三菱重工

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三菱重工の豪華客船とMRJの大失敗!日本の若者を抑圧し続けて民間需要が高齢化した悲惨な国家の末路

  • 18 November 2017
  • のぶやん

三菱重工は、新しいビジネスとして海外で活況となっている大型客船を開始すべく、赤字を覚悟で2011年にクルーズ客船を受注しました。多少の赤字は仕方ないと考えていたところもあるようで、受注して建造してノウハウを蓄積して、次からの受注に繋げて新しい市場を開拓していくという予定ではありました。しかし、この試みは大失敗に終わり、2013年6月に着工して2015年3月に引き渡し予定だったものが延期されて、2015年9月にようやく引き渡しが行われました。

この引き渡しの影響は非常に大きなものになり、2015年10月に欧州への回航を兼ねたデビュークルーズなどが中止となりました。1000億円で受注した船に2倍以上の金額をつぎ込む結果となり、2375億円の損失を出しました。この損失によって、三菱重工は大型客船の受注を継続する事ができなくなり、事実上の撤退となったのでした。リーマンショック後の2010年に客船ビジネスに参入を表明して以降、僅か6年で2隻の建造に終わりました。

他社からの受注の難しさ

従来の実績と言えば、5万tクラスの飛鳥がありましたが、自社建造の船であれば、自社技術で調整可能ですが、他社から受注するとなると要求通りに建造するので難易度が高まります。また、三菱重工は、5万tクラスの大型客船をしばらく建造しておらず、ゼロベースからのスタートとなりました。

12万tクラスの船ともなれば、高級ホテルのような内装を実現するだけではなくて、全室にWifi整備する技術であったり、船の中に大きな劇場も整備しなくてはなりません。造船の技術にとどまらず、多岐にわたる技術者が必要になり、そうした技術者を三菱重工は抱えていませんでした。素人が手探り状態でやった船など良い物が出来るはずもなく、完成度の低さに調整を重ねたものとみられています。

信頼を失った三菱重工

大型客船の失敗によって、三菱重工の評価として大型客船を建造する技術力が全くないという評価が定着して、再度の受注が不可能になったばかりではなくて、日本の造船技術力が大幅に低下している事を印象づける結果となりました。造船の受注自体は、中国・韓国が力を付けてきて、日本の市場をどんどん奪い取っています。このような状況で、日本は造船業が非常に厳しい状況に追い込まれています。

日本の技術力は、一部に優れたところもあるのも確かであり、最新技術を持った場所もあります。しかし、それはごく一部に限られたものであり、大型客船のような多岐にわたる建造ノウハウを保有してはいませんでした。付加価値の高い大型客船ではありますが、それだけノウハウがないと建造が難しく、そこが中国・韓国も手を付けられていない理由でした。

世界の市場に遅れる日本

三菱重工は、重工業分野で強みをもっていますが、実際の需要は重工業だけではなくて大型客船のように民間需要の市場が必要になってきます。移民などを積極的に受け入れて、経済成長を遂げてきた欧米と、この20年間に全く経済成長をしなかった日本では国民の考え方が全く違う方向に進んできています。日本人は、自分たちでも気が付かないうちに消費スタイルが世界の潮流とはかけ離れたものになってきています。

中国などがこの20年で国民のライフスタイルを変化させた事が注目されていますが、欧米各国も不動産の活況と経済成長に伴って、国民生活はバブリーな雰囲気を漂わせていました。その1つがクルーズ客船であり、夏の余暇を安値で楽しめると多くの需要を生み出しました。一方の日本では、高齢化が進んで、クルーズ船に乗るのは高齢者ばかりで、ファミリー需要などが見込めませんでした。これが三菱重工が自社で大型クルーズ船を導入しない事情でもあります。


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既に日本からイノベーションは絶望的。現実を直視して、未来の計画を立てる事が必要!大企業の内部留保400兆円でも大学が貧困化

  • 2 September 2017
  • のぶやん

このサイトでも使っている『バリューサーバー』が突然にアカウントを停止して、サイトの全ての情報を自動的に削除した事には本当に驚いて、呆れました。ユーザーの資産を消去する行為であるアカウントの削除という野は、最も慎重であるべきで、このサイトの場合には、既に支払いを2年先まで行っている状況でアカウントが停止しました。バリューサーバーの社内が崩壊状況にあるとしか思えません。

お金が余って技術力低下

日本では、大企業が400兆円を超える内部留保を蓄えていると言われています。どうして、それほど多額のお金を蓄えながら、技術開発が全く進まないかと言えば、国がお金の流れを大きく歪めてしまっているからです。お金の流れとしては、国が国債を大量に発行して消費行動を行って、その消費行動によって大企業にお金が流れますが、その消費を行った分を市民が増税で支払うというスタイルになってしまっています。

企業の内部にお金があっても、技術力がなければ、お金というのはいずれ無くなってしまいます。日本国内の大学・高専などでは、独立行政法人化されてから、人件費が削られ、研究予算が削られて、研究が以前にも増して厳しい状況になっています。日本政府の関係者は、大企業にお金を横流しするシステムで政治資金や賄賂を貰っている一方で、重要な研究機関である大学は貧困化して苦しんでいます。

開発にかかる時間・労力を理解してない

日本の場合には、研究にもの凄い時間と労力がかかるという認識の共有が国民の間でなされておらず、一部の理系学者の間と、一部の企業のみがそういった研究・開発のコストと労力を知っている状況です。今までアメリカから技術導入などパクリで進めてきたので、本来は膨大にかかる研究・開発費を軽視する、もしくはその事を理解できない構造になっているのです。旧日本軍と同じで、技術屋にカネを渡さず、上層部が威張っている状況です。技術屋だって普通はカネにならない仕事はしません。

三菱重工の客船がそうなんですけど、『出来そうだから』という理由で無理な価格で受注してきても、結局は出来ない訳です。やった事がない事業だから、技術評価もできず、何とかなるぐらいに受注して大赤字。それでいて、責任の所在も曖昧です。実際に重要な根幹技術については、自社で保有して厳格に管理するのが普通で、他社に流出しないようにします。

三菱重工の技術力が低下

三菱重工は、新しい事業として大型客船にチャレンジしましたが失敗して、MRJにチャレンジしましたがこちらも失敗しました。日本の大手機械メーカーとされる三菱重工の技術力低下は、業界全体の持つ力の低下を象徴しています。豪華客船2隻を建造するだけで2400億円以上の赤字を出して、自社に造船技術も内装技術も存在しない事を露呈してしまいました。また、MRJの開発は遅れに遅れて、MRJが完成したとしても、販売の目途が立たないような状況に陥っています。

どうしてこのような状況に陥ってしまったのか?と言えば、経営陣が技術力を良く理解しておらず、マーケットの新規開拓も怠ってきたからでしょう。豪華客船の開発も、航空機の開発も世界からは随分と遅れてしまって、既に挽回のきかないところまで差を付けられてしまいました。

技術者の処遇がヤバい

日本の技術者の処遇は、かなり悲惨なものとして知られています。何故だか社内で技術者が軽んじられ、技術を全く理解しない経営陣が偉そうにしていたりします。海外留学に出て最新の技術を持ちかえったところで何故か日本企業に採用されなかったり、新卒からの『生え抜き社員』が重視されたりと、社内の体制が技術力を軽んじる結果、日本の技術力はどんどん低下していきました。

技術力を高めるには、何年も時間がかかりますし、その技術を得るには地味な作業を続けていかなければいけません。20代のうちからしっかりと基礎を作って研究を進めていく必要がありますが、最近では生活に余裕がない20代が多くて研究どころではありません。たとえ研究に没頭して成功しても、手柄が全て会社に横取りされるような環境で、『貧しくてもいいから頑張れ』などと言っても誰も頑張らないでしょう。

技術開発をするのは困難の連続

新しい技術の開発というのは、教科書を暗記するのとは別次元で、自分で情報を探してきて、自分でテストしてみないといけません。よほど好きでやっているか、根性がないとやっていけません。しかしながら、生活が不安定になったり、心配事が多い中で技術開発などできる訳もありません。

技術開発では、プロジェクトチームを組んで、複数の人が数年がかりで開発を行わなくてはいけないので、非常に人件費のコストがかかります。また、それに見合った結果が出るとも限らないところが大変なところです。しかし、そうした技術開発を怠って、目先の利益だけを求めていくと、5年、10年レベルでどんどん競争力を失っていく事になります。

フリークライミングの技術

スイスの登山家、ウエリ・シュテック氏の登山技術と集中力というのは、人並みでは得られないレベルとされていて、世界最高峰と言われていました。残念ながら2017年春に亡くなりましたが、伝説の動画をいくつも世に残しています。彼は登山の為にスポンサーからお金を集めてはいますが、『いつ死ぬか分からない仕事』の中で、『お金を稼ぐ事』にほとんど意味がなかったでしょう。

このウエリ氏の登山スタイルは、誰も真似ができない領域とされていて、世界最高峰です。同じようなことは、スポーツ選手にも言える事で、スポンサーを背負った資金力がある日本人選手が資金力が薄いアフリカ諸国の選手に常に負け続けています。

誰も研究・開発を行わない会社は、利幅が小さくなって潰れる

  • 11 October 2016
  • のぶやん

三菱重工業がアイーダ社から豪華客船を受注しましたが、技術がないのに強引に受注した事によって、2000億円以上の大損失を出す結果となって、次の客船の受注どころではなくなってしまいました。失敗の徹底検証が必要ではありますが、徹底検証したところで、次の豪華客船を作るあてがある訳でもなく、突貫で仕上げた造船技術がどれだけ会社の技術力の蓄積になったかは、本当に不明です。

失われていた三菱重工の技術力

三菱重工の首脳陣は、自社にこれほど技術力が失われていた事に気が付きませんでした。2000億円以上の損失を出して初めて、自社の技術力が失われている事に気が付いて、2016年8月には、三菱重工はこれまで他社と提携していなかった造船事業の方針を転換、中堅の3社、今治造船、大島造船所、名村造船所と商船事業で提携すると発表しています。

2013年3月に三菱重工が『強度が従来と比べて2倍鋼板を使用』と自慢して造船したコンテナ船もインド洋で破断を起こしており、既に三菱重工に対する造船の信頼性はないと言えるでしょう。4382個ものコンテナが海に沈む結果となり、600億円の損害賠償も請求されています。運び主である三井商船ではなくて、製造の三菱重工側に問題が明らかなケースなので、三菱重工が多額の損害賠償金を支払う事になりそうです。コンテナ船だったから良かったですが、客船で人命が関われば大変な大惨事になっていました。

労働者が集まらないという問題

日本は、もともと移民受け入れをほとんど行ってこなかったので、造船にしても労働者が全く集まらないという問題がありました。人材募集をかけても、家の近くのコンビニで働かずに、造船などで油まみれになって働く仕事を選びたがる人など誰もいないのです。長崎で造船を行った時にも、三菱重工が海外労働者を使いました。海外労働者を悪い労働環境で低賃金で使い続けたので、その不満が手抜き、火災に繋がったという人もいます。

かつてのように『高校を卒業したてのような真面目な若者』が非常に不安定な雇用でかつ低賃金の造船所に申し込んで油まみれになって働くなどということは、今の日本ではあり得ない事です。コンビニのアルバイトなど、怪我をせずに働ける働き場所などいくらでもある時代に、危険を伴って低賃金の造船所に申し込む人など誰もいないでしょう。正社員で雇用してくれて、福利厚生があって、将来の見通しが立つという事であれば、申し込みもそれなりにあるでしょうけど、そんなことをしていたら今度は人件費がかさんでしまいます。

労働者が集まりづらいところで働くのは、定年退職をした高齢者などで、年金だけでは不足するような人たちです。『掃除、棒振り、運転手、新聞配達』などの職業は、どれも労働者が集まりづらくて、技術力も全く身に付かないような職業ばかりです。いわゆる『誰でもできる低賃金労働者』といった感じで、特に40代以上の人で50代から60代が日本でそういった職業に就くことが多い事が見て取れます。

低賃金労働者をこき使う問題

誰もやり手がいないような仕事をやらせているにも関わらず、労働者に対して非常に傲慢な扱いが目立ったのではないかとされています。日本人の会社員は、戦前のような根性論が通用すると思っている人がまだいるようです。海外から『研修生』として受け入れておきながら、実態は『安い労働力としてこき使おう』としか考えていないのです。単に『言われたことだけやってれいばいい』という奴隷型の労働を押し付けて、そういったマネジメントが現場に混乱をもたらしていました。

本来は『技術をメインで売っている会社』であるはずが、経営陣が技術分野にあまりに疎くなりすぎて、掛け声ばかりでまったく技術を理解しようとしないのです。技術力を熱心に磨いてきたような人が出世できず、コネなどでカネを稼いだ人が出世するとこういった事が起きるようになります。技術を全く理解していないにも関わらず、技術者に対して偉そうに命令を出して、現場は出来ない命令に混乱するのです。旧日本軍のようなものでしょう。

低賃金労働者から中間搾取ができなくなる

松屋、吉野家、コンビニチェーン店などは、法定の最低賃金がほとんどで、『これ以上は人件費が下げられない』というギリギリのところで働かせています。すき家にいたっては、深夜に1人のアルバイトでお店をまわす『ワンオペ』というのが常態化しており、頻繁に強盗が入る事が問題になっています。労働者を最低賃金で働かせているという事は、労働者の賃金をそれ以上は下げられないという事で、他に予算を削れる場所をどんどん削る事になります。例えば、リンガーハットは、それまで利用していなかった『冷凍麺』を利用して提供時間を2分以内に短縮する事と、野菜を均一に火を通すことができる自動回転鍋や移動式の調理器、自動麺解凍機を駆使して、完全にファストフード化する事によって、社員研修時間もそれまでの半年から1週間に改めて利益を出すスタイルに変えて成功しています。これを簡単に言うと、『野菜が多い以外はコンビニの料理を食べるのと変わらない』という事ですが、長崎ちゃんぽんの利益率は5%と高くありません。

労働者を時間給で働かせるというのは、極端に言ってしまえば、労働者の作業量を著しく増やしていくか、労働者が少なくても料理を提供できるようにするかという選択肢になります。労働者の作業量を増やすという意味では、松屋のプレミアム牛めしが以前の牛めしに比べて手間がかかったり、吉野家の『牛鍋丼』でアルバイトが悲鳴など、手間がかかる料理でアルバイトが悲鳴をあげているという事が話題になる事がありました。ファストフード店のアルバイトが工場労働者と同じで全く経歴として活用できない以上は、労働者は『なるべく負担にならない働き方をしたい、出来れば暇な方がいい』と考えるのは当然でしょう。忙しく働いても給料が全くあがらないですし、客にどんなに良いサービスを提供したところで自分の給料に何も関係がありません。吉野家・松屋など牛丼チェーン店は、労働者から搾取できる訳でもなく、かといって客から高い単価を取れるわけでもないので、利益率が高くありません。

サイゼリアは、安いイタリア料理を提供していますが、外食産業で5%以下とされる(リンガーハットが5%)利益率が10%を上回っているとされています。実際に会長がイタリアに何度も行って、その料理を良く研究しながら味を追求しているところが『安いけど味はしっかりしたものを提供する』という事に繋がっているという事です。先に価格を設定して、『お値打ち感』を出す為に徹底的にコストカットを行っていくというのです。サイゼリアの場合には、人件費を調整しながらも、研究開発費などのコストまで細かく考えて、全体としてのバランスを取っているという事です。

マニュアル化された中で技術を磨けない

マニュアル化するには、かなりの研究を重ねて、日々の努力が必要になってきます。マニュアル化するには、相当の根気・努力が必要となりますが、マニュアル化された中で働く労働者は、技術を必要としていません。マニュアルというのは、能力・経験に関わらず、誰でも均一に作業できるという事を目指したものであり、それは『工場の作業労働者』とあまり変わらない状態だからです。いくら作業量が多かったとしても、『言われた事だけやっていればよい』という状況で自分のスキルを伸ばす事はできません。言い換えれば、ファストフード店のパート・アルバイトなどをやっていたのでは、どんな技術も(接客技術でさえ)身に付かないという事です。

最近の企業で働く社員に求められている事は、以前とかなり変化しています。以前の企業であれば、『コストを切り詰めてマニュアル化を進める』という考え方が少なかったので、現場で作業員がそれぞれ工夫してやるようなものが多かった。しかし、今ではチェーン展開などのお店が急激に増えて、以前の社員がやっていた仕事を『マニュアル化』してパート・アルバイトに任せることで安い価格を実現して、『社員が何をすべきか考える能力』を身に付けるべきとする人が多いです。しかしですね、経営者でもない社員の身分で、一生懸命になって働いても給料がそんなに上がる訳でもないんですね。いくら頑張って働いたとしても、全て会社に吸い取られてしまう訳で、外食産業の店長社員というのは、人気がありません。

このような社員を使うトリックを改善したのがコンビニチェーン店です。最初からオーナーを『経営者』として提携する事で、『自分のお店』という意識を持たせていくらでも働かせる事ができます。その実態は、マニュアル化された店舗の中でいくら工夫を重ねるにも限界があり、『技術を磨いてコンビニから独立して別のコンビニを開く』ような真の独立が難しい形態になっています。結局のところは、他人から貰った『苦労せずして手に入れたノウハウ』という事で、その上で社員よりも過酷な労働を強いられている場合が多いのがコンビニチェーン店の実態です。

労働者の改善よりも技術改善が重要

労働者にいくら一生懸命に労働させたところで、生産性を上昇させるには限界があります。実際、戦争の最前線などで効率的に相手を制圧するには、人数を相手より圧倒的に多数にするか、相手よりも強い武器を持って効率的に相手を制圧するかという事になります。それを考えると、現場のオペレーションの質をいくら高めようと思っても限界があり、システムの側で顧客の満足度を高める方法を考えなくてはいけないという事になります。例えば、リンガーハットは、半年かかっていた研修を1週間に短縮できるシステムの導入と、2分で料理を提供するスピードに変える事で復活を遂げています。

日露戦争では、日本軍が従来の戦法で突撃したわけですが、その手法だと連射する機関銃に死体の山が出来上がるだけになっていました。これは第一次世界大戦の塹壕戦となっていきますが、航空機が発達してくると空から塹壕を攻撃するので、塹壕自体も意味が薄くなっていく事になりました。戦争で兵士を守る為にも、優れた技術が不可欠であったという訳です。

研究する技術者が馬鹿にされる日本

日本では、営業部が『金を稼ぐ部署』として影響力が強くて、技術部が『営業部のサポート』みたいになってしまっている企業が多いです。しかし、実際は『売り物の技術があっての営業』なので、技術系を軽視する日本企業の姿勢と言うのは非常に危険です。日本で馬鹿な上層部は、旧日本軍そのままに『技術者は使いパシリ』ぐらいに考えているかもしれませんが、IT系のベンチャー企業であったり、少人数のチームなどにおいては、技術者が全てであり、全員が技術者でも良いほどです。少人数で小型のプロジェクトであれば、対等な関係にある技術者で分担を話し合うのが最もうまくいく方法でしょう。

日本の証券会社は、対面営業の顧客が減少傾向にあり、インターネットで自分で取引する人が増えています。資産運用ツールであったり、株式売買ツールが発展した事と、インターネット取引の手数料が大幅に低下した事により、インターネット上で自由に売買する自由度が高くなってきたのです。顧客にとってメリットが大きいのは、対面営業で意味不明の資産運用アドバイスで高額手数料を取られるよりも、インターネットで自分で発注する事です。証券会社には、営業職が全く必要なくなるので、営業職をカットして、その分だけ自社でシステム開発を行うエンジニアを採用すればいいのです。

人数が多くなるプロジェクトになると、ディレクターがいて方向性を決めた上で、そのとおりにエンジニアが作る事が可能になります。その場合も、ディレクターがエンジニアと共通の話ができるように、技術方面を出来る限り理解できた方が良いでしょう。ディレクターと技術者が打ち合わせながら仕様を決定しますが、最終的なソフトの出来栄えというのは、技術に左右されるところも大きいのが事実です。ディレクターが偉そうにしていると、技術者がやる気を無くすので、あくまで対等な関係で話をすることが大事になります。その後にエンジニアがシステムを開発したとしても、それが流行るかどうかというのは分かりません。そこにマーケティングコストがかかったりする訳ですが、とにかくシステムが良いものが出来ている事が条件になります。

技術開発は、10年かかる事もある

HIVの薬の開発には、今まで信じられないほど多くの学者と多額の費用がかかっていますが、世界で3500万人いるとされるHIVが完治する薬というのは、2016年において開発されていません。造船であったり、航空機の製造であっても、すぐにサクサク開発できるものではありません。ソフトウェアの開発であっても、外部から見ると簡単に開発できると思い込んでいますが、実際には開発に時間がかかるばかりではなくて、バグ、セキュリティテストなどにも時間がかかって、信じられないほど膨大な人件費がかかります。

日本における大手の開発力を支えてきたのは、中小企業・零細企業による数十年にわたって養われてきた加工力であるとされています。自動車部品などにおいても、他社が真似できないような部品などに特化して製造してきた日本の中小・零細企業は多いです。しかし、そういった技術というのは、国際的に見ると高く見えるので、部品の数を大幅に省いた電気自動車が主体になってくると、難易度の高い部品を作ってきた町工場などが廃れていく可能性も指摘されています。

アメリカ軍が弱すぎたシャーマン戦車

アメリカは、第一次世界大戦で戦車が登場した後も、戦車の開発に熱心にはなれず、従来通り騎兵隊などを重視していたとされています。確かに初期の戦車というのは、小型で故障も多くて、戦場でなかなか主力として戦えない状況でした。しかし、それは第二次世界大戦の頃になると、戦場で主力となって動く事になります。何といっても、戦車の装甲の厚さは、かなり強力な銃火器がないと貫通しないので、歩兵に対して強みを持っていたのです。

問題になったのは、第二次世界大戦でドイツ軍が保有するタイガー2(キングタイガー)は、非常に厚い装甲であり、アメリカ軍のシャーマン戦車と打ち合いになった時には、ほとんど勝てたという代物でした。アメリカ軍は、ヨーロッパ大陸に船で輸送するので、軽くて大量生産ができるシャーマン戦車を主力にしていましたが、実際に戦場でシャーマン戦車が打ち負かされる事が多くて、多くの兵士が死傷する原因にもなりました。アメリカ軍は、それでもシャーマン戦車を大量に生産し続けました。結局、物量勝負で勝てば良いという考え方を持っていて、アメリカにはそれを生産するだけの資源と国力が存在していました。

アメリカは、第二次世界大戦でシャーマン戦車を5万両も生産したとされており、大量生産は、どの戦場でもシャーマン戦車を配置して歩兵支援に充てて、チーム運用が可能だったという利点を齎しています。アメリカの場合には、ドイツのように戦車のみが特に強かったわけではなくて、航空部隊、海上部隊、歩兵部隊も平均的に強みを持っていました。それらを上手に組み合わせることで、戦争に勝てれば良いと考えていたという事です。ドイツ軍の長靴の方がアメリカ軍よりも優れていたとり、細かい所を見るとアメリカ軍がドイツ軍に劣っていたところも沢山ありましたが、主要なところを押さえて合理的な戦い方をしていました。

低コスト・量産化には、それなりの技術力が必要

第二次世界大戦において、戦車を量産化した国としては、ドイツ、米国、ソ連があります。日本と他の国もそれなりに生産しましたが、物量で全く歯が立ちませんでした。そして、戦争の勝敗もそのとおりに出ています。幕末からアジアでいち早くヨーロッパを模倣して(というか他の国はヨーロッパの植民地化されていた)いたので、アジアにおいてはそれなりに技術力が高かったと評価されています。しかしながら、第一次世界大戦、第二次世界大戦を通じても、根本的な考え方は『模倣の領域を出ていない』レベルであり、例えば戦車に搭載されたエンジンなどは劣悪なままで、戦車の大型化を阻害していました。

戦後には、日本の開発技術の人員などが民生用の家電などに集中的に向けられた結果として、家電の大量生産に成功して、世界的に多くの民生品を生み出す事に成功しています。しかし、それもソフトウェアが主体になると日本に太刀打ちする手立てはなくて現在に至っています。

テレビの視聴率にみる番組制作力

報道ステーションは、古舘伊知郎さんがニュースキャスターを降板しましたが、視聴率がほとんど変わらずに10%を超える視聴率を記録して好評です。『古舘ブロジェクト』では構成作家など番組スタッフも抱えて、古舘伊知郎さんの年収(12億円)を含めて2015年度に30億を超える額で契約したとされています。実際に視聴率は高い視聴率をキープしていたのですが、テレビ朝日としては、番組制作費などもかかって、この高額報酬が負担になっていたものと思います。2016年からは、古館さんを完全に切って、そこをギャラが安く抑えられて、キャラクターも古館さんより薄い富川悠太さんを起用しましたが、視聴率が変わらず。テレビ朝日社長は、自慢げに『報ステのリニューアルは成功した』と発言しています。テレ朝の番組内容は、古舘伊知郎さんを切ってから更に良くなった感じがあります。押しつけがましい意見がなくなり、視聴者に情報提供をするスタイルが受けています。

その一方で、フジテレビのように視聴率が低迷している番組の特徴は、大物タレントに頼り切っているところです。有吉がTBSで視聴率が出せるからという事で、フジテレビで有吉を起用した結果が散々でした。全く同じタレントが出ているのに視聴率が取れないという事は、番組制作力が落ちているという事です。フジテレビの場合には、大物タレントに依存してきたせいもあって、どの番組でも視聴率が落ちているとされています。今まで自社で切れ味のある番組作りを怠って、芸能人依存だったことが視聴率の低迷に繋がっています。今は、大物タレントが出てくるよりも、親しみやすくて、中身がある番組が好まれる傾向が顕著になっています。

正規雇用と非正規雇用の賃金格差

日本では、正規雇用が減少して非正規雇用の増加が問題になっています。正規雇用が年齢に従って年収が増えていくのに対して、非正規雇用の年収が増えるという事はほとんどあり得ないからです。賃金格差は、30歳ぐらいから開いていって、40代~50代でピークになります。こうした現実から見えてくる事は、日本で派遣社員を長く続けてはいけないという事です。技術が身に付くわけでも、給料が上がる訳でもなく、派遣会社に搾取される単純労働者になるので、それを避ける必要があるでしょう。

非正規雇用を大量に作り出して、短期間的に見ると、今まで正社員がやっていた仕事を非正規雇用に丸投げして『コストを安くした』と言えるのですが、長期的に見ると自社の技術力の低下に繋がって悲惨な結果を招く可能性があるでしょう。例えば、三菱重工で豪華客船を受注しても、建造でトラブルが多発して大赤字になって、今まで技術開発を怠ってきたツケが出ている事は間違いありません。


http://rich.xrea.jp/200911/5.html

大失敗している国産MRJ

三菱重工が掛け声で失敗しているのは、造船だけではありません。国産旅客機の開発が悲願だったとして、国産MRJの開発に乗り出しましたが、度重なる延期で、既に生産が数年遅れることが明らかになっています。技術的に見ると、競合他社よりも技術力で互角であるか、劣っている可能性があり、そんなものが買われるはずもありません。大赤字を出して次からの開発ができなくなる可能性があります。そもそも、アメリカ企業ではなくてブラジル企業がやっているという事は、利益率がそんなに高い分野ではないのです。

コスト面では、エンブラエルの方がずっと有利だ。性能では、エンブラエルの方が少しだけ上だ。それでいて、MRJ はライバルを上回る業界1位のシェアを狙っている。
 「頭、大丈夫か?」
 と言いたくなる。自分の劣勢をわきまえていて、挽回しようと努力するのならまだわかる。ところが現実には、自分の劣勢を理解できないで、自分が優勢だと思って、相手に勝てると思っている。もはや、「キチガイの妄想」というレベルだ。
http://openblog.seesaa.net/article/435851481.html

国民から吸い上げるビジネスモデル

三菱などの財閥企業は、1965年から再開された国債発行がバブル崩壊後に急速に伸びて、2016年時点でGDP比232%に及んでいます。日本の超高齢化社会を考えると、この借金を返済できる可能性というのは、ほとんど皆無であり、借金が踏み倒されるという可能性が強まっています。簡単に言えば、旧日本円の無価値を意味しており、今まであったお金が無価値になってゼロスタートとなる事を意味しています。

そのような状況で海外から日本円が信頼されるはずもなく、日本円が価値を失って、1ドル300円以上になるものと予想されます。輸入品の価格が現在の状況ですまずに高騰する事になり、輸入物の豚肉が1000円とか、1500円になる可能性もあります。牛丼屋などは大打撃になるでしょう。


 

日本の破綻は近づいている

日本は、年金基金などの貯蓄があるので、それを国債の返済に回せば、当面の破綻を回避する事ができます。しかしながら、国債発行金額があまりに大きくなりすぎており、今後の医療・介護・福祉分野が膨らんでくると、それらの費用を削減する事が難しくなり、破綻を回避できなくなる可能性もあるでしょう。

極度の通貨安になれば、輸入に依存する国民はかなり貧困状態になりますが、円安によって輸出が伸びる可能性があります。ただし、海外から『安価な労働力』を期待されて伸びた輸出では、日本国民がかなり貧しい状況になる事は間違いありません。格差の拡大がかなり大きなものになるでしょう。

日本は、ロシアのように豊富な資源を持っている訳ではありません。少子高齢化によって技術力が失われてしまうと、先進国の地位を維持する事はほとんど不可能と言えるでしょう。それでも⒈億人の人口を保有しているので、国力としては世界に影響力を保てるかもしれませんが、貧富の格差が広がって、貧しい人は大変に貧しい生活になってしまう事は間違いなさ層です。

政府の政策は、貧困になっている人を助けるどころか、日銀で株価を釣り上げるなど、貧困を拡大させる方向に突き進んでいます。このような状況においては、もはや政府などに期待する事はできず、自己防衛をしていくしかなさそうです。

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