40代と言えば、企業の中で給与も上昇して輝ける年頃だと思うのですが、40代後半から50代にさしかかってくると、チームから不要だと思われる事も増えてきています。チームで最も不要な人をあげろという質問をチームメンバーに対して行うと、年上の上司が不要で邪魔であると考える人も多いでしょう。40代後半・50代からは、チームに必要となる力量が若いとき以上に求められます。
エイチビイエムの美容師ニュースによると、男性の美容師は、20代から34歳までが9割を占めており、35歳以上が12%、40歳以上が6%しかいません。洋服屋さんであったり、美容屋さんなどのいわゆる「若者向けファッションのお店」では、若くないと通用しないという事が普通になっています。美容師の場合には、40代を過ぎたら違う職種に移るか、オーナーとして独立するかの選択しかないとまで言われています。
新しい事に興味を持って試すこと
2012年にYahoo! JAPANは井上雅博社長(55)が退任し、後任には宮坂学執行役員(44)が昇格しています。この井上社長が記者会見で述べた事が大変に印象的ではありました。井上社長は記者会見で、「ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を使ったことがなく、携帯電話もカバンに入れたまま。いつも引け目に感じていた」と退任の理由を述べています。記者会見でこんな事を正直に言える井上社長は、さすがだと思いますし、退任される決断もさすがと思います。Yahooの執行役員の年齢は、50代から40代前半へと大幅に若返りました。
ITの会社であるYahoo Japanの社長が携帯電話をカバンに入れたままで、SNSを利用した事がないという告白は衝撃的です。スマートフォンは、使い方を覚えると非常に便利なものなんですけど、井上社長であれば、お金も十分にあるし、全て送迎付きで電車移動もほとんどないでしょうから、スマートフォンを使うのが面倒だったという事でしょう。そして、SNSを使った事がないという事は、社長にずっといるべきではないという自身の判断も的を得ているわけです。
自分が詳しくないからという理由で、新しい技術を拒否してはいけない
年上の接待に疲れる
日本の社会では、年功上列社会となっている事が多いので、多くの会社において上司が自分よりも高い年齢である場合が多いです。その上司が能力が高くて尊敬できる場合には、年齢など全く問題にならない場合が多いのですが、その上司がチームメイトから評判が悪い場合には、年齢が高い事が「コミュニケーションが取りづらい」というマイナス要素として評価される事が多くなります。
会社のチームの中であまりに年齢が離れた人がいると、若い人がその人を接待しているような雰囲気になってしまうような状況を数多く見てきました。同じようなレベルの仕事をしているにも関わらず、相手が年上というだけで自分の価値観を押し付けてきたり、話を聞こうとしなかったりするという事は、若者の気分を不快にさせてしまいます。例えば、サイバーエージェントなどは、会社の雰囲気から20代・30代の社員が多くて、40代はほとんど居ないと言われています。
40代後半から50代の人は、若者の身になって考えてほしいものです。大した成功もしていないと言っては失礼ですが、普通のオヤジの話を居酒屋なんかでグダグダと聞かされるぐらいであれば、成功者の書いた本でも読めば良いと考える若者の方が圧倒的に多いのです。職場の若者は、高齢者の接待をしているような感覚に陥ってしまうこともあるほどです。
若い人から学ぼうとすること
20代後半から30代の人は、確かに経験という面においては、40代後半、50代の人に劣るかもしれません。しかし、最新の知識であったり、IT関係の知識においては、40代、50代よりも豊富に持っている場合が多いです。若い人の持っている知識を学ぼうとする事は、40代後半、50代の人にとっても、非常にプラスになる場合が多いです。
特に最近では、20代、30代前半の人は、ITツールなどに非常に敏感な人が多くて、新しいアプリであったり、ゲームなどを楽しんでいます。そうした社会の流行を知っておくだけでも、ビジネスにプラスになったりする事が多いのです。40代後半、50代になってくると、年下の人に対して偉い態度を取るようになる人がいますが、そんな事をしていたのでは、若者が心を閉ざして新しい知識を何も教えてくれなくなってしまいます。
若者の多くが好奇心旺盛で様々なものを吸収していけるので、若い人が興味を持っている分野について頭に入れておくことが非常に重要になってくるという事です。
若者の話を真剣に聞こうとすれば、自分が知らない知識を沢山教えてくれる
若い人をサポートすること
40代後半・50代になってきたのであれば、若い人をサポートしようという考え方も必要になるでしょう。若い人に対するサポートの方法にも注意が必要で、こうしろ、ああしろと命令口調で指示を出したり、こうした方が良い、ああした方が良いと自分の経験談を語るのではなくて、あくまでその若者の能力を発揮する方向に導いてあげる事が重要であると感じます。「こうした方が良い」という上から目線ではなくて、相手の話を良く聞いてあげて、自分で解決策を導く方向に持っていくということです。
相手をサポートする上で最も重要な事は、相手に対して興味を持つと言うことなのかもしれません。人間というものは、興味のない人の話を聞きたいと思うことはないのです。どんな人であれ、良い面というものがあるので、その良い面を発見する事によって、相手の話をもっと聞きたいと思うようになるでしょう。若い人を「自分の大切なパートナー」として尊重して、心を開いてもらえるようにする事が大切になるでしょう。
相手の話を調べること
各自の持っている情報であったり、興味と言うものは、各自が異なっている事が多いので、相手の話に興味を持って話を聞くという事が大前提になります。最初のうちは、会話のテキストに書いてあるように相手の話を聞いてあげているだけで相手が納得するという事もあるでしょうが、次第に反応が無い事に相手が「つまらない人」と思えるようになってきます。継続的に会う人に対しては、会話の内容にも変化を持たせていかないといけないのです。
会話に深みを持たせていくには、相手と話した内容に対して興味を持って、相手に聞いた情報を「後から調べておく」という事が大切になってくるでしょう。そうすれば、次回の会話の時に「以前に聞いたこの事について調べてみたんだけど・・・・」という会話の切り口を持たせる事ができます。若者が興味がある事について、自分も興味を持つ時間を作ると言うことは、会話を上手に聞く上でも重要であると感じます。そういった事を怠っていると、過去の自分の経験依存の会話になってしまって、詰まらない会話しかできなくなってしまいます。
若い人と会話した内容について調べると様々な知識を身に付けられる
例えば、高齢者の中でAKB48のメンバーを見て「全部同じに見える」という人がいますが、AKB48について聞いた時にAKB48のメンバーについて調べて、数人の名前を覚えておけば、何かビジネスの話題で役に立つかもしれません。最近では、エイベックス系のE-GIRLSの話を聞くことが多いですが、カラオケで若い女性が歌う事も増えているので、覚えておくといいかもしれません。
若者世代が何か消費行動を起こしたり、話題にしたりするという事は、その商品やサービスに何らかの魅力がある事がほとんどです。話をしている人がどのようなものに対して魅力を持っているのかという事を理解すると、自分が見えない世界であったり、面白さというものが見えてくるのかもしれません。
このE-girlsですが、1980年代におっさん達の世代に流行ったRYDEENをカヴァーしたりしています。基本的に若者狙いのグループであると思うのですが、セクシー系路線でおっさん世代を狙うような事もやっているみたいです。こういうものを共通話題に話を展開するのもアリなのかなと思ったりしています。
おじさんに人気の「おじぽっくる」
可愛くて気持ち悪いおじさんを部屋の中で探すと言うゲームです。非常に狭い部屋の中で展開されるアプリなのですが、個人開発にも関わらず、スマートフォンからの動きも非常にスムーズです。おじさんを見つけるという単純なゲームながら、作りこみがハンパなくて楽しめるゲームです。
*この記事の蛇足なんですけど、今勤務している会社に不満があって、「会社を辞めたい」とか言っている人に限って、会社を辞めて独立してやっている人の話に興味もなさそうで、話を聞いてくることもないんです。会社を辞めたいと思うのであれば、会社を辞めて何かの事業をしている人と話をして、それをメモして参考にするぐらいの事はあってもいいかなと思います。
会社を辞めたいのであれば、何か事業をするしかないんですけど、それをする自信がないのであれば、今の会社で全力を発揮して頑張る方法を考えた方が良いと思うのです。ダラダラ会社に不満を言っていると、30代ぐらいまでは良いのでしょうけど、40代、50代になると戦力外通知されてしまいますからね。