航空運賃に見る『労働者にお金が流れない仕組み』とは?
ヨーロッパまでの旅行をしようと思って調べると、運賃が53000円であるのに対して、その他の料金が43000円(サーチャージ24000円、諸税・手数料などが19000円)もかかっています。航空会社の利益は、運賃から出ると考えるのが普通なので、航空会社としては、顧客が支払う金額53000円の中でサービスを提供する必要があります。往復でこの価格ですので、片道だとヨーロッパまで26500円という事になります。
国内旅行でLCCが安いと言われていますけど、運賃だけ見るとヨーロッパ旅行も十分に安い価格であると分かります。それでも旅行コストが高くなるのは、税金などの諸費用があまりに高すぎるからなのです。顧客からすれば、旅行で利用する『航空会社に多額のお金を支払ったのにサービスが良くない』と感じてしまう要因になっているでしょう。顧客が支払った総額に対して、航空会社が提供できるサービスは限定されています。
航空運賃と諸費用が同じという謎
航空運賃を見て、諸費用がその航空運賃と同じだけの金額がかかるという事は、多くの顧客に疑問を抱かせる事でしょう。最近では、ホテルにも税金を課す国が増加しており、ホテルを予約する時にも同様に宿泊料金+諸費用(税金・サービス料)がかかる場合が増えています。その金額は、ホテルの宿泊費の20~30%にも及ぶ事があります。
運賃 JPY53,000
航空会社が定めるサーチャージ JPY24,000
諸税/手数料/料金 JPY19,000
人間が移動する税金が高い
現在、多くの先進各国においては、人間が移動する事に対して重税をかけるようになってきました。例えば、日本でも『出国税』というものが導入されて、出国する人は誰でも1000円を徴収される事になりました。LCCなどでアジアに行く人たちは、航空運賃が5000円なのに出国税が1000円というおかしな現象が発生する事になります。その税金の割合は、20%以上にも及ぶのです。完全に不平等な税制です。
こうした不平等な税制というのは、世界中で乱発されるようになってきて、『お金を持たない労働者階級の人々の移動』が簡単に出来ないようになってきています。