サイトのコンテンツを大量に準備する方法
戊辰戦争前というのは、侍が白兵戦と言われる刀を持って切り込むという手法が主流でした。これは、鉄砲の精度が悪かったので、近距離で切り込んだ方が相手を倒せる可能性が高かったからです。しかし、日本では戊辰戦争の頃から銃器が本格的に利用されるようになり、第一次大戦の頃には、完全に銃器が使われるようになっていました。
銃器が発達してくると、今度は1丁ずつの銃が重要になるのではなくて、もう少し高度な「マシンガン」というものが出現して、人間を打ちまくれるようになります。ここにきて、人間の突入は無力なものになり、第一次大戦で塹壕線が始まったのがご存知の通りです。それからマシンガンを打ち消す巨大戦車が出現して、塹壕を飛び越えるようになるという流れです。
・CC Licenceの写真利用
後半部分で書きましたが、コンテンツを大量に準備するには、他人が使っていいよと認めたコンテンツ(CC Licence)のコンテンツを大量に利用するのが良いと言えます。NAVERまとめのように引用すれば全ての写真を利用しても構わない(実際にGoogle imageやYahoo imageはそれをやって稼いでいる)と考える事もできますが、個人や小さな会社では危険を伴います。そこでCC Licenceなどを大量に使っていくのが現実的でしょう。
写真としては、数千枚単位扱うのではもはやお話にならず、数万枚単位から数十万枚単位の勝負を行って行く事になります。しかし、ここが難しいところで、数万枚の写真をどうやって短期間に1つのサイトに大量にアップロードして仕上げるのか?という問題が生じます。そこの技術は問われてしまう訳です。まさか、1枚1枚アップロードしていく訳にもいかないでしょうしね。
例えば、Gatag.netのようなサイトは、自分でコンテンツを何一つ生成していませんが、「CC Licence紹介サイト」として大量の写真を「合法的に」配信しています。
http://www.gatag.net/
今後は、このような形式のサイトが増加していく事は間違いないでしょう。良いコンテンツを多くの人が共有する手段としては、このようにオープン化していく事が重要になります。
・Youtube動画の利用
もっと簡単なところでは、Youtubeの動画をコンテンツとして利用するという方法もあるでしょう。実際に、猫や犬などのYoutube動画ばかりを収集して、それでアクセスを大量(月数百万PV)に集めているサイトも存在しています。ただし、こちらの場合には、自分のサーバーに動画をアップロードしている訳ではないので、いつ消えるかわからないという不安要素が出て来ます。
・コンテンツを大量に取り込みをどうするか
1からプログラミングしていたのでは、膨大な時間がかかってしまうので、オープンソースのCMSを利用しましょう。オープンソースと言えど、多くの機能があって、ほとんどやりたい事ができる場合が多いです。このブログでは、企業でも良く使われるオープンソースのCMSであるDrupalを使っていますが、Drupalは上手に使いこなすまでには、結構な学習量と労力が必要になります。2013年8月にHTML5を主体としたHTML5がリリースされる予定です。そうなると、操作性はかなり高まるはずです。
今ならWordpressを使う人が増えています。ただ、Wrodpressもブログから発展しているので、機能が多数ある訳ではなく、WordpressでDrupalにおけるViewなどの表示機能を上手に実現するのは難しいと言えるでしょう。単純サイトであれば可能かもしれませんけど。
コンテンツの歴史とブログ
・個人ブログの登場
ウェブサイトも、当初のうちは個人のブログに大量の人が注目するような時代がありました。例えば、2000年頃には、月に100万アクセスを集めた「連邦」(吉野健太郎さん運営)であったり、侍魂(2001年1月開設のテキスト)のサイトが爆発的ヒットを集めたりしました。こうしたサイトは、後の2003年頃から広まるWeb2.0「ブログ」という分野に注目が集まる事になります。この個人が日記サイトで人気を集めた時代がHTML主流の時代で「火縄銃」の程度と言えるでしょう。次の2.0系では、誰でも扱えるブログという分野が登場してきます。
・Web2.0の登場
Web2.0の主力はブログであり、2003年頃からLivedoor Blog, Seesaablog, FC2blogなど、ブログサービスが次々展開されて会員数を伸ばしました。この動きは、後からMixi, TwitterやFacebookに奪われていくことになり、ブログは最近では低迷してきました。2003年頃から2008年頃までは、誰でも持てる銃器が大量に出回った時代と言えるでしょう。
・まとめサイト登場
ブログに代わるものとして人気を集めたのが「まとめサイト」でした。ライブドアが主体となって、Googleのプレミアムアドセンスを提供する形で拡大して、Livedoor社による人気まとめサイト囲い込み戦略が成功して、まとめサイトがブームとなりました。その後にNHN社(ライブドア社を買収)は、NAVERまとめサイトという「誰もが簡単にまとめられるサイト」というものを作り出して、こちらも人気になり現在に至ります。このNAVERまとめを例えるならば、機関銃のようにコンテンツを量産できます。
・Google社とYahooの立場
ウェブサイトが出始めた2000年頃は、まだ「ブログ」という概念が確立されておらず、個人の日記がサイト上に書かれる事が普通でした。その為にYahooのカテゴリも有効性を持てて、Google検索よりも人気が強かったのですが、ブログの登場によって「サイト、ブログ」が分けられると、カテゴリで区分するのが難しくなってきました。サイトは時事性の薄いもの(いわゆるまとめられたもの)であり、ブログは時事性の強い更新頻度が高いものと区分されていきます。
コンテンツオープン化の時代
・コンテンツのオープン化の流れ
NAVERまとめなどが出てきた事を見ても分かるようにコンテンツのオープン化の流れは加速してきています。クリエイティブ・コモンズ(CC Licence)も急速に普及してきており、別に自分がコンテンツを全く生産しなくても、他人のコンテンツを引用しながらサイトを形成するという状況が可能になってきています。
自分で記事を書いたり写真を撮影するのには、大量の時間を必要としますが、人の作ったコンテンツを引用するのであれば、それほど時間を必要としないでしょう。サイトを作るうえで、引用というものがますます重要になってくるからです。
・検索エンジンの無意味化
コンテンツのオープン化の流れは、検索サイトを無意味なものにしていく可能性を秘めています。現時点で、既にそうなりつつあるのですが、検索しても同一結果しか得られないという事が発生してきています。現在でも、Googleで何かニュースを検索するとまとめサイトが上位にずらりと並ぶ時がありますが、それは今後も加速していくのです。