THE BLUE HEARTSが1992年に発表した『夢』という曲で『あれもほしい、これもほしい、もっとほしい、もっともっとほしい』という台詞があるんです。欲しい夢が沢山あるという曲であり、THE BLUE HEARTSが活躍したバブル期にふさわしい曲だと思います。
多くの人が欲しいと思うものが値上がりして、欲しいと思わないものは値下がりするのです。
個人の欲望が消費を作る
1人1人の欲望が消費を作りだして、それが物価(物の価値)を上昇させるんです。そこを勘違いしている人がいて、日銀が金融緩和を行えば物価が上昇するみたいな良く分からない事を言う人がいます。物の価値が何も変わらないのに物価だけあげたら、人々の生活がどんどん苦しくなってしまいます。
人口減少の中で不動産を欲しいと思う人が少ないと、不動産価格は上昇せずに、むしろ下落していきます。不動産価格が下落局面にあれば、不動産に手を付けると損をするので、誰も買わない悪循環に陥ります。そこで金融緩和などで強引に不動産価格を跳ね上げると、無価値のものが高値で売買される事になって人為的なバブルが発生します。
日本のバブル経済
日本は1985年にプラザ合意で円高になって輸出企業が打撃を受ける事を避ける為に公定歩合を引き下げました。公定歩合を引き下げたので、お金が市場に溢れてバブルが発生する要因となりました。低金利で融資されたお金が不動産・株式市場に流れ込みました。
現在のアベノミクスも日銀がETFを買うなど、企業の評価以上に株価を釣り上げています。株価が適正以上に評価されるバブルが起こっているので、企業努力がないのに株価が高値を維持するという大株主だけに恩恵がある歪んだ政策です。しかも、日銀がETF買いをやめたら株価は暴落するでしょう。
貧困に苦しむ20代たち
日本では、20代が貧困に苦しんでいて、会社から25万円を受け取って、手元に残るのが18万円だったりする訳です。会社員1年目は、それでも税金がかからないからいいのですが、2年目から厳しくなって『何の為に働いてるんだろう』と思う人が多い訳です。しかも、一生懸命に働いても、あまり給料も上がりません。
貧困に苦しむ20代は就職するだけで喜ぶのですが、多くの日本企業で行わせる営業職などの単純ホワイトカラーとなっても、学習する事は多くありません。実際、銀行員を削減してコンピューターに置きかえる流れが進んでいます。能力値が低いままでは、いずれ失業するのは目に見えているのです。
サービス価値をあげる必要性
日本企業が高いお金を支払いたいと思うところまで、サービスの価値を上昇させる必要があります。今のように20代の安い労働力に依存した経済を脱却して、本当の付加価値の高いサービスを提供する必要性があるという事です。
日本企業のような形で、上司の背中を見ながら真似して単純作業を行っても、優秀な社員は育ちません。日本企業の場合、パワハラが横行しており、多くの職場で皆が委縮して単に言われた作業をやるだけです。その結果、無駄な作業が無駄なままで取り残されています。社員の皆が無駄だと分かっていても、誰も指摘しないのです。
海外のサービスに負ける
日本企業の経営者が『株価を釣り上げる』という事で経営努力を行っても居座ると、海外から進出してくるサービスにどんどん負ける事になります。インターネット分野でそれが顕著になってきており、ユーチューブ、ツィッター、FB、Appleスマホまで海外のサービスを中心に利用するようになってきています。
工業分野が中国に負けて、ITソフト分野でアメリカに負けて、日本人がグローバル競争の中において、ジワジワと追いつめられてきています。