安易な値上げで自爆したユニクロが悲しい!価格が高すぎてユニクロ離れ
今、スマートフォンも相当に安くなっていて、Androidで最も安いSIMフリーのものだと、6000円あれば購入出来てしまいます。1万円ぐらいあれば、普通に使えるスマートフォンが手に入る。そんな中で、洋服に3000円も、まして1万円も出す人なんて少なくなってきています。工業製品がそれだけ安くなるという意味は、衣類が更に安くなるという事でもあるからです。
ユニクロの客数が大幅に減少している
ユニクロでは、2015年に客数の減少が目立ちました。客数が減るという事は、店舗に来店する客が減少しているという事です。月によっては、前年度比85%(2015年12月)などという月もあって、そうなると、当然ながら売り上げにも大きく影響します。2015年で客単価は確かにあがりましたが、客数が減ったのでそれを補いきれず、売り上げがほとんど上がらないという結果を招きました。
簡単に言ってしまえば、値上げで客が離れて売り上げが上がらないという、経営の失敗だと思います。ユニクロが狙っていたのは、値上げする事によって、客数が横ばいであれば、売り上げが上がるといものでしたが、そうはなりませんでした。インターネットなどの価格を良く注目していない柳井会長の経営判断ミスであったと言えるでしょう。インターネットの洋服の価格は二極化していますが、特に安いものは、これ以上安くするのが無理なぐらい安くなっています。ZOZO TOWNでパーカー2000円ぐらいで買えます。
ユニクロでは、売っているものがほとんど変わらないにも関わらず、客単価が大きく上昇している所を見ると、『購入した客が明らかに以前よりも損をしている』と考える事もできます。
安いズボンが1500円から
学生が着用しているような安いズボンであれば、1500円ぐらいでインターネットで購入できるようになっています。かつてであれば、インターネットで洋服を購入する人は少なかったのですが、今では当たり前になっています。ユニクロに行って、高いズボンを買わなくても、インターネットで2000円以内でズボンを買えばいいんですよね。
ユニクロの場合には、ZOZO TOWNと違って、一等地に出店したりしているので、その分だけコストがかかっています。だから、価格面だけで勝負しようとすると、ZOZO TOWNに勝てない可能性すらあります。そこで、規模を拡大して対抗する事になりますが、そうすると在庫を抱えやすくなるというデメリットが発生して、商品の回転率に問題が出てくる可能性があります。
こうした問題に対処する為にZARAなどは、『売り切り』というシステムを採用していて、生産したものを売り切ったら終わりで、常に新しいファッションの製品を出すという事を繰り返しています。それでも、やはり似たような服装になりがちで飽きられるのは仕方ありません。ユニクロの場合には、本当に似たような服しか出さないので、インターネットに慣れた世代からすると、本当に似たような製品ばかりに見えて飽きてしまうのです。
ZOZO TOWNのズボン
銀座とかニューヨークの一等地とか
ユニクロは、安い服を売りたいという時に、銀座とか、ニューヨークの一等地にお店を構えて高級ブランドに並んでいるのですけど、あんなところに出店したら、土地代だけで凄い事になるのは簡単に想像できますね。アメリカでは、ユニクロはブランディングに失敗していて、赤字になっている店舗も多いのです。GAPと似たような路線になれば、GAPがうまくいってないので、当然ながらユニクロもうまくいく事がありません。日本のように知名度がある訳でもありません。
ユニクロは、日本では『安くてそこそこ良い服装』というブランドのイメージで売ったので成功したのですが、アメリカに入るときは『ブランド名で売ろう』と発想が逆転してしまっています。短期で業績を伸ばしたいという気持ちの焦りがあるのでしょうけど、そもそも安さが売りのユニクロが、安さ以外で売っていってうまくいく訳がないのです。ブランドを強調したところで、それが通用するのは最初だけで、お客は良く見ています。