に下落していくものと考えられており、日本企業が更に海外に進出していくものと考えられています。国内の雇用情勢は少しずつ悪化して、欧州のように「若者に雇用の場を提供できない状況」が発生してしまうでしょう。
日本人は何が出来るか
日本人の収入は、大学を卒業したばかりで20万円という世界で見ると高い給与水準です。しかし、この給与水準を維持できたのも、世界で日本に沢山の工場があって、輸出国として栄えてきたからです。今では、日本に工場を置いていたのでは、価格競争力で勝てない状況になってきており、工場が次々と海外に進出してきています。
シャープが経営破綻しかけているのを見ても分かるとおり、従来どおりの「高品質・高価格」という路線では、マーケットシェアを確保できない事は明らかになってきています。いかに品質をそこそこに保ちつつも、低い価格で商品を作り出すかという事が重要になってきているのです。
企業のインターネットによるコストダウン
・ダイレクト注文を受ける
ANAのウェブサイトが非常に強いとされているように、ウェブマーケティングを徹底的に研究して、インターネットにおけるダイレクト注文を受けていく必要があります。ダイレクト注文で有名なのはDELLですが、パソコンなども量販店を通さずにダイレクトに注文を受け付けるシステムにすれば、工場から直販で価格に競争力を持つ事ができます。
また、証券会社などでも客のインターネット発注を促す事によって、営業員をなくした会社もあります。現在では、インターネット分野における価格競争が当然のようになってきており、多くの顧客は手数料が高い対面取引を嫌って、インターネット取引を行う時代になってきています。
・インターネットの人員削減
インターネットを上手に活用する事によって、人員を大幅に削減する事が可能になってきています。企業の中で、多くの業務がパソコンを使えば少人数で完結する業務となっています。また、クラウドなどを使って他社に外注する事による大幅なコストダウンも可能になる事でしょう。
企業は人員を削減する事によるコストダウン
企業が日頃から固定費用が必要となる人員を抱える事は、コスト競争力で劣ってしまう事になります。正社員で採用するとなると、1人当たり最低でも月額30万円ほどを支払わなくてはいけない事になります。利益が出ている時には、固定費がいくら発生しても大きな問題になる事はないのですが、利益がでなくなった時には大きな負担となってしまいます。
人件費を削減する方法としては、先ずは少人数で仕事が出来るようなシステムを開発していく必要があるでしょう。仕事をマニュアル化して流動性が高くても仕事が行えるようにすること。また、各自の無駄を省く為に在宅における勤務を認めたり、もしくは自宅と勤務地を近くさせるように補助を出すなどの事が考えられます。
・オフィスの最小化
・人員の最小化
・クラウド活用によるコストダウン
個人が企業のように活動する
・個人が取引先を増やしてリスク分散
企業がグローバル化して、人件費が安くなっていく中で、個人は企業に安く使われる労働力であっては困ります。安い労働力にならない為には、企業と対等に契約を結んでいく必要があります。個人であっても、中小企業のように活動して、取引先を増やしてリスク分散を図っていく必要があります。1つの場所に依存しているような関係では、とても対等な契約は結べません。
・個人として資産を形成する
個人の資産形成というのも非常に重要です。取引先から契約が切られてしまったとしても、個人自体に何らかの資産があれば、取引先を変更すれば済むからです。例えば、自分で価値の高いコンテンツを保有していたとすれば、広告を掲載していたコンテンツの会社から切られてしまったとしても、広告の会社を変更するだけで済むという事です。
・お金を支払って個人を動かす
日本では、起業意識が非常に低くて、給与所得でお金を貰うのが当然のように思われています。しかし、誰かにお金を支払う側に立たなくては、自分が豊かになっていく事はできません。30代、40代と年齢が上昇していくにつれて、自分で誰かを採用できる人間にならなくてはいけないという事でしょう。