労働者

人間と自然との関係にかかわる、ある種の過程を「労働」と呼び[3]、人間が自身の行為によって、自然との関係を統制し、価値ある対象を形成する過程を「労働」と呼ぶ。 人間は古今東西、太古から現代にいたるまで、どの地域でも、何らかの生産活動により生きてきた。そうした生産活動を「労働」と解釈するようになったのは、近代以降である。

生産活動は、いつの時代でも、何らかの表象体系(意味づけの体系)と関わりがある。人間が行っている現実の生産行為とそれを包括する表象とはバラバラではなく、一体として存在する。言い換えると、何らかの生産活動があれば、それを解釈し表現する言葉が伴うことになり、こうした言葉には特定の歴史や世界像(世界観)が織り込まれていると考えられている。“労働について語る”ということは、言葉で織り成された労働表象を語ることでもある。人間が自然との間に、生産活動を通しつつ関係を持つということは、こうした表象に端的に現れているような、ある時代特有の世界解釈を身をもって生きることでもある。(→#歴史) 資本主義社会では、労働は倫理的性格の活動ではなく、労働者の生存を維持するために止むを得ず行われる苦痛に満ちたもの、と考えられるようになった。マルクス主義においては「資本主義社会では、生産手段を持たない多くの人々(=労働者階級)は自らの労働力を商品として売らざるを得ず、生産過程に投入されて剰余価値を生み出すため生産手段の所有者(=資本家階級)に搾取されることになる」と説明されるようになった[3]。(→#歴史) 現在、国際労働機関では、望ましい労働の形としてディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現を目標に挙げている。

労働者がコツコツと働いて貯金すると本当に豊かになれるのか?

  • 21 April 2017
  • のぶやん

大企業に勤めて、30代、40代ぐらいになってくると、年収450万円~年収600万円ぐらい貰えるようになって、生活水準としてはそれなりに安定します。一方で、フリーター・派遣社員になっていると、年収150万円~250万円ぐらいから抜け出す事ができなくなり、40代になって大企業社員と派遣社員の収入差が驚くほど大きくなるのが今の日本社会と言えるでしょう。だだ、大企業を辞めてしまえば、企業社員だった人の収入が落ちるのが普通です。

『会社を辞めた瞬間に生活の糧を全て失う』というリスクは、サラリーマンに一生涯ついて回ります。それは、年齢を重ねるほどにリスクが大きくなり、会社を辞める事が難しくなってきます。

子供ができて貧しくなる

独身の身で30代だと年間ボーナスが100万ぐらい出たりするので、住む場所にもよりますが、そんなに無駄使いしなければ、それなりの車を保有したり、高級バイクを持ったり、場合によっては不動産などに投資できるお金もできるでしょう。しかし、そこからが問題で、子供ができると家族に金がかかるようになって、カネをケチらないと生活が成り立たなくなっていくのです。

日本では、子育てに金がかかるようなシステムになっていて、フランスのように子育てが手厚くありません。子供ができた瞬間に恐ろしいほど金がかかってきて、大学も50%以上の学生が奨学金という名前のローンで通っています。

自分をコントロールする

テレビ、新聞、インターネットメディアで広告を毎日のように見せられる社会においては、消費を我慢してコントロールするのは、容易な事ではありません。周囲の友達が『自分には本当は必要のない消費』を勧めてくるという事もあるでしょう。例えば、タバコであったり、アルコールなどは、友達の影響で始める人が多いのです。会社に入社して『とりあえずビール』というのは、良くあるパターンです。

会社にいながら自分をコントロールし続けるなんて、少子高齢化の中では不可能でしょう。会社を支配しているのがオッサンばかりで、人数がオッサンが圧倒的に多くて、更に発言力もオッサンの方が圧倒的に強い状況において、会社の中で自分をコントロールし続けられる状況を作るのは不可能です。

若い派手好きが金持ちになれない

高齢者で金持っていて、派手好きというのは違いますよ、彼らは死ぬ前にカネを使いたいだけなんで。

若いうちから豪遊して、美人と一緒にいたいという気持ちは誰にでもあるでしょうが、ベンチャー企業を立ち上げたばかりなのに、『成功したベンチャー企業家のように派手に振る舞っている人』は危険です。最近では、実際に外資系から独立してベンチャー企業を立ち上げた若手の起業家などが格好を付けて六本木で遊んだりしていますが、実際にお金が稼げていない段階で遊び始めている事も少なくありません。

本当に成功するベンチャー起業家は、遊びを我慢して熱心にサービスを提供している地味なタイプの人間が多いです。地味な作業を行わないと、お金が一気に増えるという事はないです。家入一真さんのように自宅で苦労して会社を創業して大きくして、会社を売り払ったお金をあっという間に使ってしまった(2年で10億円以上を使った)という例もあります。

ディズニーUSJに行ってはいけない

ディズニーランドUSJに行くのは、現実逃避と言えますし、あのような場所でお金を浪費するようになると、若者が高齢者になっていくにしたがって人生が下降曲線にまっしぐらでしょう。

ディズニーランドで行く同じ金額で安い海外旅行にでも行けば、得られるものはディズニーランドとは全く別次元の本物の経験・知識になります。ディズニーランドに遊びに行っても、何も得られるものはなくて、単なる浪費になってしまいます。

タネ銭を貯めれば事業できるか

起業家の本には、『最初にサラリーマンでもやって懸命に働いてタネ銭を貯めて事業をしろ』と書いていて、確かに自分の金がないと事業が出来ないのは確かなんでしょうけど、ほとんどの人はカネがあっても増やし方が良く分からないので苦労するわけです。例えば、失業した時に貯金が100万円あったとしても、賃貸に住んでいたら半年ほど生活するだけで全てなくなってしまいます。タネ銭を貯めたつもりでも、実際に事業をやってみると、タネ銭どころか生活費にしかならないという訳です。

必要になるのは、タネ銭よりも定期的な収入になってきます。しかも、自分を養うだけの定期収入が必要になります。今は、インターネットで稼ごうという人もいますけど、実際にやってみるとブログを書いたぐらいで簡単に儲からない事が分かります。先行組が強すぎて、後発組が1年ぐらい頑張ったところで自分の生活を支える事もできない事が多いのです。そうしているうちに貯金がなくなったらオワリで、ニートになるか、また働きにいかないといけない。

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借金を返済できる条件は、『国民の労働意欲が高い』ということ。

  • 25 January 2017
  • のぶやん

日本が国債の借金を返済する前提としては、日本人の労働意欲が高くなくてはいけません。財政出動によって、労働意欲が高い日本人が多くなれば多くなるほど、財政出動というものが価値あるものになります。しかし、今の日本においては、いかなる積極財政を行ったとしても、日本人の労働意欲が上がる事はなく、経済の活性化に全く繋がりません。

総人口の労働意欲

いくらお金を出して雇用すると言っても働かない?そんな人がいるんでしょうか?先ずは、労働年齢にあるにも関わらず、働く気になれないニート、失業者などが日本で増えていて、その数が100万人以上とも言われています。こうした人たちに働いて貰う事は、日本経済にとって非常に重要で、特に財政出動、就学システムなどでやる気になって働いて貰えば、それだけ経済が活性化します。

今の日本には、退職して働く意欲も特になくて、体も働くには病気がちの高齢者が沢山います。

年金受給者(a pensioner)というのは、労働を全く行わない人たちなので、この人たちの労働意欲を計算するとゼロという事になります。つまり、総人口の労働意欲を計算すると、このゼロがどんどん増えるだけ、総人口の労働意欲が減少していく事になります。

働く人の数が減少する

働く人の数が減少して、働かない人の数が増えるという事は、経済にとって非常に深刻になります。この状況で財政出動を行ったとしても、経済活動を行っていない高齢者の労働意欲は全く高まらないので、財政出動というものが全く用をなさない状況になってしまいます。理論上は、財政出動を行えば、失業率を大幅に改善できるというのが一般理論なんですけど、高齢化した社会においては、財政出動をいくら行っても引退した高齢者を市場に戻すことはできません。

日本においてサービスを受ける側が大量に出てきているにも関わらず、サービスをする側が少ないので、新卒が容易に就職できるような状況になってきています。それ自体は悪いことではないですが、日本経済全体としては、働いていない人の数がどんどん増えていくという事は、紛れもない事実です。

若者の最低賃金を大幅に引き上げる

この状況で経済を活性化させたいと思ったら、若者を大きく優遇して、もっと働いて貰えばいいという事になる。若者の数は限られているので、その限られた若者をやる気にして、多くの若者に最大限の労働力を提供して貰う事が経済活性化に必要になる。今は、昔の日本のように若者が余っている時代と同じ風潮があって、『若者を大事に扱わず使い捨てる』という事が行われている。低賃金のアルバイトなどを使い捨てのように扱って、すぐに辞めたら募集すればいいぐらいに思っているから、それじゃあダメだ。

アルバイトの若者であったとしても、無職の若者であったとしても、やる気を持ってガンガン働いて貰うようにしないと、日本経済は良くならない。

経済を活性化させるためには、1人1人の若者に将来を与えなくてはいけない。1人1人の若者に『車を持てる、家を持てる』という未来を与えなくてはいけないのだ。その未来がないと、若者は人生を諦めたような人が多くなり、労働生産性が非常に低い状態になったり、下手をすれば仕事を辞めて諦めた感じのニート状態になってしまう。

The government and company should improve the motivation of employee and their performance.

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賃金を大幅に上昇させても、社員のやる気が上昇して業績に結び付かない?

  • 21 December 2016
  • のぶやん

『千円札は拾うな。』という書籍を書いた安田佳生さんは、リクルートに勝つためには、自社も優秀な社員を採用する必要があると考えて、社員に対して2年目から新幹線のグリーン車を使ったり、新卒に対して高給を約束したりして、ワイキューブを人気企業に押し上げました。しかし、実際には高給取りの社員は、『自分たちは高いお金を貰って当然だ、何故なら優秀だから』と考えるようになり、業績は上がらなかったというのです。

ワイキューブは、売り上げが伸びても利益が伸びず、借金によって経営を成立させる企業になって、従業員に対しても借金でお金を払っていって、倒産に突っ走る事になります。

会社の従業員は何を見ているか

会社の従業員は何を見て働いているのか?という事を考えると、お金だけではなさそうだという事に気が付きます。従業員は、お金は確かに大事だと思っていますが、それ以上に経営者・上司の態度であったり、会社の成長性などを見ているでしょう。

『我が社の業績が厳しい』と言いながら、休日に高級車に乗って出歩いている社長がいたとすれば、従業員からの信頼を得る事は難しいでしょう。

シンガポールで子育てした村田マリ

iemoという自分で設立した会社をDeNAに売却した村田マリ氏ですが、シンガポールに居住しながらDeNAの執行役員として事業指揮をとっていました。朝の電話会議に参加して指令を出しながら、日本に月に5日ほどしか来ていなかったというのです。『会社を売却してシンガポールで子育てする女性』というのは、誰もが憧れる素晴らしい生き方だと思うのですが、それと会社の社員であったり、外部の人がどう思うかというのは別問題です。

会社の社員からすると、責任者が日本にいないで、会社に月5日しか出社してこないという事は、それだけで信頼関係を持つのがかなり大変な事でしょう。何か疑問がある時でも、実際に決断を行う村田マリ氏がシンガポールにいるので、連絡が取りづらかったり、状況を説明するのが難しくなるからです。DeNAが起こしたWELQの問題が大きな問題になった背景にも、この村田マリ氏がシンガポールに居て状況を把握できなかった事が大きかったでしょう。

優秀と言われる人材が村田マリの下で働きますかね?働く訳がないと思います。一時的に高い給料を目的に雇われる事はあるかもしれませんけど、半年か1年ぐらいしたらすぐに辞めるでしょう。WELQの事業自体が技術力、競争力がないライターのリライトで、将来性が暗いぐらい誰にでも分かるからです。良い人が採用できないからと言って、他の企業に比べて高給を約束してくれるDeNAですけど、優秀な人ほど金で雇えないですね。

会社が親密さを利用して洗脳する

会社というのは、社員に懇親会を開催したり、飲み会を開催したりすることで親密さを深めていきます。こうする事によって、会社と個人の利害関係を近づけて、半強制的に共同体を形成しようとします。日本で新卒採用を活発に行おうとするのは、共同体として参加させることで、他の社会を知らない状況にしておきたいという事があるでしょう。そうすれば、『会社として使いやすい人材』は育成できますが、外の世界を知らない状況になる事は、競争において不利になることもあります。

例えば、会社に洗脳された社員は、会社と共同体になってしまうので、労働運動などを起こすことが少なくなり、『会社が賃金を下げても、不景気だから仕方ない』と思いこむようになったりします。本当はそんな事がなくても、毎日のように会社に出社して言う事を聞いている状況になると、誰でもそうなってしまうという事です。これは、軍隊の兵士などにも見られる傾向で、組織の中に適応してやっていくには、組織の考え方に同調しなければ難しく、いちいち反発してられないという事もあるでしょう。

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DeNAは、ライターを大事にせずに搾取したので、WELQで大炎上した時、誰も擁護しなかった。

  • 20 December 2016
  • のぶやん

DeNAは、ランサーズであったり、クラウドワークスなどを使って、信じられないような安い価格(1文字0.5円)でライターに発注していました。このような金額では、プロのライターなどは相手にしませんので、書いているのは、学生・主婦など、いわゆる『素人ライター』と言われる人たちで、空いた時間にライティングぎょゆむを行っていた人たちでしょう。

安い金額でコピペとリライト

DeNAのマニュアルなどを見ると、非常に細かいことが書かれていて、まともに守っていたのでは、全く割に合わないでしょう。時給500円以下で働くようなものです。実際、ライティングされた文章というのは、品質が非常に低い物であったり、どこから持ってきたか分からない文章をリライトしたものがほとんどでした。これがDeNAのWELQの炎上要因となっていきます。

DeNAの失敗というのは、クラウドワークス、ランサーズなどを使って大規模に安く書かせる業務をやらせてしまった事でしょう。ライターは、お金を貰っている身でありながら、DeNAに対して貢献しようなどとは全く思っておらず、早く終わらせてさっさとお金を貰う事しか考えていなかったでしょう。そして、そのような記事が無責任に量産された結果、WELQというサイト上に全く信用できない記事が大量に掲載される事になり炎上しました。

搾取ビジネスはうまくいかない

三菱造船が豪華客船を受注して大失敗した背景には、安い外国人労働者を大量に雇用下にも関わらず、彼らを上手に管理できなかったからと言われています。その結果、納期が大幅に遅れて、判明分だけで約2400億円の赤字を出す結果となりました。外国人労働者を安く使おうとした結果、逆に彼らの反発をかうことになってうまくいかなくなったのです。原因はそれだけではないですが、外国人労働者に反感を持たれていた事は事実でしょう。

コストを引き下げようとするのであれば、技術力を向上させるなどして対応するべきで、これ以上安くならないコストで雇用している外国人労働者に対して過剰労働を押し付けるのは無理があります。 会社が社員に給料以上の仕事をしろと言ったところで、社員はどこかで手を抜くのです。そして、それが後から会社にダメージとして効いてくる事が良くあります。

多くの人の支持を得た企業が勝つ

多くの市民がスマートフォンなどを使って情報発信に積極的になる中で、多くの人の支持を得ないで物事を進めようとするのは、難しくなってきています。DeNAのWELQの場合には、激安で書かせたライターからは支持を得られておらず、閲覧者の一部からは記事の内容の薄さに非難が殺到して、メディアにも叩かれて、もう擁護する人がほとんどいない中で孤立しました。このような状況になってくると、DeNAとしての信頼もなくなってしまって、謝罪会見を開催するしかない状況にまで追い込まれました。

多くの人の支持を得るには、それなりにお金を配って、気を使って運営を行わなければいけませんでした。しかし、そうした事に気を使って運営するべき執行役員で責任者の村田マリ氏は、シンガポールに移住して子育ての事に関心が向いていたようで、朝にビデオチャットでミーティングして、月に5日ほどしか日本に滞在していなかったというのです。こうした状況で、現場の状況であったり、実際にユーザーがどのように感じているかを把握するのは不可能だったと言えるでしょう。

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時代によって変化していく資産の意味を考える。資産を保有して労働者を脱却しよう。

  • 6 December 2016
  • のぶやん
時代によって変化していく資産の意味を考える。資産を保有して労働者を脱却しよう。

日本では、戦後の高度経済成長期は、年功序列・終身雇用が成立していました。それは、日本の経済が右肩上がりで成長していたので、潰れる会社が特に大手で非常に少なくて、安定して業績を上げていける状況にあったからです。そういった中で、どこの会社においても、人材が必要とされていて、新卒が高校・大学から供給されて、会社で仕事を覚えて一人前になっていくスタイルでした。

労働者にとっての資産

労働者が最も大切な資産というのは、自身の労働力である事は間違いありません。戦後の終身雇用・年功序列というシステムでは、それ自体が労働者にとって資産価値を持っていると言えるでしょう。会社が正社員として囲い込んで、正社員として生活の安定を守ると保証する事によって、会社で安心して働くことが出来るという面がありました。正社員であれば、ボーナスが年2回ほど支給される事になっており、ある程度の貯蓄を行う事も可能になっていました。その正社員としての保証は、労働者にとって『無形資産』であったとも言えるでしょう。

このような状況は、90年頃から中国が成長して、グローバル化が加速した事により終焉していきます。日本の価格競争力は失われ、工場は中国などに移転していきました。終身雇用・年功序列を信じるものは少なくなり、会社も従業員に対して終身雇用・年功序列まで保証する事は難しくなりました。労働者にとっての無形資産であった『終身雇用・年功序列』が失われると、労働者でいる事のメリットは相当に薄らいだと言えるでしょう。シャープなどの会社を見て分かる通り、負け組の会社になると、40代以上の社員がリストラされて、再就職する事も難しくなっています。

土地・建物の資産価値が減少

日本は、少子高齢化の影響によって、土地・建物の価格が大幅に減少しています。土地・建物の資産価値が減少するという事は、地方都市で自宅を売却したとしても、大した価格にならないという事です。東京であれば、自宅を売却すれば、築年数が新しい物であればそれなりの価格が付きますが、日本全国のほとんどの場所では不動産の価値が大幅に下落しました。特に下落幅が大きいのは、北海道の過疎地域であり、タダのような値段を付けても買い手がいないような状況になっています。

同じことが言えるのは、スキーリゾート地で、湯沢町などにバブル時代に建てられたマンションが立ち並んでいますが、10万円の価格が付けられても買い手がいない状況になっています。日本の土地・建物は、今後は更なる人口減少によって更に価格が下落するとみられていて、過疎地などには、住む人がいなくなる無人地帯が増えるとみられています。土地・建物が収益性資産になるどころか、何もしないで維持・管理・税金などがかかってくるので、むしろ負債として扱われる場所も多いです。

日本の企業でなくなったシャープ

かつて優良企業とされていたシャープは、台湾企業である鴻海の傘下に入って、日本企業ではなくなりました。2004年に亀山工場、2006年に亀山第二工場を建設して液晶テレビが『亀山ブランド』として売れるところまでは成功しましたが、そこで片山幹雄氏が社長に就任してリーマンショック前の2007年に堺工場を『亀山工場の約4倍、甲子園球場が32個入る規模』で建設した事によって、リーマンショックを乗り切れずに大赤字を抱えていく事になります。そして、その後に毎年のように巨額赤字を出すようになり、会社の経営は大きく傾いていく事になりました。

確かにシャープの持っている技術は、中国・韓国企業の数年先をいくものでしたが、日本の消費者がテレビという耐久財を毎年買うはずもなく、海外においては、シャープのテレビは高すぎて売れませんでした。シャープは、技術力には自信があると言っていましたが、実際に日本国内においても、技術力がそこそこで安価なテレビが売れるようになったのです。液晶以外の分野に進出したり、お金があるうちに海外企業の買収に乗り出す事が必要だったという事なのでしょうが、社内の生え抜きであった社長にそういう事は出来なかったのでしょう。

収益を生むものが資産

資産が収益を生むものであるとすれば、現在の資産というのは、インターネット上のプラットフォームであり、アプリという事になるでしょう。実際にアメリカで時価総額が大きいのは、検索エンジンの会社であるGoogle社であり、プラットフォームを運営するFacebookであったり、iPhoneのプラットフォームを提供しているApple社です。今の時代は、インターネットで収益を生み出す企業の時価総額が最も高い所をみても、インターネットのクラウド上で多くの人が使うプラットフォームを持つことが企業価値が最も高くなる方法であるという事になるでしょう。

収益を生み出す会社の株式を持つ人と、収益を生み出す会社の株式を持たない人の差は、最近になってどんどん拡大しています。そして、世界の上位僅か62人の富が世界の下位30億人と同じであるとさえ言われています。このような状況になるのは、工場であれば従業員が働いて労働者に届けるというスタイルでしたが、現在のインターネットは、プラットフォームを提供する側が作り出して、その上でゲームなどのアプリが動いて、ユーザー同士がコミュニケーションを取るので、実際に成功したプラットフォーマ―は、管理者として振る舞う事が出来るので利益率が高くなっています。

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イギリスの産業革命から労働者階級の成立

  • 12 November 2016
  • のぶやん

イギリスの産業革命(1760年~1830年頃にかけて)は、イギリスにおいて軽工業・重工業が発達した時期でもありました。

生産手段を持たない労働者階級の成立


http://blog.econ.nagoya-cu.ac.jp/e-column/?p=861

産業革命以前の『生産手段』と言えば、資本である土地から食料を生み出す事が主流でした。それは、産業革命以後になると、工場から様々な製品を生み出す事が出来るようになっていきます。人類は、食料を生産するだけではなくて、工業製品を生産するように移り変わっていく事になるのです。

工場というのは、それまでの手作業の一部を工場を使う事によって大量に生産する事が可能となり、安価で量産化された製品が可能になりました。この事によって、従来行われていた農村部の作業は工場の作業員が大量に行うスタイルに変化していく事になります。

世界の工場となるイギリス

産業革命がイギリスで起こったことによって、イギリスでは工場が沢山出来る事になり、輸入して加工してから輸出するという『加工貿易』が盛んに行われるようになってきます。特に綿を加工して洋服に仕上げて輸出するというビジネスが活発に行われるようになって、それに伴って綿花供給元となるアメリカなどで奴隷の労働力を使った大規模農園が発達する事になります。

アメリカでは、1863年1月1日に『奴隷解放宣言』が行われますが、それ以降も奴隷から解放された黒人に対する差別がずっと残っていく事になります。黒人に対する差別が少なくなったのは、第二次世界大戦を終えてからの市民運動によるものでした。

現代における自作農・小作農

日本において巨大資本が全国に店舗を張り巡らすようになってくると、地域の特色であった食堂・レストランなどが減少するに伴って、『自営業者』というのは減少しました。その多くが『会社員』として巨大資本、中小企業などに就職する訳ですが、現在では正社員・派遣社員・アルバイトなど企業の中でも労働者に格差を付けたような働き方が一般化しています。

正社員というのは、休んでも給料が支払われるという点においては、それが会社の資本との結びつきが強いと言えますし、逆に派遣社員・アルバイトなどになると、時給制の賃金という事で完全に小作農と言えるでしょう。


 

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会社員としての意識では『日本でこれから通用しない』というのは事実

  • 4 November 2016
  • のぶやん

経営者・株主から見ると、労働者の報酬がいかに低く抑えるかという事が大変に重要であり、ギリギリまで低い所で抑えられているのです。今の世界の状況は、下位30億人と上位60人の資産が同じだと言われているので、言い換えれば『お金がない人がお金を取り合っている』と考える事も出来ます。お金を奪い合っているのは誰かと言えば、発展途上国に暮らす貧しい人と、先進国ので働く最下級の労働者であると言えるでしょう。

サラリーマンなどは、労働力を提供して給与を受け取る訳ですけど、労働力というのは会社の『コスト』として存在する訳で、会社は利益を出して株主に還元しています。言い換えれば、優秀であればあるほど、自分が『コスト』とならないように株主側に回ったり、経営側に回ったりするようになります。

利益を出せなくなった日本モデル

戦後の日本は、安くて良質である労働力をアメリカなどに輸出する事で成立してきました。そのモデルは、90年頃から中国が台頭してくる事によって崩れ去る事になります。日本のモデルが崩れ去った事で、日本の会社は利益を出しづらい体質になりました。株主の為に利益を出さないといけないので、工場などは海外に移転するようになって、日本の多くの製造業は海外で製造を行うようになりました。

このような中で、日本で雇用を守るという観点から、正社員をリストラしたり、契約社員・派遣社員などに置き換えていく事になりました。日本では、かつてのように『会社員で普通にやっていれば給料が貰える』という時代ではなくなっています。そもそも、多くの工場が海外に移転しており、日本で製造自体を行わなくなったからです。

日本で求められる高度な能力

日本では、製造業が大幅に衰退して、完全に『モノづくり国家』とは言えない状況になっています。90年代から中国の台頭は凄まじいもがあり、はっきり言って日本は完全に中国に飲み込まれた形になりました。今までと同じようなやり方をしている人は、『全員が負け組』になってしまう事が分かります。サラリーマンなどは、今まで以上に自分を磨いていかないと、生き残るだけで至難と言えるでしょう。

工場が海外に移転する中で、日本国内に残った会社の競争が激しさを増して、利益が出しづらくなっているのです。例えば、運送業などにおいて、ヤマト運輸が中間決算7000億円の売り上げに対して利益200億円なので、利益率が3.5%と非常に薄利多売であることが分かります。このように競争が激しくなってくると、利益を出す為に1人当たりの従業員に求められる作業量も膨大なものになってきます。

ITが成長産業から成熟産業へ

IT業界の競争まで一段と激しさを増していて、IT業界の中でも利益がどんどん出にくい状況になってきました。例えば、スマートフォンのアプリなどの開発競争も非常に激しくなっていて、開発会社が破産する例も出てきています。ユーザーが求める機能も高度化しており、1本当たりのコストがどんどん上昇して、大手でないと数本を並行して開発したり、マーケティングする事も厳しい状況になっている現実があります。そして、このIT業界の競争は、これから更にグローバル化に向かって本格化するので、より厳しい競争が待ち構えている事は間違いありません。

IT業界でも淘汰が進んでいくので、自社の新しい技術開発であったり、技術力を高めていかなければならない事は間違いないでしょう。会社の業績が一時的に良いように見えた会社でも、コストがかかる開発をした挙句に倒産してしまう事も出てきました。例えば、ツィッター社などは、上場してからずっと黒字が出ないで悩んでおり、2016年10月には、Vineを売却するに至りました。

格差社会の多くが経済的底辺になる

日本においても、格差社会が表面化して問題になっていますが、格差を解消していくのは、容易な事ではありません。格差社会と言うのは、社会にとって良い事ではありませんが、先進国・発展途上国という国境線がある以上は、先進国において格差が出てきてしまっても、国境線をまたいで移動できないので格差が解消しづらくなってしまっているのです。つまり、自分で国を選べれば、福祉が充実した国を選んだり、教育でやり直しの機会が得られるかもしれませんが、自分の国にずっといた場合には、経済的に底辺から抜け出せなくなってしまうのです。

経済的に底辺になってしまうと、抜け出すのが本当に大変な社会です。お金が無ければ、満足に食事する事も出来ず、その結果として奴隷のように働くしかなくなってしまいます。最近では、大学を出たけれども、簡単な仕事しかできずに苦労している人が沢山出てくるようになりました。日本において20代~40代までの世代においても、グローバル化の中において何ら技術を身に着けずに年齢を重ねる人が増えています。

チャンスが全くない訳でもない

このような格差社会においては、チャンスというのが非常に小さいものであることは事実ですが、チャンスが全くない訳でもありません。例えば、会社に勤務するのではなくて、自分で事業をやって、ギリギリまで頑張りすぎるぐらい頑張る事で成功する可能性が少しぐらいは残されているかもしれません。いわゆる起業家の『ラーメン代』と言われるものですが、ラーメン代を稼ぎながら事業を継続して、チャンスを待つという事です。これは、時間がかかって良い方法ではないのかもしれませんが、全力で頑張るというのならば、こういう方法もアリだと思います。少なくとも、自力で生きる能力を身につければ、それほど強いものはありませんから。

IT関係の技術が高度化するに従って、チームで大きなアプリを開発する事が普通になっていますが、そんな時だからこそ低コストで開発できた場合の競争力が非常に強い訳です。しかし、一般的に言えば、そういった事はあまり起こらず、チームで開発した方が短期で競争力が強いものが仕上がる事が多いです。その点を工夫しながら行う事によってチャンスが生まれると言っても良いでしょう。1つの点に絞って1点突破を図れば、稼げるようになる可能性も高いでしょう。例えば、自分が得意な分野で非常にマニアな分野について、研究を重ねていくという方法があるかもしれません。その場合でも、並大抵ではない時間と集中力が求められます。

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デジタル経済に変貌していく過程で実店舗の経済が縮小する

  • 31 October 2016
  • のぶやん
証券取引所

かつての証券取引所では、『立会人』というものがいて、証券売買を手で請け負っていました。この証券取引所の立会人は、1987年オリバー・ストーン監督の映画『ウォール街』にも登場します。その後に1999年には、日本の東証で株券売買立会場の閉場して、インターネットで注文を受け付けるようになっていきました。

それまで立会人として仕事して居た人は、その仕事を失って各証券会社などで営業マンとして働くなど、別の業務をこなす事になっていくのでした。今では、個人がインターネットで発注する事が一般的になっており、証券会社による手数料もかなり安くなっています。それに伴って『対面営業』『電話営業』などの証券会社の仕事も近い将来には、ほとんどなくなるとも言われています。


(東証のサイトより引用)

競争が激化する小売業界

実際にデジタル化していく産業というのは、沢山あります。特にオンラインで購入した方が圧倒的に安いとされているのが『家電』です。ヨドバシカメラでは、店舗を保有しながらオンライン販売に力を注ぎこんでいて、全品配送無料にするなど、アマゾンに対抗した措置をとって高い顧客満足度となっています。既に日本のオンライン小売業界の競争が激しくて、アマゾン、楽天、ヨドバシ、ヤフーなどと乱立状態になっています。オンライン販売の売り上げが少しずつ鈍化する中で、限られたパイを奪い合う戦国時代となっています。

ヨドバシカメラは、最初は家電だけを販売していたのですが、今では家電だけでなくて、食品・お菓子・日用品なども取り扱うようになって、取り扱いの幅を広げています。ヨドバシカメラがアマゾンより強いのは、実際に店舗を持っているので、『店舗で見てネットで買ってください』と言っているところです。ヨドバシカメラの店舗は、倉庫&展示場のような役割を果たしているのです。

2016年9月15日には、『ヨドバシエクストリーム』というものを開始して、都内であれば調味料・加工食品などを最短で2時間半で届けてくれるサービスを行っています。アマゾンの「プライムナウ(Prime Now)」に対抗したサービスとみられています。ヨドバシカメラの強みは、全国に店舗を展開して、既に商品を全国に配送するためのノウハウなどを持っているという事です。全てヨドバシカメラが発送するので、楽天のように店舗ごとにばらつきがないという安心感があります。

デジタル化に伴う実店舗の縮小

オンライン上で競争が激化していく事は、実体経済に大きな影響を及ぼす事になっていきます。インターネット上でアマゾンなどが提示する価格というのは、メーカーから大量買い付けで安く仕入れているので、仕入れ値に限りなく近い価格が付けられています。この為に実際の店舗で価格競争しようとしても、全く太刀打ちにならないのです。このような状況の中では、実店舗の人件費などを落とすしかないので、店長以外は、派遣社員・アルバイトというお店も少なくありません。

オンライン販売に対抗していく為には、実店舗のコストを削って安くしていく必要性があります。実際の店舗を縮小・廃止したり、人件費を削る動きは、小売業界に見られるようになってきました。オンライン販売が伸びている分だけ、実店舗の売り上げが減少しているからです。予備校なども高額なお金を出していく場所ではなくなっており、『オンライン学習で済まされる』場合が多くなっていて、将来的に大学の授業などもオンラインに置き換わる可能性が高いでしょう。

個人がデジタル化に対応できない可能性

企業であれば、資本の一部をデジタル化に傾けたり、デジタル化に大幅に舵を切って成功するようなヨドバシカメラの例もありますが、個人が急にデジタル化していく事は、容易な事ではありません。簡単に言ってしまえば、それまで大学の講師をして所得を得ていた人は、オンライン学習が始まると必要なくなってリストラされてしまうので、同じスキルで生きようと思ったら『限界まで低価格で採用される』もしくは『Youtuberとして学生を自分で集めて食っていく』ぐらいの選択肢しかないという事になってしまいます。

新聞記者のような職業は、新聞の購読者数が激減しているので、大幅に給与カットされていくなどして、年収400万円ほどまで給与が下落するとされています。また、インターネット上の新聞で今までほど稼ぐのは不可能と見られているので、新聞社が人員削減を進めるのは避けられないと見られています。実際、市民が配信する記事が沢山読まれていたりするなどして、記者が専門的な職業とは見られなくなってきています。経済規模がほとんど変化しないような日本のような社会において、こうしてオンライン経済が発展してくると、オフライン経済に従事している人は、どんどん賃金を失っていく事になる可能性があるでしょう。

専門家と言われた人の賃金も低下

会計の専門家と言われた『会計士』などの職業も、今では専門のソフトがあれば、素人でも簡単なものであれば、自分でできるようになってきています。資格などの多くが形骸化してしまって、資格をとっても企業で採用されなかったり、企業に採用されたとしても低賃金で思ったような収入が得られなかったりという事が起こってきています。最近では、弁護士・税理士など今まで高度と見られていた職業においても、仕事を見つけられないという事が起こってきています。

20代・30代まで労働力として企業の採用も活発に行われますが、40代以上の年齢になると、専門性がないと採用されません。今では、何らかの専門性があったとしても、高い賃金が得られるとは限らないという事です。例えば、『証券アナリスト』などがそれにあたります。専門性が高そうに見える職業ですが、実際に40代で失業するのは至難の業と言えるでしょう。

デジタル経済が国境を超える

ビットコインなどの仮想通貨は、今までの『国を基準とした通貨』と異なって、『国が管理・運営する通貨』ではなくなっています。この新しい形態の通貨は、既に普及し始めていて、実際の店舗で使えるというお店まで出てきました。ビットコインを国がコントロールできないという事は、国が保証する事もありませんが、『預金封鎖』などが起こらないという事を意味しています。

例えば、ウェブコンテンツを作った人に対してお金をあげる事は、現在では国内では簡単ですが海外の人に少額のお金をあげる事は簡単ではありません。それがビットコインを使えば、国境を越えて少額のお金のやり取りが可能になり、クレジットカードで高い手数料・為替手数料を支払わなくて良くなります。

ビットコインが値上がりするという事は、実際に『国単位で使われている通貨』の下落を意味する可能性があります。現在、人民元が下落すると、その分のお金がビットコインに流れてくると言われています。国が大量の借金を抱え込んでどうしようもなくなっている中で、グローバル企業が1つの国以上の価値・お金を持つようになっています。そうした中において、国だけがお金を保証するという事に無理が出てきており、グローバル企業がグローバルで通用する独自通貨を保有したいと考えるのでしょう。

ビットコインの価値というのは、グローバル企業などが『私のところで使えます』という事によって価値が生み出されていると考える事もできるでしょう。例えば、楽天が『私のところで楽天ポイントを使えます』と宣言して、実際に楽天ポイントを使った場合には、楽天がポイント分の現金を店舗に支払う事になります。ビットコインは、『私の所でビットコインが利用できます』としている店舗によって、その価値を担保されていると言い換える事も出来ます。 

Bitcoinの場合には、Expadiaなどが決済で使えるようにしているので、それで『使えるものに需要が生まれる』という事で、ビットコインの価値が生まれています。

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