中国人と日本人の最も大きな違いというのは、スケジュールについての考え方と言われています。日本人は事前の計画を良く組んで日程を決めてしまいますけど、中国人はガチガチに日程を組むことを好みません。
ガチガチに日程を組んでしまって、後から予定が入ってしまうと、キャンセルしなくてはならないので『相手の面子を潰した』という事になる事を嫌うからです。このために食事などでも直前に決まる事が多いです。一応は、考慮するけど、もっと良さそうな予定が入ると直前にキャンセルしてきます。相手の優先順位を考えながら、こちらもキャンセルされる予定で日程を組むのが正しいという事になります。
例えば、イギリスなどにおいては、約束事を日本人のようにきっちりと守ろうとする文化がないので、簡単にキャンセルするようなことが起こります。皆で集まろうと言っても、もっと良い約束があって都合が悪ければすぐにキャンセルしてきます。実際には、中国人のような手法の方がむしろ世界標準のようで、日本人の考え方の方が稀のようです。
イギリス人は、約束までして相手の迷惑を考えずにキャンセルする事が多いです。中国人は、一応は約束を曖昧にしながらキャンセルするかしないか直前に伝えてきます。その意味では、イギリス人よりも、中国人の方が相手に気を遣っているという事もできるかもしれません。あまり予定を組み立てないのは、世界標準ともいえるので、日本人も適応できるようにしなくてはいけません。
中国で直前に日程を決める
スケジュールは、『直前になって日程を決める』というのが中国の標準スタイルとなっています。中国の住んでいる地域によっても考え方に違いがあって、上海の場合に旅行に行く人は細かく予定を組む人も多いです。ただ、広州においては旅行に行くのに前の日になって直前に旅行チケットを取るなど、日本人から見るとあり得ないような事をします。
その日まで旅行に行く事すら決めず、1週間ぐらい前に思いついて旅行に行くような事を平気でします。さすがに海外旅行の場合には、ビザの件もあるので前々から計画を立てる人が多いようですが、直前になって海外旅行に申し込もうとして旅行会社に何とかしろと詰め寄る時もあります。
本当に直前に決める
直前というのがどれぐらい直前かと言えば、『3月3日から3月8日まで、北京に旅行に行くからご飯を一緒にしましょう』と誘うと、ほとんど必ず『到着したら連絡して下さい』という連絡がきて、具体的な日付が全く決まりません。日本人のように、『では3月6日に北京飯店で待ち合わせしましょう』などという事にはならないのです。
日本人のようにガチガチに日程を決めるのは、中国人全体に好まれる傾向であはりません。日程をガチガチに決める事で、拘束されるのを嫌がるためです。また、他人の事を信用していないので、来るか来ないか分からないような人の為に自分の日程を空けるのはもったいないと考えているのです。
中国のスマホ信用社会
中国では、スマートフォンの電子決済を信用力に用いる傾向が加速しています。あらゆる情報をクレジットスコアで換算して、それに応じて特典を付与するような仕組みが構築され始めています。スマートフォンを使った『お店の先払い』などが発達して、ドタキャンがなくなったので、お店としては非常にありがたいという事になります。
中国では、人口が多すぎて『簡単に人を信用できない社会』なので、このような仕組みで『信用を可視化』したことが有効に機能し始めているというのです。ただ、このような取り組みは、国家が全てを管理するという仕組みでもあり、先進諸国のように階級社会・格差社会が固定化する可能性を秘めているなどと思うのは、考えすぎでしょうかね。
中国人との約束
中国人の約束で『没問題』というは、必ず問題が出る事を想定しておくべきです。中国人の没問題の意味は、『30%ぐらいは何とか頑張ってみます』という意味だからです。日本人が中国人と約束する時には、『頑張って行動はしてくれるだろうけど、達成度は30%ぐらいを期待しておこう』と思っておかないと、後からトラブルになったり、下手をすれば日本人が怒ったりする事になります。
中国人は信用できないのではなくて、誰もがこうした『約束の安易な請け負い』をするので、日本人もそれに合わせた行動を行う必要があるという事です。直前にキャンセルされても『まあ、仕方ないな』と思うぐらいでないとやっていけません。また、13億人もいるので、民族・年齢・地域・都市と農村によって大きなばらつきがあるのも事実です。
日本人の意識を変える必要性
国際化の時代に合わせて、日本人の意識を変える必要性もあるでしょう。