雇用問題

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現実問題としては、派遣労働者問題を何とも解決しがたい。日本で広がる貧困問題

  • 9 January 2016
  • のぶやん
派遣労働者

日本企業の競争力というのは、グローバル化の中で落ちている事は明らかなんですけど、その前に国内市場の競争が凄まじく激化していて、国内企業においても激しい価格競争が繰り広げられています。デフレの勝ち組と言われたマクドナルドは、その経営判断のミス(値上げしたにも関わらず中国産の品質が悪いというクレーム)から消費者の反感を買う事になってしまって、一気に業績が悪化して危機的な状況にあります。

派遣労働者

国内で激しい価格競争が起こっている

急速に人口低下などが起こっている中で、小売業・外食産業などで非常に激しい競争が起こるようになっています。日本人の人口が減っている上に、日本人の所得自体も大きく下がっているので、消費を促すのが非常に厳しい状況になっているのです。将来的に所得が上がらないと思う消費者たちは、価格に非常にシビアになっており、値上げなどにも非常に敏感に反応するようになっています。

数が増えている派遣社員など低所得の労働者は、月収が15万円ほどであると考えられ、(1000円×8×20=16万円)その人たちは、「ほとんどお金が貯まらない状況」になっていると考えられます。家賃を差し引くと残りが7-8万円という「貧困層」と定義されるラインになると考えられます。食費、友達との交際費などを考えると、手元に残るお金など僅かであり、旅行などにもほとんど行けずに、常にお金・生活の事を考えている事になると思います。恋愛などにおいても「非常に身動きがとりづらい金額」となるので、何をやるにも圧倒的に不利な状況になると思います。

急な出費が発生するとアウトで、日頃の生活費でお金が既に足りなくなって、少しの気晴らしの娯楽を行うためにキャッシングなどで借金している人も多いかもしれません。私の知り合いでも、彼女が居て良い服を着ないといけないからと、カードローンでリボ払いを30万ぐらいしている人がいました。


 

客数が減っても客単価でカヴァーする

外食産業の多くは、最近になってお客が減るリスクを取っても値上げする動きになってきています。しかしながら、値上げに敏感である顧客離れを引き起こす事になっており、牛丼チェーン店などは、どこでも値上げして客離れを起こしています。しかしながら、客単価を上昇させて、1人あたりからお金を取る工夫をするなどして、売り上げを維持している所が多いです。こうしたやり方は、マクドナルドの手法であり、客の満足度が低い状態で値上げを続けると、一気に客離れを引き起こすリスクを抱えています。

客としては、値上げが行われた分だけ期待値は高まる訳ですが、お店が汚かったり、接客が悪かったりすると、不満を持って店舗に行かなくなるリスクがあります。ディズニーランドは、値上げを繰り返した結果として、顧客の満足度を低下させています。値上げを繰り返しても、それだけリターンが得られなかったと思う客が圧倒的に多い事が要因です。大学生など、食べ物にも困るほどお金がない層にとってみると、ディズニーランドに行く事は、あまりに高すぎる買い物になってしまっているのです。

低所得者の可処分所得引き上げが必要

派遣労働者など低所得者の可処分所得を引き上げていく事が何よりも大事になっていくと考えます。働いても可処分所得がほとんど得られない状況が続いていると、多くの人は「何の為に働いているかも分からない状況」になってしまいます。まさに、奴隷のように毎日働いているだけという状況が形成されてしまうのです。工場の派遣労働者の番組などを見ると、狭いアパートに数人で住みこんで工場と往復するという生活を過ごして、月に20万円とかで、不要になったら派遣切りされるという事が繰り返されている訳です。

大学生などが卒業して企業に正社員勤務したところで、20万円ぐらいしか貰えないので、企業の寮に住んでいたとしても、奨学金を返済したら大変な事になってしまいます。ボーナスを貰ってようやくやりくりがつくような状況であり、それでもとても「豊かに暮らせる」という状況ではないでしょう。

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時給1500円になれば、非正規労働者が楽になれるか?SEALDsに見る「個性発揮する場所」の重要性

  • 12 October 2015
  • のぶやん

都心の生活だと、1ヶ月の給与が手取りで20万円を下回ってくると、生活が厳しいと感じるようになると思います。デフレだと言われていますが、消費税などは逆に上がっているので、所得が低い層の生活はほとんど変わっていないか、逆に苦しくなっている可能性があるでしょう。

東京の最低限の生活に必要な20万円

最初に考えるのが家賃で、東京の近郊でまともなところに住もうと思ったら、1人暮らしで65000円ぐらいが相場になるでしょう。65000円を割ってくると、条件がかなり悪くなってしまって、それ以下に家賃を下げるのは現実的ではありません。65000円だから良い部屋に住めるという訳ではなくて、1人暮らしで最低限のお部屋に住みたいと思ったら、それぐらいの価格を支払わなければいけないという事なのです。

朝にパンを食べて(300円)、昼、夜に松屋で定食(590円)を食べたとすれば、1日の食費というのは、1500円ほどになります。カフェに行ったり、コンビニで少し買い物をしたり、自動販売機でジュースを購入する事を考えると、普通に1日2000円ぐらい使ってもおかしくないでしょう。1日2000円の食費がかかったとすると、1ヶ月で60000円になります。仮に1日1500円で抑え込んだとしても、1ヶ月45000円です。

非正規雇用者の月収16万円

非正規雇用者がコンビニなどで時給1000円で働いたと仮定すると、1日8時間ほど働いて8000円になり、20日働くと16万円となります。更にここから年金・国民健康保険・税金などを引かれると、手取りは約13万円ほどになると予想されます。これで東京で暮らしていくとなると、相当に切り詰めた生活をしない限り無理だと分かります。家賃が65000円、食費が35000円だと計算しても、残る余剰金が僅か2万円となってしまって、生活として成立しないレベルの金額で貧困層と言えるでしょう。ただ、そうした人たちが増え続けています。

時給が1500円にあがると、収入が単純に1.5倍になる計算になるので、月収16万円の人が月収24万円になる可能性があります。ただし、収入だけが上昇して仕事内容がまったく変わらないという事にはならないと思うので、時給が上昇した分だけの貢献度が求められる可能性があります。今まで2人でやっていた仕事を1人でこなしたりするなどの部分が増えて、仕事が更にキツいものになると思います。ユニクロなどは、時給をあげるぐらいなら正社員にしてしまえという事で、地域正社員というポジションを作って、正社員化するような働き方を進めました。時給はアルバイトよりもあげるが、それだけコミットメントして貰うという意識です。このコミットメントは、アルバイトと比較にならないぐらいの重労働となる訳です。

アルバイトで独自性を打ち出せないか

社会人になって、時間とお金が自由に使えるという人は、それほど多くありません。1日8時間アルバイトをして貰える給料というのは、20万円を下回る状態なので、時間もなければお金もないという状況に陥ってしまいます。このような状況になってしまうと、余裕がなくなるので、別の活動ができない状況になってしまうでしょう。将来の夢などがあったとしても、諦めないといけない状況になるかもしれません。例えば、最近私が会った人でコールセンターでアルバイトしている人は、ブログを書いてアフィリエイトしていると言ってましたが、アフィリエイトは片手間のブログで儲かる時代ではありません。

今の時代に求められるのは、アルバイトなどで夢を実現させたいというのであれば、その状況を早めに脱却して自分の生活を立てた上で、そこから勝負をしかけるぐらいの技量が必要になると言う事でしょう。もしくは、正社員から能力を発揮して、独立していくという道筋もあります。いずれにしても、中途半端な気持ちで取り組んだところで、お小遣い稼ぎが精一杯という感じになってしまう事は明らかです。成長する企業などでは、アルバイトから社長になる道もあるようです。2015年にワタミの新社長にバイト出身の清水常務が就任したり、吉野家の社長がバイト出身だったりしたことは有名です。現実的には、そういった事はほとんどないと思った方が良いでしょう。

企業の内部で働くアルバイトの中には、様々な技術を身に着けられるものが沢山あったりしますが、私が知っている範囲で言えば、募集人数が1人とかいう『誰もがやりたい仕事』というのは、求人雑誌に出てこないで知り合いから紹介されるという事がほとんどです。求人雑誌に出てくるような仕事では、大量に人数を募集するものが大半であり、それらの仕事は技術を身に付けるものとは程遠い場合が多いのです。言い換えれば、そういった求人誌に出てくる仕事をしていたのでは、いつまでたってもその状態から抜け出せないという事になります。

私が出会った人では、こんな人もいました。アルバイトをしながら小説家になりたいという人だったのですが、具体的に何かやっているかと聞くと、日記すら書いていない。読書をするのが好きで、小説を読むのが好きだから小説家になりたいという事です。1年後に会った時も、彼はアルバイトを変更しただけで、小説を書いてはいませんでした。アルバイトの経験だけでは、日々の刺激が少なすぎて、小説を書こうと言う動機もネタもないのかもしれません。

40代・50代の中高年フリーターが急増

日本で40代・50代の中高年フリーターが急増して問題になっています。40代の中高年ニートは2014年時点で約45万人。これは2004年の約30万人から15万人も増加しているという事です。一度は正社員として就職したけど、それを辞めてフリーターになった人であったり、学生を卒業してからずっとフリーターで生活してきた人というのもいるようです。正社員などの求人の多くが35歳までの状態なので、これ以上の年齢になると非常に厳しい状況になる事が分かるでしょう。35歳ぐらいになるまでに何らかの対策を進めておかないと、40代になってから就職するのは厳しいと言わざるえないでしょうね。何も技術を持たないのであれば、当然ながら労働力が強くて吸収の早い若い人を選びますから。

SEALDsの事を「就職できなくてふるえる」と言ってた人がいたけど、今の時代には何にせよ目立たない人というのは何の役にも立たないです。逆に言えば、どんな立場であったとしても、目立てばいい事は結構ある。実際、SEALDsで中心だった奥田愛基さんは、国会で答弁の経験を得た上に、一橋大学の大学院に進学できた。就職できなくてふるえるのは、実は市議という身分にしか当選していない自分が落選した後のことだったりするんですけど、自分の事を棚にあげて若者を批判して、後からその結果が自分に降り注ぐことでしょう。

さて、技術を身に付けるのが第一段階で、技術から更にセンスを身に付けるという第二段階に持ち込まないとお金にならない時代になっています。普通は20代で技術とかセンスを総合的に身に付けて、30代以降で活躍と行きたいところなんですけど、高齢化と高度化が進んでいるから35歳ぐらいまで技術とセンスを身に付けたとして、40代では既に活躍し始めないと遅すぎるんですよね。他の人が見て「これは凄い」と思うものをサクッと作ってしまわないといけない。もちろん、パクリじゃなくて独自のやり方で。

面白さ・表現・他との違い

今の時代に求められているのは、他の人と自分がどのように違うかという事です。以前の1億総中流と叫ばれた時代とは明らかに違っている今を認識する必要があるのだと思います。それは、単にFacebookに掲載されている自分の写真が可愛いとか、そういったレベルのものではなくて、他者と明らかに違うものに情熱を注ぎこんで行く事が大事になるのだと思います。

多くの人はお金を存分に使って様々な事にチャレンジするほど余裕がないので、お金があれば他者との差別化が容易になるというのは、その通りだとお澪ます。しかしながら、お金があったからと言って、他者と差別化が完璧にできるかと言えば、それも違うと思います。オリンピックのエンブレムとか、ロゴとかの問題を見ても、コネで作ったものは気合が入っておらず、最悪のコピー作品と騒がれました。

SEALDsが自分たちで活躍の場を作る意味

SEALDsの活動というのは、自分たちでパンフレットを作ったり、動画を製作したり、デモを行ったり、広報から警察との交渉まで、全てを自分たちで行っています。今の時代は、動画を製作するスキルであったり、パンフレットを作るスキルというのは、学生でも頑張れば可能であるという事を示すと同時に、作成したものが多くの人に見られるという凄いチャンスを作り出しています。社会人になってくると、いかに自分が時間をかけて作ったとしても、それが社会に注目されないと言う事が良くある事で、成功体験を作るというのが容易な事ではありません。SEALDsのように自分たちで様々なものを作り上げて、注目を浴びると言う成功体験は、今後の彼らの人生に大きく役に立つ事は間違いなさそうです。

例えば、写真を撮影しても、動画を撮影しても、パンフレットを作製したとしても、自分がラップをやっていたとしても、歌手になりたいとしても、誰からも注目される機会とチャンスがなければ、飛躍する練習すらできません。アイドルグループが女優のきっかけとなっている人もいるように、SEALDsという団体が各個人の飛躍のステップとして機能している事は間違いありません。それが政治的な主張であるかどうかは、そこにはあまり関係ありません。仲間とのコミュニケーションスキルであったり、人前で話をするスキルであったり、デザインのセンスなどをどんどん磨いていく団体として機能している事は間違いないでしょう。

傍観者ではお金は得られない

このSEALDsデモに限ったことではないのですが、「当事者意識」というのが更に求められるような時代になってきたと感じています。政治の傍観者として見ていただけでは、どんどん自分たちの権利が侵害されていく事に国民が気が付き始めたのです。経済でも同じことが言えて、自分で主体的になって何かの経済活動を行わないと、どんどん搾取される側になっていってしまうのです。単に傍観者として見ているだけでは、何ら金銭が得られない時代になろうとしています。自分が主体的になって稼ごうという気持ちと努力が不可欠です。自分がいま、何ができるかを良く考えて、自分の能力を最大限に発揮していける方向性を模索していくべきでしょう。

1500円に賃金を上げろと叫ぶのも主体的な行動として素晴らしいと思いますが、更に言えば、「ニート株式会社」みたいにみんなで何かをやってみようという経済的にも行っていけるところまで発展していければ、もっと展望が見えてくるのだと思います。

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